メダリスト・オン・アイス(MOI)

オールジャパンメダリスト・オン・アイス(通称MOI)。
全日本選手権最終日の翌日に同じ会場で行われ、
全日本選手権大会1位~3位の選手、全日本ジュニア選手権大会1位~3位の選手と、
世界選手権、四大陸選手権、世界ジュニア選手権の代表選手および主催者推薦選手

が出演します。
特別協賛がニチレイのため、お土産にニチレイの商品やグッズがもらえます。


MOIを2回現地観賞して感じたこと

ネーミングの違和感

メダリスト・オン・アイスとうたっておきながら、実質は世界選手権代表メンバーの方が扱いが大きく、全日本選手権でメダル獲得しても世界選手権の選出メンバーでなければ、出場順が早かったりします。
また、23年では世界選手権選出メンバーはアンコール有だったりインタビューコーナーがあったりと出番が多かったです。
メダリストとは、全日本選手権のメダリストと解釈しているのですが、そう考えるとミスマッチのように感じてしまいました。

出演スケーターが直前までわからない

全日本選手権の結果とその後の選出状況によって決まるので仕方がないことなのですが、ほとんど当日にならないと、出演メンバーが確定しません(ジュニアやノービスのメンバーは事前に発表があります)。
だからこそ、自分が見たい選手、推しの選手が出場するかどうかわからないので、チケットを購入するのをためらってしまう、というのがありそうです。
逆に、推しが出ると想定していたのに出なかったから行くの諦めます、というケースも発生します(23年はEX番長の友野選手の出演が無かったため、実際にそう判断した方もいらっしゃいました。かくいう私も迷いました)。

日程がよくない(クリスマスの時期、年末、月曜日)

全日本選手権が木曜から日曜に行われ、その翌日の実施なので、MOI開催日は月曜日となります。この時期、仕事やご家族の都合で、なかなかあけることが難しく、なんとか土日までは行けても月曜に休みとるのは難しく、断念されるケースも多いようです。

ステージ

23年で特に感じたのですが(実際にそのような意見を目にしたのですが)、いわゆるジャッジ側にはほとんどお客さんは座っておらず、テレビ映りを意識してか、反対側を埋めるようになっていました(ただし、それでも全然埋まっていませんでした)。
しかし、特にアイスショー経験の少ないジュニアの選手は、ジャッジ側に向けた演技が多く、今一つ盛り上がりに欠けてしまっていました。
ジャッジ側の氷上席の方がとてもノリのよい方々で、いい感じに盛り上げてくれてはいたのですが、会場全体としてはいまいち乗り切らない感じになってしまいました。

コラボ(ゲストアーティスト)

22年は女優でピアニストの松下奈緒さんがゲスト。23年はオペラ歌手とチェロ奏者4人がゲストでした。
せっかくの生演奏なのに、ほとんどコラボもなく、エンディングで登場するのみでもったいないと感じました。
演目につなげるのは難しくても、せめてもう少し出番が欲しかったです(この時期、音楽家はかきいれ時なのでスケジュール調整してせっかく来てくれたのに…)。
開演前や休憩中などにでも演奏してもらえたら、楽しめたのになぁと思いました。
個人的には、生演奏が聴けるととても楽しみにしていたのですが、ほとんど死角となってしまい、見えなくて大変残念でした。

最後に

正直なところ、客席の状況をふまえると、危機感をもってテコ入れしないといけないアイスショーの一つかなと感じています。
23年も来場者アンケートをとったりと来客側からのフィードバックを集めようとする姿勢は見えるのですが、根本的に原因をしっかりと追究して改善しないといけなそうなくらい、厳しい状況だと思います。

来客数をあげるには、様々な施策や方法がありますが、まずMOIについては、スケートファン(スケオタ)の来客数を増やすことは難しいのかなと考えます。というのも、試合の方は(特に土日は)満席に近いのに、平日が空席が増えてしまうのは、これ以上はどうしようもない、仕方のないことなのかもしれません。
会場をなるべく大都市圏に近い場所で行い、会社帰りなど日帰りでも行ける場所や都合をつけやすい場所にすると、少し変わるかもしれませんが。

来客数をあげるための案として、一つは近隣住民を呼び込む。既に取り組んでいるかもしれませんし、宿泊先のホテルでも何度もCMで見かけたので、もしかしたらそれで来場した方もいるかもしれませんが、ライト層に向けたアプローチが必要なのかなと思います。
地上波で試合を見て、この選手が生で見れるチャンス!と興味持ってもらえることが動機につながるかと思います。

もう一つは、フィギュアスケートに取り組んでいる子どもたちを招待すること。連盟に所属している選手はもちろん、軽い気持ちで習っている生徒さんでもよいと思います。選手を目指している子には将来この場所で演技できるくらいになりたいという目標になるし、習い事や遊びで楽しんでいる子にとっても、さらに興味関心が持てるようになるのではと思います。

全日本選手権がなくならない以上、切ってはきれない関係のアイスショーなのかと思います。出演者もファンも、そしてお茶の間観客も楽しめるようなショーにブラッシュアップしていってほしいと思います。

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