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魅力を阻害する要因を排除する

先天的に魅力があるような一部の人を除き、魅力は後天的に獲得するしかない。ところが皮肉なことに魅力的に見せようとしている人は魅力的には見えない。現実的に取り組めるのは魅力を疎外している要因を排除し、それが自然な振る舞いになった時に結果魅力が獲得されているという方法ではないかと思う。そしてそれは実際に可能だ。

まず私が一番重要だと思うのは、自分を知ることだ。自分を知るという言葉には、自分の気持ちを知るということと、自分が他者からどのように見られているかを知ることの二つがあるが、後者が魅力には重要だと思う。自分の評価が高すぎるが、低すぎることは、魅力を大いに阻害する。

自分と他者の自己評価のずれはどこから来るのか。本当の根元を辿ると自己肯定感からくる。人間は生きていればそれなりに外部からの自分の評価を知る機会はあるが、自己肯定感が足りなければ修正を受け入れられない。自己評価が高すぎる人は指摘されても自分が間違えていると思えないし、自己評価が低すぎる人は褒められてもそんなはずないと信じられない。

自己肯定感がなくても、まずはいったん自分より周りの方が正しいんだという前提に立ち、過不足ない自分を認めてみる。君はプライドが高いと言われれば減らしてみて、君はすごいと言われれば素直に喜んでみる。要するに自分を信じすぎたりそんなはずはないと疑いすぎるその歪み、素直ではない姿勢が魅力を減少させている。

自分を知るプロセスで、自分の機嫌の上下、物事の見方の歪みを知ることになる。無理に機嫌を安定させたり見方の歪みをなくすことは長期的にはもたないしできない。それより大事なのは機嫌が崩れ続けることと、見方の歪みが固定化されることを避けることだ。『ずっとそう』でなければ魅力は減少しない。

そして取引をやめることだ。人間は自分が支配をしないと許せない人と、自分が損をすることが許せない人と、人を喜ばせたい人がいる。多くの人は真ん中にいる。真ん中の人の普通の感性は『あげるだけもらいたい』だ。これを意識的に崩す必要がある。少しだけ自分があげることをいつも意識する。

ついつい自分がやってあげたことと、返してもらったことを頭で換算する癖をやめ、ただあげることを意識する。もちろん限度を過ぎればいいように奪われるから加減はあるが、返報性の法則により人はただもらうことはできない。貰えば返したくなる。具体的なコツはあげたことを忘れることだろう。忘れっぽい人はねじ曲がらない。

魅力というと自己肯定感一点張りの本質論か、または相手の心をコントロールする小手先論のどちらかに偏りがちだが、実際には自分の行動や姿勢をまずは変えてみて現実が変わり、ああもしかして現実が変えられるかもしれないという認識が生まれ、自分が少しずつ変わり始めるというプロセスだとお思う。なにより大切なことは自分から始まっているということを知ることだ。人はあなたがあなたを扱うやり方を見て、あなたの扱い方を決めている。

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