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歌川広重 / メトロポリタン美術館
言葉が生活から離れてしまわないように
長文ファンの皆様おはようございます。
私は生き抜く力という中学生ぐらいの方向けの本を出しています。中学生に向けて書いた本は実際には大人が読むと面白い本です。中学生はすでに世界を分かり始めているけれど語彙量は多くないので、「本当に思っていることを言わないといけないけれど、言葉はわかりやすくなければならない」という制約があるからでしょうか。
本を出して一年ぐらい経った時にある建設業をしている方から
「うちにお子さんが障害を持っている従業員がいる。彼に生き抜く力という本を渡したらとても喜んでくれていた。ありがとう」
と言われることがありました。
私はこれが今も心に残っています。
以前アメリカでアファーマティブアクションの議論を聞いていて英語がわからないと思って、日本語にしてもらったら日本語にしてもわからなかったことがあります。正義があまりに高度に語られていたからだと思います。
私は浄土真宗の家に生まれました。最も好きなのは多くの人を救うために「南無阿弥陀仏と唱えれば救われる」に集約したところです。
私はどうしても都会で仕事をして、議論が好きな方と一緒にいることが多いですが、ともすると言葉が浮いてしまって、包容力がなくなる時があります。それでは多くの人を救う言葉にならない。
「毎日の生活をきちんと送っていること。それ自体が素晴らしい」という生活の感覚がなくなってしまわないようにすることが、自分が一番気をつけなければならないことだと思っています。
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