【JBpress町田さん記事感想④】競技会との差別化

JBpressオートグラフに掲載された、町田樹さんの記事の中から、気になった話題をピックアップして書いてみたいと思います。
第四弾は、「競技会との差別化」です。


勝負としてのエンターテイメント

「今までは競技会で成功した人を招聘していましたが、やはりこれからは見出して育てるということも必要だと思うのです。しかも日本だけではなくて、世界中から有望なショースケーターを見出し、育てることに試みることも大事だと考えています。
競技会とアイスショーは同じフィギュアスケートですけれども、両者は互いに差別化する必要があります。実際問題として、競技会の方が競技的に面白いわけです。4回転ジャンプをものすごい跳んでいて、限界を突き詰めるようなパフォーマンスで、勝負というエンターテイメント性もありますよね。そうした競技の世界で成功した人を招聘してくるだけではなく、やはりアイスショーの舞台だからこそ見ることができるようなショースケーターを育てていくことが、この分野の課題だと思います。」

現在のアイスショーに必要なものとは?町田樹が提案する「スターに頼らない経営」と「ショースケーターの育成」|スポーツ科学研究者、元フィギュアスケーター・町田樹インタビュー(2)
町田樹/松原孝臣

私自身、フィギュアスケートを見ることが大好きですが、技術については全然詳しくもありませんし、何年みていてもジャンプやスピンの見分けができません(笑)
(母がもともと試合よりEXの方が好きというスタンスだったのもあるのですが)アイスショーデビューに比べて、試合の現地観戦デビューはかなり遅かったです。

また、ジャンプが秀でたスケーターさんよりも、表現力に溢れる、というより表現したいという気持ちがビシバシ伝わってくるようなスケーターさんを好む傾向にあります。
だからこそ、現状、高難度ジャンプが跳べることが上位層にいくためには欠かせないところにもどかしさを感じています。
きっと、高難度ジャンプが跳べなくても魅力的なスケーターさん達はたくさんいるはずなのに、埋もれてしまうのは本当にもったいないと思います。
そういった選手たちの活躍の場所が、プリンスアイスワールド(PIW)のようなショースケーターのプロ集団という組織があることが、とても魅力的に感じるのです。

しかし、フィギュアスケートファンの中でも、競技要素に惹かれている人が多くいることも事実です。
そういった方は是非、競技会(試合)にも足を運ぶことをオススメします。
現地でないと感じられない迫力、スピード感、緊迫感、など様々な魅力があります。
フィギュアスケートならではのジャンプやスピンといった技術を存分に見せる、試合要素のあるアイスショーがあってもいいかもしれません。
そういった、様々な視点で楽しむことができるのも、フィギュアスケートの大きな魅力となっていると感じます。

ショースケーターの育成

 「昨今、個人スケーターの演技を入れ替わり立ち替わり展開していく定番型のアイスショーだけでなく、アニメのアダプテーションや、演劇やミュージカルとのフュージョンなど、色々な趣向を凝らしたショーが誕生してきています。そうした多様なショーを通じて、舞台人としてのスケーターが次々に育ってくるなら、ショーの未来も随分違ってくるのではないかと期待しています」

現在のアイスショーに必要なものとは?町田樹が提案する「スターに頼らない経営」と「ショースケーターの育成」|スポーツ科学研究者、元フィギュアスケーター・町田樹インタビュー(2)町田樹/松原孝臣

技術的に上位にはいけず、競技の世界ではなかなか成績を残せなくても、他に活躍の場があることは、フィギュアスケーターの将来の方向性を広げる上でもとても重要だと感じています。
表現力あふれるスケーター、音楽的な感性が豊かなスケーター、ダンスが上手なスケーター、演じることに長けたスケーター…
スケーターには様々な能力が求められると同時に、それをしっかり活かせる場所があります。
フィギュアスケートの持つ様々な魅力を十分に発揮できる場があること、そしてこれまで打ち込んできたスケーターさんが輝ける場所が用意されていることを期待しています。

最後に

本日(2024/5/14)、宇野昌磨選手の引退会見がありました。
フィギュアスケートは、引退してもアイスショーなどで表に出て活躍する場がありますし、特に宇野選手の場合はこの後もアイスショーの出演が続きます。試合の場で見られないのは寂しいですが、まだまだ表舞台で活躍してほしいと願っています。
また、「生涯スポーツ」や「大人スケート」の話題もチラホラ出てきますが、長く楽しめる環境が続くことも期待しています。


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