【林業してる女子のあれこれ】カネにモノを言わせた!?下刈り1年生、ひと夏を超えての雑記
どうも、8月の更新をサボってしまいました。ミヤマイラクサです。今年度の下刈りシーズンが無事に終了しました。
私は林業経験自体は3年目ですが、造林作業はまだ初めて半年間。つまり、下刈りを仕事としてガッツリやるのは今年が初めて。
そんな「下刈り1年生」の1シーズン、どんなもんだったかを書き綴っていこうと思います。
下刈りってどんな仕事?
ざっくり言うと、「植えた苗木の周りの草を刈る仕事」です。
木を伐った後の山は苗木を植えて木を育てていくことが大事になりますが、日本の植生は旺盛で、苗木以外の草や木がワサワサ生えてきます。そのワサワサを放って置くと苗木の成長に影響が出るので、刈り払う必要があるのです。
下刈りって何が大変?
下刈りは数ある林業の作業の中でもなかなか大変な作業と位置付けられています。私も知識としては知っていましたが、その大変さは実際にやってみて身に染みた部分があります。
・大変ポイント① 暑い!!
下刈りは、草の成長が旺盛な6~8月に行うことが良しとされています。
そう、夏真っ盛り。めちゃくちゃ暑いです。私は今シーズンで2回ほど軽い熱中症になりました。
下刈りを行うのは、苗木がまだ小さい現場。つまり日陰がありません。直射日光を浴びながら炎天下の中でひたすら斜面で作業を続ける…。これはなかなか大変でした。
・大変ポイント② ハチ刺されの恐怖
山林内にはハチの巣があり、作業をしていると気が付かず巣を刺激してしまうことがあります。私は今シーズンで2回ほどハチに刺されました。毒性の強いハチでは無かったので患部の腫れと痛み程度で済みましたが、アナフィラキシーショックがあらわれれば命の危険も脅かされるので油断なりません。それに小さいハチでも刺されれば痛い!作業も中断せざるを得ないので士気も下がります。
アシナガバチの攻撃性が高くなるのは7~8月、スズメバチの攻撃性が高くなるのは8~10月なので、ちょうど下刈りシーズンに重なります。
・大変ポイント③ トゲトゲ攻撃
「言うて毎年刈るんだし、生えているのは草ばかりでしょ?」と思っていた時期が私にもありました。が、まったく違いました。
現場や地域にもよりますが、草ではなく「細めの樹木」が生えていることが結構あります。また、日当たりの良い造林地に生える樹木は往々にして「トゲがすごい」です。例えば、キイチゴの仲間(クサイチゴ、クマイチゴ、ナワシロイチゴなど)は、バラの仲間です。イメージいただけたでしょうか。すごいトゲトゲです。そんなイバラの中を刈り払っていくとトゲが自分に刺さります。イチゴ類以外にもタラノキやサンショウの仲間も多いですが、やはりトゲトゲです。
どんな仕事にも大変なところはあると理解しつつ…それでも下刈りの仕事は大変なものだなと実感しました。
少しでも結果を出すためにやったこと
さて、大変なことはあっても、仕事ですからやり遂げなければいけませんし、生産性も上げなければいけません。
体力も筋力も、班の中では平均以下の私が、なんとか少しでも面積を刈れるように工夫したことをまとめます。
・使えるところに金を使いまくった
身も蓋もないですが、「体力が無いならカネにモノを言わせたらよい」というのがたどり着いた一つの真理です。笑
中でも、モンベルのロガーブーツは本当に良い仕事をしてくれました。斜面でも滑り落ちることが減り、刈払い速度が上がりました。
他にも、熱中症予防に空調服(扇風機がついた涼しい作業服)、身体の負担軽減に刈払用ハーネスを購入し、身体の疲労を軽減させることができました。(このへんは安全装備品として会社が一部負担してくれたので、本当に助かりました…!!)
ちなみに、空調服はバートルのもの、ハーネスはスチールのものを使用しています。
余談ですが、この「カネにモノを言わせる」という解決法、一部の人には「(持たざる者は持っている部分で勝負する的な意味で)少年漫画みたいで良いね」と言われました。
・目立ての練習をした
体力が無ければ道具の力でカバーだ!と思い、刈刃の目立ては毎日のように練習しました。まだまだ正解を模索中ではありますが、普通に刈る分には不自由を感じていません。
ちなみに、笹刈刃の目立ては以下の記事などを参考にしました。
刈刃の目立ては探しても情報が少なく残念ですが、上記の記事ではチェンソーの目立てになぞらえて説明があり、かなり理解が進みました。
1シーズン終えて
少しずつ工夫はしてみているものの、現在の私の生産性は、
「条件の良い現場で」0.2ha/人日程度です。これはまだまだ良い数字とは言えません。
1年目はケガ無く終えることができ、まず最低ラインの目標はクリアですが、来年以降はもっと数字を上げていきたいです。
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