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ワンピースオンアイス⑤

これで最後…のはず。最後に、このテーマで書いてみたいと思います。


2.5次元アイスショーの今後の展望や可能性

今回初めて、世界的に有名な「ONE PIECE」という題材をもとにしたアイスショーが制作され、話題の2.5次元エンターテインメントの中で、アイスショーという新たなジャンルを誕生させました。
そして、それには新たなアイスショーの扉を開いたと感じました。
「FS Life Extra」のOPOI特集でもキャストの方々のインタビューで、「またやりたい」「可能性はある」など、皆さん同じことを述べていたのも印象的でした。

①日本を代表するコンテンツ

アニメや漫画はいまや世界を代表するコンテンツとなり、世界中の方々が日本に興味を持ってくれる大きなきっかけともなっています。日本の新たな文化の起爆剤として、政府側もかなり力を入れている印象を持っています。
国内外のスケーターさんも、日本のアニメや漫画が好きと公言している方も多く、EX含むプログラムで使用する方も珍しくなくなりました。
また、いまや日本のフィギュアスケートは、世界のトップレベル。ここ十数年大活躍で、層が厚く、次々と有能な選手が登場しています。
そんな、日本を代表するコンテンツであるアニメ・漫画と、フィギュアスケートがコラボして新たなジャンルを確立していくことが、世界的にも大きな影響を与えるのではと思います。

②プロスケーターの活躍の場

今回、日本で唯一のアイスショーのプロ集団、PIWメンバーが入ったことが成功の大きな要因の一つになったと思います。
魅せ方や群舞はもちろん、メンタル面での存在感も大きかったのではと。
特にフィギュアスケートは個人競技なので、他のメンバーと一緒に作り上げるという経験が少ない中、よい潤滑油として機能したのではと推察しています。
また、もし2.5次元アイスショーが定着すれば、引退したスケーターさんの活躍の場が広がると思うのです。大きな成績が残せなくても、スケーティングや表現力などが秀でた選手の才能が、引退と同時に見る機会がなくなってしまうのはとてももったいないと思います。
常設のアイスショー専用のリンクを作って随時公演があれば、指導者や振付以外の道も十分に開けると思うのです。
(つい最近小塚くんがSNSでアイスショー常設リンクの話を発信していたのを見たので、やっぱり元スケーターさんも思うことがあるのかなと思いました)

③アイスショーの新たなファン層獲得

今回、OPOIの観客の中には、アイスショーやフィギュアスケートのファンだけではなく、ワンピースのファンの方も混じっていました。
また、SNSの発信がきっかけで、じわじわと増えていったようにも感じました。
現在、アイスショーは乱立状態で、チケット価格も上昇傾向で、正直現状のファン層だけでは限界を迎えているのかなと感じています。
そこで、新たなファン層を獲得するには、別の層、新規層からの流入が必要。
今回、2.5次元にチャレンジしたことで、新たなコンテンツ側のファンの獲得が成功できたのかなと思います。この良い流れを断ち切らないために、今後も続けてほしいなと切に願います。

④リピートを見込める

アイスショーの集客数をあげる方法の1つに、お客さんが複数回見にきてくれる、つまりリピート率をあげるというのも重要だと思います。
こういった、大勢のスケーターさんが出演し、群舞も多いようなショーでは、1回目とは違う位置で見てみたい、と複数回通う方も増えるのではないでしょうか。
かくいう私も、1回目は俯瞰で全体を見渡し、2回目はもう少し近くで表情などをしっかり見たい、という形で複数回見ることが増えました。
(OPOIだけでなく、PIWや、BEYONDがそうでした)
また、ミュージカルのようにダブルキャスト制にすれば、今回はAさんだったから次はBさんで、のような楽しみ方もできるかもしれませんね。

⑤事前に内容の予想がつく安心感

アイスショーの要素の1つに、当日その時にならないと、どのプログラムを披露されるかわからない、というのがあると思います。
とにかく●●さんが見たい、なんでもよい、という方ならいいのかもしれませんが、アイスショーが飽和状態(かつチケット代が高騰)の現在、なるべくなら事前に情報がわかった状態で納得してチケットを購入したい、と考えるのもおかしいことではないでしょうか。
2.5次元アイスショーであれば、少なくともキャラクターや内容の予想はある程度つきそうです。(OPOIは、特にPIWチームの配役発表はギリギリでしたし、そもそも初の試みなので、どんなものになるかは予想つかなかったですけどね…それもドキドキワクワクした、貴重な経験でした)

おわりに

フィギュアスケートとエンターテイメントの双方から大きな可能性を感じた、ワンピースオンアイス。この盛り上がりを失ってほしくないなと思いました。
「フィギュアスケートをブームではなく文化に」と町田先生は言っていましたが、フィギュアスケートは、スポーツでもあり、アートでもあり、エンターテインメントでもある特殊さから、様々な可能性を秘めていると思います。
スケーターだけでなく、演出や振付、大道具やヘアメイク、音楽や声優など、多くのスタッフや関係者で作り上げた素晴らしい舞台。絶対に成功させたいという意気込みや熱い想いがものすごく伝わってきて、本当によいものを見たなととても満足しました。今後も長く続くことを祈っています。

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