5/21 05:46

サンダルを履いてコンビニへ行く。半袖に一枚羽織っただけではまだ寒い。路地は薄暗く見たくなかったのでなるだけ目を瞑って歩いているとすぐに着いた。
MOWのドリンクはあったけれどりんごは品切れしていた。かにぱんが可愛かったのでカゴに入れた。後は適当にタンパク質が取れそうなものを選んだ。

最後にカフェラテを買った。店員さんがストローはいるか聞いてくれて嬉しかった。口紅をつけてこなかったので断った。
店を出ると日が上り朝の湿った甘い匂いがした。空気がひんやりとしていて、いつの間にか自分の体が温まっていた事に気がついた。
息を吸って体に溜める。吐く。つい十五分前には閉め切った部屋でうずくまり泣いていたのが、ずっと昔のことだった気がする。

一週間ほど前に通話した人から優しい言葉をたくさんもらったけれど、何も言えなかった。後になって、ありがとうございますと言えばよかっただけだった事を、考えてようやく分かった。私はいやに気位が高いので、人に電話をかけたりだとか話したりだとかのうまいやり方を知らず、お酒の力で交流を計っていた。今日こそシラフで、端的にでも、口で伝えようと思う。

息を吸ったままカフェラテを飲む。外気の冷たさや湿り気はせいぜい鼻腔と喉くらいでしか感じ取れないけれど、一緒にカフェラテを飲めばお腹の辺りまで届く。傾けたカップから見える氷が薄い光できらきらして眩しかった。ふともっと人を大切にしたいなと思ったら、涙が出た。家への最後の角を曲がると太陽は私の右から差し込みほおが少し暖かい
アパートの階段を上がる時、下の階の人が起きる音がした。

冷蔵庫に買ったものを詰める。中は昨晩少しだけ残したコークハイの匂いでいっぱいになっている。一つ二つ配置したところで急に面倒になり、残りは全部扉のポケットに押し込んでしまった。
次に開ける時全部出てくるだろな。