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自由を生きていると思いながら、世界の一部である私たち

長文ファンの皆様おはようございます。

私は常々自分の取扱説明書を作ることをお勧めしています。それは自分の扱い方を学ぶ意味もあるのですが、もう少し本当のことを言うと、自分という存在がどのような環世界を生きているかを理解するサポートになるからです。

生物学者であったユクスキュルは「環世界」という概念を提唱しました。

環世界は、生物が自分の感覚と行動を通じて知覚する独自の世界のことです。それぞれの生物は異なる環世界を持ち、これにより同じ環境でも異なる認識と行動をします。例えば、犬は匂いを重視し、人間は視覚を重視するため、同じ場所でも異なる経験をします。

私たちは自分で考え行動し、社会にアプローチしていると感じていますが、距離をとってみるとある法則に従って蠢く一個体にすぎないのかもしれません。蜂一匹は自由であるように見えて、全体で見れば一つの生命体的群れの一部であるかのように。

ラブロックはガイア理論で、地球上に生きる全ての生物は、地球環境を保つ(ホメオスタシス)役割を担っていると、デイジーワールドを通じて説明しました。デイジーワールドとは、デイジーしかいない世界を想定し、色のついたデイジーが勝手に増減することで地球環境を一定に保っていることを説明したものです。

この考え方でいけば、自由意志を持って行動する私たちは、ある環世界を生きていながら、その環世界を取り囲む地球環境維持の法則に従う存在となります。自由意志だと思っているものも、花を見て寄っていくことで、花の生息地域拡散を手伝う蜂のようなものかもしれません。

しかしながら私たちには意識があります。その意識によって、自分を自覚することができる。「ああ、私は蜂なのだ」と思うことが人間には可能です。が、故に苦しみも生み出すのですが。

最近、「自覚する蜂」という整理が人間理解の枠組みでしっくりきています。自覚の角度次第で、人生もまた大きく変わるのではないかと考えています。

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