人的魅力と違いとサイコパス

人的魅力を整理すると他者が魅力的だと感じるなにかということになる。ここで大きなポイントになるのは魅力は他者が感じことであり、その人が本当にそのような性質を備えているかとは別の話だということだ。だから、他人に魅力的だと感じさせる技術もあり得ると思う。

魅力の原因はさまざまにあると思うが、魅力的な人間が持ち合わせる特性として定型がないというところに注目してみたい。世の中で交わされる会話や行動はある程度定型に落とし込まれていて、会話の流れも、会話の反応も大方予想がつく。ところがこの定型パターンにはまらない人がいると、人は注目し、面白がったり嫌ったりする。

ただ定型に収まらないだけならおかしな人はみんな魅力的になってしまう。魅力的な人が定型からはみ出るときは、そうならざるを得ない背景、そしてそれを受け入れている感があると思う。違いを作ろうとしている人よりも、そもそも違ってしまっている人を私たちは魅力的だと感じる。

童話や、ハリウッドのストーリーには、人とは違う特殊能力を持った人がそれに驚き、ときには悩みながら、次第に受け入れ、その能力を活かして世の中の役に立っていくという定型が多い。違うということはそれが役に立てば自信になるが、役に立たなければコンプレックスを生み出す。

だから人を魅了しようとする人は、自分の過去には普通とは違う大変な出来事があった、しかもそれは今の自分に大きな傷(影響)を残している、という物語を好んで語る。この語り口はわかる人にはわかるが、わからない人にはわからない。夢を語り傷を語るというのは、女性を口説く手段だ。

一般に魅力的な人は自信を持っている。魅力的というとどうしても日本ではいい人の王道をイメージしてしまうが、歴史を振り返ると人を魅了してきた人の中にサイコパスが一定以上いるだろう。サイコパスは人の気持ちに影響を受けず、他者に申し訳ないという気持ちを持たないので、自信満々に見える。

ピカソは異常にモテたと言われている。本人は気分屋で人を振り回すところがあったが、それに皆魅了されていった。人間は不機嫌な人を見ると、自分に何か悪いところがあったのではないかと勝手に相手を気遣ってしまうようなところがある。サイコパスは自己の無邪気性で、これを使いこなすことができる

おそらく魅力を出す技術として、人と違う振る舞いや言動を心掛け、動じない自信を醸し出すという二点があり得るのではないかと思う。ただ、繰り返しになるがこれらはわかる人には見透かされてしまう類のもので、わかる人も含めた魅力になるとこれとは全く違う特性が魅力を生み出すところが興味深い。

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