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The changing world orderについて

最近レイダリオの「国家の興亡」を読んで感銘を受けました。この本では覇権国家(基軸通貨を持つ国)の寿命は100-300年程度で、だいたい三つの段階を経て衰退していくと書かれています。

国家は端的に言えば「自衛する、富を生み出し再配分するシステム」と言えるのではないでしょうか。このシステムがどのように興隆し、衰退していくかを少し説明してみます。

興隆期

・教育が国民に広く行き渡り、勤勉さや倫理観が培われ、不正が減り、新しい技術が生み出される。

・世界市場で力をつけ、たくさんの富を稼ぎ出す。

・急激な格差が生まれるが、再配分システムがうまく機能して格差是正が行われる。

・世界金融センターができる。

絶頂期前半

・最も豊かな時代。

・世界とビジネスをするので強い軍事が防衛のために発達する。

・科学技術などで他を圧倒する。

絶頂期後半

・国民の賃金が高くなり、賃金が安い国に仕事が奪われるようになる。

・豊かになり国民の必死さが失われる。

・世界中が通貨を欲しがるために、世界に対して債務が積み上がる。

・収入よりも支出が多い状態が恒常化する。

衰退期

・増税や支出減という選択肢は取られず、多すぎる支出を賄うために国債発行、通貨を増やす。

・通過増でインフレが加速し、資産が高くなるため格差が拡大する。

・格差が固定化されるようになり、不満が大きくなる。

・左と右の思想の分断が大きくなり、ポピュリストが誕生する。

・これ以上債務が拡大できず、選択肢がなくなる。

・紛争、内紛、戦争などのイベントによりリセットされ、次の覇権国家グループによって新しい世界秩序が生み出され、興隆期を迎えたいずれかの国に覇権が移る。

以下学びになったポイントです。

・どのような覇権国家も最初には優れた教育がある。

・国民は痛みを嫌がるために、健全化よりは国債発行、通貨増が選ばれ、通貨の価値が下がり続ける。

・国対国を裁定する機関はない。力によって権力移行が行われる。

・格差は社会不安を引き起こす。

・国家の衰退期では再配分が機能しなくなる。再配分に群がるか、格差が広がりすぎる

・衰退期にはポピュリストが生まれる

・通貨は金などのハードマネーから始まり、兌換通貨が発行され、金と切り離されてどんどん膨らみ、クラッシュして、通貨の価値が著しく傷つき、ハードマネーに戻ることを繰り返してきた。

当たり前が当たり前でなくなる時に、世界はどうなるのか。歴史から学べることはたくさんありそうです。


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