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消えゆく手形

事業者金融出身の上司と話していて
最近手形を見なくなったという話になりました
周りの人にも聞いてみると
通行手形くらいしか知らないということで
このトピックとあわせて
用語集にもそっと追加しておきました
ご参照ください

手形の不渡り
手形そのものは見たことはなくても
不渡り2回で会社が倒産する、みたいな話を
小説やドラマで見たことはありませんか?

具体的には
6ヶ月以内に手形の不渡りを2回出すと銀行取引停止処分
*当座口座は使えなくなりますが、普通口座は使えます
 ↓
銀行借入をしている場合は期限の利益を喪失
残額の一括弁済を求められる
 ↓
資金繰りは難しい状況となり、対外的な信用力も低下
 ↓
大半の経営者は諦めて事実上の倒産状態に

というのが2回目の不渡りから
だいたい1週間〜1ヶ月くらいのタイムラインです

ただ、必ずしも破産手続に至るわけではなく
営業を継続している会社もあります
お話を聞いた社長は、強い意志があって続けている
というわけでもなさそうでしたが
取引先は限られてるし、現金振込が中心だから
なんとかやれてるんだよねとのことでした

会社の規模や色々なしがらみもあると思いますが
悲観的になりすぎなくてよいのかなと
究極の選択だけは何があっても避けてください
生きていればどうにかなります

不渡りになった手形は
銀行から「◯◯につき支払いいたしかねます」という
付箋がついて返却されてくるので
別の方法で債権回収をすることになります

手形の電子化
実は2013年2月から手形の代替(に近いもの)として
電子記録債権、通称:でんさいが開始しています

金融庁の資料には
× 手形・売掛債権を電子化したもの
⚪︎ 手形・売掛債権の問題点を克服した新たな金銭債権
と書かれていましたが、
もともと手形決済していた企業でなければ
あえて導入するメリットを感じられないような…

しかも、でんさいの普及より先に
手形の取扱が激減して電子決済が急速に普及、
フィンテックの発達で金融システムじたいも変化し
社会インフラとなるには厳しい状況です
すでにレガシー化の気配

さらにこの環境下で手形の電子交換所が
2022年11月に開業するんだそうです
なるほど、そうですか、、、

これに関連して
手形の裏書についてもまたそのうち綴ります


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