『心の研究』と体癖論

　体癖論と『心の研究』での考察を合わせて考えてみようと思います。

　体癖論では1種と２種が思考型、３種と４種が感情型、５種と６種が損得を気にし、７種と８種は勝ち負けを、９種と１０種は愛憎型で、また直観をよく働かせるタイプでもある。

　私が考えたのは印象が観念化され、雰囲気を言語化する時、印象や雰囲気と言った段階は直観によるものだということだ。つまり体癖論によりタイプ分けをした時、９種と１０種は直観型であるが、印象や雰囲気と言ったものを掴みやすいのが９種と１０種になる。

　それで１種と２種は思考型なのだが、彼らは９種と１０種のように印象や雰囲気を掴んで終わりにするだけではなく、観念化、言語化する。

　また、哲学者の体癖論シリーズだが、例えばハイデガーなんかはボス感のある雰囲気で、少し肥満体質で、その割にお尻が平たい。これは１０種の体癖の特徴と合致する。そしてハイデガーは比喩的な表現をよく使うし、『存在と時間』を少し読めば分かるが、言語を分析するというより、観念的な考え方だ。つまり思考の型は2種。

　恐らくデリダやレヴィナスも１０種と２種を持っている。二人とも包容力のある感じがするし、デリダは若い頃の写真を見ると、１０種らしい「のもーん」とした雰囲気が出ている。お尻も平たい。どちらも。

　ベルクソンなんかは９種と２種のような気もする。顔がキュッと集中するような顔立ちだし、身も引きしまっているように見える。考え方はイメージ中心。日本ではホリエモンは２種と１０種を持っていると思う。ボス的な印象を受けるし、鼻の下が少し長いのが２種的。

　続いて１種と９種だが、９種はオールオアナッシングという考え方、０か１００かで考えてしまうことだったり、だからむちゃくちゃ細かいところまで考えるので、ＳＦ作家とかに向いている。ロボットや機械のディティールを物凄い細かいところまで描く人は、もう間違いなく９種がある。エヴァの庵野監督が分かりやすいと思う。庵野監督は私の予想では２種と９種がある。アニメーターには２種が多かったと思う。

　そして言語を分析して考えるウィトゲンシュタインなんかは、本当に１種と９種の相性のよさがよく出ている哲学者だ。精緻に精緻に言語を考えていくという、１種の言語を以て思考する型と、９種の研究者体質が混ざっている。言語とは元々分節化をすることで成り立っているので、９種の細かいところまで見ようとする体癖ととても相性がいい。

　話は飛んで、心の働きには知情意がある。知性は１種と２種であり感情は３種と４種、それで先に述べたように、知性を働かせる、直観の段階に９種と１０種がいる。そして恐らく意志は７種と８種が強く持っている心の働きだ。これは7種と8種の体癖をググるくらいで分かると思う。

　そしてまた少し考えたが、雰囲気と印象は恐らくどちらの思考形態にもなるのではないか。つまり、雰囲気を観念化させることも、印象を観念化させることも出来るし、逆に雰囲気を言語化することも、印象を言語化することも出来る。ベルクソンと庵野監督の体癖を念頭に置くと、そうとしか考えられない。

　しかしまた、このように言えるだろう。10種体癖は雰囲気を読み取りやすく、9種体癖は印象を汲み取りやすい。

　10種体癖の人は、皆の輪に入ってコミュニケーションを取るのが上手く、空気を読むことにものすごく長けている。他者に意識が向かっているのだ。他者と言えばレヴィナスだ。レヴィナス好きな方は10種が多いのではないだろうか。

　10種はまた面倒見がよく、お世話好きで、包容力があるので、福祉系の仕事に向いているのだが、レヴィナスの思想はケアや福祉系の思想の礎になりやすい。

　デリダがハイデガーを研究して、レヴィナスもハイデガーに影響を受けたと思うけど、この三人は10種体癖を持っているのだ。また2種体癖も。

　やはり思想の相性は身体の相性と関係している。

　10種と9種は対になっていて、繰り返しになるが、9種はものすごくディティールまでこだわる。比べて10種はやや大雑把だ。そこが10種のいいところでもあるが。

　大雑把な、そのなんとなくの雰囲気を捉えるのが10種の直観だと言えるだろう。哲学者の場合、それを観念化か言語化、或るいは両方しないといけない。

　10種の最近の有名人は千鳥のノブさん。

　5種と6種には触れていないのだけど、まだ上手く自分の考えに組み込めていないです。
知情意の中で1種2種、3種4種、7種8種、9種10種、は組み込めるんだけど、5種6種はどこに入るのか。

　6種は宗教体験に惹かれるというので、心の働きの知情意というより、心の働きを無にした時の魂の方に組み込めるかもしれない。そうすると5種はどうなんだろう。身体的な領野への傾向が強いのだろうか。

　次は精神病と体癖について書こうと思います。