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ビヘイビア

債権回収とはあまり関係なさそうな
ビヘイビア(behavior/ふるまい)の話です

判断材料
取引可否や与信枠の設定にあたり
相手が法人なら決算書、個人なら確定申告など
定量的な情報をもとに判断することが多いと思います
あとは調査会社のスコアとか

債権回収の現場でももちろん参考にはするのですが
相手が支払遅延の状態になってから
最新情報を調査するのは極端に難しくなります

じゃあ何を見ているのか?

人があまり意識していないビヘイビアを
事前にどれだけ観察しておくか
これがその後の交渉において重要な要素になります
回収可否もおおよそ予想できます

そしてこれは逆もまたしかりなので
前職では社長の方針で毎日朝礼の前に全員で
オフィスを隅々まで掃除するのが
日課となっていましたし
スーツが汚れていたり乱れていても
必ず注意されていました

そんなこと?と思うかもしれませんが
優秀な社員が集まる大企業と違って
様々な属性の人で構成されている中小企業においては
基礎的なビヘイビア教育としてかなり重要です

実は現職でも社長が似たようなことを言っていて
デスクの掃除の日があります
会社的には週1回でいいのですが
わたしは毎日デスクを掃除してから仕事を始めます

近年ではビヘイビアもcredit scoreの
重要な要素として知られるようになりましたが
前職の社長はおそらく実体験で理解して
徹底していたんだろうと思います


取り込み詐欺の事務所
新規取引先からの発注額が急に大きくなり
しかも換金性の高い商品だったため
取り込み詐欺を懸念した担当者が取引を止めたところ
契約条項を逆手に取られてしまい
売らないなら訴訟すると言われている、
本当に訴訟する気かすぐ飛ぶ(夜逃げ)かを
見極めたいから商談に同席して欲しいと
クライアントからご相談いただいたことがありました

駅から徒歩5分くらいの古い雑居ビル
アポの前に外観と出口を確認してから事務所内へ
応接スペースがないのか
だいぶ古びた事務机に案内されました

商談に出てきた小柄な年配男性は
サイズが全く合っていない
ひと昔前のシルエットのスーツ
何かを取りに席を外したタイミングで
座っていた事務机の引き出しを開けてみたら
引き出しいっぱいに請求書が詰まっていました
ちなみに、わたしは名刺交換もせず
担当者の隣でただ黙って座っていただけでしたが
誰なのか一切聞かれませんでした

この月末がちょうど土日だったので
おそらく月末で飛ぶ可能性が高いと判断し
クライアントには今月末の入金を先にもらえないと
社内決裁がおりない等々、言い訳を続けてもらい
迎えた翌月初


・・・予想通りの結果でした
電話は不通となり事務所はもぬけの殻
その前に販売済だった約20万の売掛金は回収不能に
ただ、追加注文分を売ってしまっていたら
被害は100万単位になっていたところでした

何をどう判断したかはお察しいただくとして
売上が欲しい時に契約まで締結していたら
つい信用してしまいますよね
相手もまたあなたのビヘイビアを見ているのです

与信管理を担当されている方は
ぜひこういった定性情報の記録もご検討ください

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