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突如現れたご褒美の時間 フェアグランドアトラクション①


動画は Clare / Fairground Attraction 


35年ぶりに再結成をして来日している
イギリスのバンド、フェアグランドアトラクションのライブを
有楽町のヒューリック東京の初日、観てきました。
ドラムのロイさんが急遽体調不良で不在だったけど、メンバーの中を流れるドラムの音がずっと聴こえているようでした。
きっとまた来年あたり来てくれるような気がしています。

1988年3月「Perfect」という曲が大ヒットし、たった1枚のアルバムを
その年の5月に出して、日本にまでツアーをして、1990年あっという間に解散してしまった。あのゴリゴリのテクノ全盛期の時代に、こんなにアナログで優しいアルバムも売れていたのです。

私が知ったのは、すでに解散後。私が19歳の頃、ボーカルをしていた当時のバンドを組みたての頃、「こういうのを歌ったらいいと思うよ」って当時のベースの子が
おもむろにレーコードをかけ始めてそこに流れてきたのが
この「Fairground AttractionのCLARE(クレア)」という曲だったのが始まりです。
クラリネットから始まる少しロマンティックで悲しげな歌は、私には少し大人びた音楽だと思いましたが、すぐにトリコになりました。
それ以来こんなにも人生を共に歩むアルバムになろうとは。
夜中のドライブ、ずっと付いてくる月と共に、車の中でだいたい流れていました。

金沢での高校時代の同級生と私が、東京で暮らしとして落ち合ってから、
だいぶ大人になって組んだ念願のバンドpamplemousse(パンプルムース2004-2011)というバンドで、このカバーを歌えた時は本当に嬉しいものでした。
そんなに上手じゃないバンドだったけど自称ですがこのバンドこそが皆でフェアグランドになりたかったバンドなのでした。誇張なく当時は日本一フェアグランドを目指していたと思います笑。なんて、今夜の盛り上がりを見ても、そんなバンドが沢山いたのかもしれませんね。当時に出逢いたかったな。
自分のバンド結成直後に発表された日本でのライブアルバムもとっても素晴らしくて、「I know why the willows weep」 など何曲かカバーしていました。
『ライヴ・イン・ジャパン』 - Kawasaki Live in Japan (2003年)

今夜は50代以上のお客さんが多かったかなぁ、、、。いい大人がみんな泣いてました。いい大人になったから、みんなこれまでの自分の中のフェアグランドとのたくさんの景色を思ったり、そこに集まった人の色々なこれまでが、全毛穴からオーラとなって出ていっているような光景でした。
まさかオリジナルメンバーでこんな景色が観られるとは思ってなかったから、きっとみなさんにとっても、この時間は「突如現れたご褒美みたいなもの」だったと思います。新曲のタイトルが BEAUTIFUL HAPPENING なのも頷けます。
メンバー本人たちがこの実現に一番驚いていて、これは共有しないといけない、と感じて実現したようなものなのかなと感じました。
エディは変わらない声と、何かをいつも包み込み愛に溢れて、琴線に触れる、涙になるしかなかったよね、、。

「何か、綺麗じゃない、とか、賢くない、とか
いろんなこと言われたりした時、あるわよね、色々ね、でもそんなのドンケアよ。あなたは素晴らしい、
とりあえず歌おう、anyway 私は歌うわ」と言って。今日も歌っていました。

そんなエディもライブ終盤泣いて、ギターのマークと抱き合っていて、これまでの彼らの人生のことを思いました。
当時パッと出てきて売れて、パッと解散してしまった。色々な思いがあったからこそ、これまでまた一緒に音を鳴らすことはできなかったんじゃないかと思います。バンドとしてはたった一枚しかリリースしてない。けどやっぱり作品って宝物です。
何かを大事に創って、それを発表するのは勇気のいることだけど、こうしてみんなが大事に聴いてきた、目には見えない音楽が、今夜は目にみえる形として
確かなものになっていました。私もそこの1席に居ることができた幸せを心に焼き付けるように観ていました。

フェアグランドの曲にはたくさんお月様の歌があります。
今日もエディは日本語で、うーさぎうさぎ 何みて跳ねる ジューゴヤ おつきさんみてはーねーるーと歌っていました。かわいい。
いつもスコットランドの空のもと、星空や月を眺めているんだろうな〜って。

短いですがライブレポはここまでにして、占星術にどっぷりな私なもので
このライブから月の象意などを考えていましたので、続きは次回の記事に占星術の記事として載せたいと思います。

フェアグランドのアルバムは、とても夜空に合いますので、よかったらロマンチックのお供にお聴きください。

お読みいただきありがとうございました。

2024.07.02 火曜日 曇り
よしえ


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