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厚底シューズについてのQ&Aを(編集して)まとめました

Q 器具の発展はいいことではないですか?

A いいことだと思います。


Q 器具の発展に制限をかけるべきではないと思いますが、いかがですか?

A パラリンピック選手で、膝下切断の選手が長い義足を使っていますが健常者の代表になるぐらいのスピードで走っています。同じように、足を伸ばせば理屈上はもっと早く走れると思うので、ソールを伸ばしたスパイクや、バネを仕込んだ靴などはもっと競技力向上させることができます。車輪や動力をつけるのもいいかもしれません。このように、全く制限がなければ競技の本質が変容してしまうので、ほとんどの競技は器具になんらかのレギュレーションを設けて制限をかけています。


Q なぜ厚底シューズは禁止される必要があるのですか?

A 禁止することが目的ではないと思いますが、先に述べた理由によりなんらかのレギュレーションが作られる可能性があります。それに抵触すれば使えなくなります。


Q 途中からルールを変えてもいいのでしょうか?そういった例は他にありますか?

A 過去にもレーザーレーサー、槍投げのやり、技術ではバサロとスキージャンプのスキー板の長さがルール変更により、無くなったり変更したりしました。公平性と競技の本質を変えてしまうもの、選手の健康、競技の面白さを損なう、ものはいくら競技力を向上させても制限されることがあります。反対にスピードスケートはスラップスケートが導入され劇的にタイムが上がりました。明確な基準はそれぞれのスポーツにもなさそうです。


Q 器具がダメなら裸足で走るべきではありませんか?

A 先に述べた理由により、全ては程度問題と考えた方がいいです。器具が全てだめと、何をやってもいいの間にはだいぶ距離があり、そこをみんなで議論し納得のある場所を探し設定するべきだと思います。


Q 厚底シューズが走りに有利という点で使えないなら、スパイクがいいのはなぜですか?

A スパイクにはレギュレーションがありピンの数や形状、長さなど決まっています。また、スパイクそれぞれの性能はそれほど違いがないので、スパイクの中のある一つの性能を持った靴ではなく、スパイク全体の議論になるという点で違いがあります。


Q 厚底シューズの体への負担を軽減できていいのではないですか。

A 実は厚底は体に負担があるという意見もあります。新しい技術なのでまだわからないことも多いです。 もし体に負担があるというデータが出れば、ドーピングと同じように選手の健康面から禁止される可能性があります。もちろん、厚底が衝撃を吸収し体にいい可能性もあります。まだよくわからないというのが現状だろうと思います。


Q 助力があるのなら、なぜ短距離選手はヴァイパーフライを使わずにスパイクを履いて走っているのですか?

A 接地時間が短く、反発が間に合わないからです。


Q カーボンが問題なのですか?

A カーボンそのものはスパイクやその他のシューズにも入っています。私はカーボンの形状が湾曲していることの助力効果が大きいと思っています。調べるとソール素材に助力効果があるという意見もありました。


Q カーボンはたわまないので弾力はないのではないですか?

A 少なくともパラリンピアンの義足は大きくたわみます。


Q 使用期間中の記録は、どうなるんでしょうか?

A 無効とされる可能性はゼロではないと思いますが、記録は残るのではないかという意見です。


A 速く走れているから禁止すべきという風潮があるのは納得できないです。

Q 世間一般から見るとそうかもしれませんが、競技や研究の世界では、随分前から議論がされていました。記録がたくさん出始める前にシューズの構造で疑問を持っていた方もいらっしゃいます。記録が出たから世間が注目して大きな話になっているということは否めませんが、それだけではありません。


Q 禁止されるともう履けなくなるのですか?

A 仮になんらかの基準が決められても、現在の靴に関してはおそらく履いて走った場合の記録が無効になるとか、代表にはなれないとか、国際大会の順位がつかないとか、そういったもので、ほとんどの一般ランナーの方は関係なく使えると予想しています。


厚底シューズについて
https://note.com/daitamesue/n/ne4ac9f1378c5

日本陸上競技連盟競技規則/第二部 競技会一般規則 第143条
https://www.jaaf.or.jp/athlete/rule/pdf/14.pdf

競技者は、裸足でも、また片足あるいは両足に靴を履いて競技をしてもよい。競技の時靴を履く目的は、足の保護安定とグランドをしっかり踏みつけるためである。しかしながら、そのような靴は、使用者に不正な利益を与えるようないかなる技術的結合も含めて、競技者に不正な付加的助力を与えるものであってはならない。足の甲の上の部分を絞める構造の靴は使ってもよい。
〔国際〕 全てのタイプの競技用靴は、IAAFによって承認されたものでなければならない。

使用している方の意見
山田翔太さんのnote

参考文献
@ichi460より
Is it the shoes? A proposal to regulate footwear in road running

@kenendoより
Running in highly cushioned shoes increases leg stiffness and amplifies impact loading

A Comparison of the Energetic Cost of Running in Marathon Racing Shoes

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