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つまらない人戦略

「あいつはつまらない」と思われる戦略は有効なのではないかと考えるようになりました。

人々の注目を集め期待値を高めることが、そのまま利益に直結するyoutubeや、資金調達につながるスタートアップは、目立つことを目指します。面白い方へ向かうインセンティブが生じています。最近は社会課題の解決も同じような方法が効くことがあります。人々の興味にレバレッジをかけて、勝負しているからだと思います。

一方で、賛否が割れるものや誰かの既得権益を奪うものは注目を集めれば集めるほど反対がおきます。意思決定者としてはなるべく静かに進めたいわけですが、隠すことはすべきでもないですし、できません。

そうなると表に出ながらいかに興味を持たれないようにするかが大事になります。人間の認知機能には限界があり、それほど多くの情報を受け取ることはできません。さらにこれだけ情報量が多い時代になると、十秒動画すら待てない人たちも増えていて、あっという間に忘れられていきます。

炎上参加者は七万人に一人だとも言われており、ほとんどの人はマスメディアで騒動を知ります。つまりマスメディアが取り上げることが大事なのですが、一方でテレビに出ている経験からすると一番大事な要素は「面白さ」です。「大事だけどつまらないこと」より「大事じゃないけど面白いこと」の方が視聴者の興味を惹きます。

面白さはテーマ性もありますが、誰がその話題の中心にいるかが重要です。

・キャラが立っている

・反応がある

・感情が見える

この三つが揃うとかなり面白くなります。逆に、キャラが見えづらく、反応がなく、無感情なものに人は興味を持ち続けることができません。

炎上の対応でパフォーマンスがよかったのは「無反応」です。十秒動画ですら飽きてしまう時代に、多くの人はつまらないことに興味を持ち綴られなくなっています。なんだなんだ何か起きそうなのかと集まってもつまらなければすぐ人々はいなくなります。

面白さは攻めに強く、つまらなさは守りに強いと考えています。意思決定の種類によって世論形成した方がいいものと、興味すら持たれない方がいいものとありますが、後者の意思決定に強いのは「つまらない空気を作れる人」だと考えています。これをもう少し分析していきたいです。

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