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居心地の良い空間-サードプレイスについて-

こんにちは。だっきーです。

サードプレイス" という用語を聞いたことあるでしょうか。日本語に直訳すると「第3の場所」という意味になりますが、それだけだと何を伝えたい言葉なのかわかりませんね...。

このサードプレイスという用語は多くの人が利用してきたであろうスターバックスの位置づけるような言葉でもあります。簡単に説明すると、サードプレイスとは「家庭でも職場でもない居心地の良い空間」のことを意味します。スターバックスだけ用いられる用語ではなく、そこに居るだけで安心ができるリラックスができる空間だという場所がサードプレイスなのです。

ただし、働いている定員や、最近になって増えてきたノマドワーカーはサードプレイスには属しません。定員やノマドワーカーは仕事としてその場所にいるからです。ノマドワーカーの定義は「時間と場所にとらわれない働き方」ということを指すようです(参考)。


今回はサードプレイスという用語はどこから出てきて、現在どういうふうに理解が深められているのかということを書いていければと思います。冒頭だけではサードプレイスが理解しがたいという人もいると思うので最初の見出しに私にとってのサードプレイスを例として載せています。

ようこそ!サードプレイスの世界へ!

私にとってサードプレイスとはどこだ

スターバックスのようなカフェがサードプレイスとして考えやすいですが、私はそこまでカフェを愛用したことがありませんし行きつけのお店はありません(笑)

だけども、よく通う図書館があります。交流がないマイプレイス型なのですが、本の独特の香りや使い古された本を触った時の感覚、静かな空間だからこそ聞こえる足音や本のめくる音などが好きなので嫌なことがあったり、リラックスしたいときに足を運びます。

読者に方も自然といて落ち着く場所、安心できる場所、よそ行きの顔ではなく居られる場所といった場所が思い当たる場所があると思います。思いあたる場所を想像できたでしょうか?

例えば、居酒屋やバーといった飲み屋の雰囲気が好きな人、レトロな感じのお店が好きな人、電車のホームや特定の道路といった人や車の流れを見るのが好きだったり、ちょっとした騒音が居心地が良いと感じる人、人それぞれ「なんかこの場所がいい...」と思える場所があるのだと思います。それがサードプレイスなのです。


サードプレイスの提唱と背景

サードプレイスを提唱したのはアメリカの社会学者のレイ・オルデンバーグです。

著書である『The Great Good Place(1989)(日本語訳(2013):サードプレイス-コミュニティの核になる「飛び切り心地よい場所」)』にサードプレイスについて詳しく書かれています。

サードプレイスということはファストプレイス、セカンドプレイスという用語もあるということです。

~メモ~ 居場所の種類
ファストプレイス:第一の居場所である家、家庭
セカンドプレイス:自宅以外で長時間過ごす場所(職場など)
サードプレイス :息抜きができる居心地の良い場所

このサードプレイスを提唱した背景には仕事と家を往復するアメリカの社会においてストレスがたまる。ストレスの多い現代社会を生き抜くには、潤滑油の役割を果たす場所が必要だという考えから研究を始められたようです。

より詳しくサードプレイスについて書いてあるものを見つけたので紹介します。カオナビさんのサイトには日本のスターバックスはサードプレイスの役割を果たさないのではないかと書かれていました。結論から言うとマイプレイス型のサードプレイスがスターバックスに当てはまるらしいです。

サードプレイスにはマイプレス型と交流型の2つの意味があります。

~メモ~ サードプレイスの型
マイプレス型:他人の目を気にせずに、一人でのんびり過ごせる場所。交流型:様々な人が気軽に交流できることを目的とされた場所。

日本で交流型はあまりないのかもしれません。例えば、開放的な居酒屋や駄菓子屋、昔ながらの床屋なんかは交流型のサードプレイスといえるのでは...と思います。


心理学の中での位置づけ

このサードプレイスに用語自体が30年ほどの歴史しかないのですが、社会学や建築学が中心となり、心理学では環境心理学が研究の対象にしています。年齢ごとに居心地の良い場所が変化していくとか大掛かりの研究をするなら発達心理学でもできそうだな...と思いました。環境心理学では回復環境という用語で説明することもあるようです(参考論文)。

~メモ~ 【定義】回復とは
・ストレスからの息抜き (Ulrich, 1993)
・適応的な要求を満たすための持続的な努力によって失われた身体的、心理的、社会的な資源あるいは能力の補充、再生、または再構築をする過程(Harting, 2004)

環境というよりもストレス要因を打ち消すことができるのがサードプレイスという認識であり、主軸としたサードプレイス研究はおこなっていないようです(日本の研究しか見ていませんが...)。

居心地感とかの研究だったらサードプレイスを用いることができるかもしれませんね。


サードプレイスと居場所の多様化

色々と調べてみて感じたことがあり、まとめてみようと思います。まず、サードプレイスを必要とするのはストレスのはけ口、そして気軽にうちとけられる場ということです。そしてファストプレイスからサードプレイスまでの空間が近年になってかより多重構造なりつつあるのではないかということです。

セカンドプレイスとサードプレイスの境界にあたるノマドワーク。ファストプレイスとセカンドプレイスの境界にあたるリモートワーク。リモートワークは2020年になってから世間に広がった用語であると思いますが、少し前は在宅ワークなどの用語もリモートワークに含まれるのではないかと思います。

~メモ~ 居場所の多様化
ファストプレイス:家庭、家
リモートワーク:家の中の仕事場
セカンドプレイス:職場・学校
ノマドワーク:時間・場所にとらわれない仕事場
サードプレイス:家や職場を除く居心地の良い場所


機械発達の助長により仕事もどこでも行えるようになり、その結果、息抜きする場所が少なくなった気がします。例えば、公園などの公共コミュニティではサードプレイスが発生しやすいものだと思いますが、今のご時世だとむやみやたらと近づいたら通報されかねない時代になってしまいました。

周りに迷惑をかけずに、リラックスができ、かつ自己を尊重できる場がサードプレイス。「簡単にあるじゃない」という人もいれば、見つけることが難しく家と職場を往復してしまう人もいるのだと思います。「何かをしなければいけない」という考えが強いからこそ「何もしなくていい場所」というものを認識しずらいのかもしれませんね。


読んでいただきありがとうございます。

心理学に関する質問、この内容について書いてほしい等のリクエストがあればコメントかTwitter(だっきー)のDMに書いていただけると嬉しいです。





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