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ペットとの暮らし

少し前に、動物愛護法改正のニュースを見ました
悪質ブローカー排除が主な目的ということで
何ら異論はないのですが
飼い主のモラルにも対処して欲しいなと思います

昭和の余韻が残る商店街の動物病院
ある繁華街からも徒歩圏内なのに家賃相場が安く
患者さん(の飼い主)には色々な方がいました

里親探し
水商売で働く若いカップルが飼っていた猫
普段は女性がお世話をしていたようで
たまに2人で診察に来ることもあったそうです
ある日、男性がひとりで診察に来て
女性が猫を置いたまま出ていってしまい
猫の体調が悪そうだけどどうしたらいいかわからない
今日はこのあと仕事だから一晩預かって欲しい
と言われ、治療後にペットホテルでお預かり

翌朝、男性は現れず
その翌日
1週間
1ヶ月


携帯に連絡してもコールのみ
そのうちコールすらしなくなり
とはいえずっと預かるわけにもいかずどうしよう
というところでご相談を受けました

期日までに連絡がなければ里親を探すという趣旨の
手紙を送っていただき、実際に里親探し
すっかり元気になっていた猫は
新しい飼い主のもとに引き取られていきました

野良猫との約束
1人暮らしの高齢者
野良猫を拾っては動物病院に連れてきていました
ただし、治療費は持っておらず
だからといって診察拒否もできない状況で
大変お困りでした

ご本人にお話を伺うと、散歩していて野良猫を見ると
孤独な自分と境遇が似ている気がして
つい同情してエサをあげたくなり
具合が悪そうだと思えば病院に連れて行くとのこと

現在の収入と支出を計算して
猫に使える余裕は一切ないことをご認識いただき
動物病院はボランティアではないこと
野良猫とは距離を置くことがお互いの幸せだということ
今後は遠くから眺めるだけにすることを
お約束いただきました

命の重さ
ハムスターを数匹飼っていた男性
とてもかわいがっていて
お世話もきちんとされていたそうです

ある時、特にお気に入りだった1匹の体調が悪くなり
診察に来たとのこと
ただ、すでに寿命は超えており
この状態での手術は難しいことを説明
それでもダメ元で手術だけはして欲しいと懇願され
難しいことを念押ししてお引き受けすることに
あわせて、1匹じゃ寂しいだろうからということで
連れてきていた他のハムスター4匹と一緒に
ペットホテルでお預かりしました

翌日、残念ながら懸命な治療の甲斐なく
ハムスターは死んでしまいました

そのことを男性にご連絡したところ
急に態度を変えて猛クレーム
費用は払わないとまで言ってきました
一緒にお預かりしたハムスターの引き取りにも来ず
さてどうしようというところでのご相談でした

ペットホテルはすでに1ヶ月以上経過して
費用は30万を超え、治療費も含めると約50万

こちらも期日までに連絡がなければ里親を探すという
手紙を送っていただき、いったん様子見
あんなにかわいがっていたはずなのに
引き取りには現れませんでした

幸い里親はすぐに見つかり
とりあえずよかったのですが
後にご本人とコンタクトが取れて伺った話によると
動物病院への抗議のつもりだったとのこと
小さな命をそのようなことに使うべきではないと
きつめにお説教をしてクローズしました


人間の勝手な都合に振り回されるペットが減ること
巻き込まれた方への支援の枠組みが構築されることを
心より願っています



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