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鹿児島県『桜島』が島じゃなかった…

小中学校で何を学んでいたのか…本当に恥ずかしい。「桜島が”島”じゃなかった」ことを知りました。「桜島」って言ってるじゃん!でも島ではありません。陸続き(半島の一部)でした…。

きっかけは「ボンタンアメ【公式】」さん

Twitterを見ていたらスッと表示されたツイート。
見覚えのあるアイコンに「ボンタンアメ【公式】」の文字。

あの味…よりも先に口の中は独特の触感を思い出しました。
あぁ、なつかしいあの食感。あれで歯医者に何度お世話になったことか。
いや、そのくらい美味しいからつい食べて、ゴニョゴニョ…

そんなボンタンアメを想像してたのに、ツイートの内容は見慣れない古い地図がどーんと貼られています。何だ?これは…とスッスーっと目はツイートの内容へと運ばれていきます。

桜島が元々は島であったことが分かります。」

えっ!?元々ですって!
つまり、今は・・・(そういうことだよね。島じゃない…)

これは事件です。全く知らなかった。小学校5年生に先生から配られた日本地図、ボロボロになるまで見たけど桜島のことは覚えていません。いや、ちゃんと見ていなかったのか。

手元に地図…いや、Google Mapを見て確認です。
桜島を探しながら心の中は『だって「桜島」なんだから”島”でしょ!種子島への飛行機移動で上空から何度も見た桜島。そう、島だった…島だった…』島であってくれと祈るようにGoogle Mapを開き、結果は

・・・はい。見事につながっています。

そりゃそうだよね。
ボンタンアメさんは鹿児島県鹿児島市が拠点のセイカ食品(株)が製造するお菓子の公式アカウント。間違いなく、毎日そこにある島だもんね。
なるほど、勉強になります。


なんで「桜島」なの?

では島じゃないのになんで「桜島」なのか。これだけ存在感がある土地なら桜が有名とか、桜にまつわる何か有名な伝承・伝説があるとか、しっかり残っているだろう。

サクッと検索してみると、鹿児島県のウェブサイト「地名の由来」に桜島の名前の由来について以下のように記載されています。

桜島の名前の由来は、10世紀中ごろ、大隅守として京都から赴任してきた「桜島忠信」の名前からとったという説。神話に登場するコノハナサクヤヒメという女神が桜島の五社大明神にまつってあることから、サクヤ島転じて桜島説。古代の大噴火のとき、桜の花びらが海面に浮かんだという説などさまざまな説がある

まさかの由来が複数説。これは古くから「桜島」の名称が使われ、その由来が分からなくなってしまったパターンかなと調べると、正解!

桜島・錦江湾ジオパーク推進協議会のウェブサイト「桜島の地名の由来」に諸説ある旨と、使われた記録について記載があります。

なお、桜島の呼称が初めて使われたのは、「西藩儒林伝」(永正9年(1512年))にある僧以安の漢詩とされています。

なるほど。永正9年とな、時は戦国時代(15世紀末から16世紀末)、戦乱の真っ只中。そんな時代に記録されたのが「桜島」。古くから呼ばれている呼称であることが分かります。

あれ?違う、違う、島の名前の由来じゃない。
なんで「桜」、「島」と呼ばれているか!

ま、それはボンタンアメ【公式】さんのツイートに書いてあるとおり大正3年の噴火で大量に流出した溶岩で、大隅半島と地続きになりました。それまでは正真正銘「島」だったようです。


「桜島の大正大噴火」とは

地続きとなった理由の「大正3年の噴火」ですが、調べていると一部資料ではこの噴火を「桜島の大正大噴火」と言うようです。

内閣府防災情報のページ「災害教訓の継承に関する専門調査会報告書「1914 桜島噴火」」に詳細な調査報告がまとめられています。以下は噴火の経緯を調査報告から一部抜粋したものです。

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わが国が20世紀に経験した最大の規模の噴火である。

これだけでも十分激しさが伝わってきます。
噴火と言えば、私の記憶に残っているのが雲仙普賢岳の噴火。平成の初めに噴火の予兆を観測してから、噴火の過程が映像でも記されている衝撃の噴火です。ゆえに記憶にしっかり残った災害でもあります。

その雲仙普賢岳噴火の10倍の噴出物。
そりゃ、島が地続きになるのは納得できる規模です。


「大正大噴火」を学ぶ

カメラが一般の人の手に入りやすくなったのが、明治36年(1903年)に小西本店(現コニカミノルタ)が発売を開始したアマチュア向けのカメラがきっかけとのことで、桜島の大正大噴火も写真が多く残されています。

そんな残された資料から大正大噴火を学び、考察し、次に活かす活動が行われています。今回勉強になった資料・サイトを3つご紹介します。

▼内閣府防災情報のページ
先の記事でもご紹介の内閣府防災情報のページ災害教訓の継承に関する専門調査会報告書「1914 桜島噴火」」は写真・絵などの資料とともに詳細な調査報告がなされています。さすがは内閣府!

▼カラー化した映像で学ぶ
桜島の大正大噴火の写真をカラー化している方もいました。タイトルだけ見て「カラー化したのか、なるほど」はもったいない!元写真とカラー化写真、そして読み応えのある解説はとても勉強になります。

▼動画で学ぶ
大正大噴火の体験を紙芝居風アニメーションで紹介したものがYouTubeで閲覧できます。制作は桜島大正噴火100周年事業実行委員会とのことですが、公開アカウントが個人っぽいのが謎です。映像は非常に勉強になります。


おわりに

ボンタンアメ【公式】さんのツイートがなければ一生学ぶことが無かったであろう「桜島は島じゃないけど、昔は島だった」件。ボンタンアメ【公式】さん、本当にありがとうございます。

久しぶりにボンタンアメ買って食べてみようかな。

参考資料

内閣府防災情報のページ『災害教訓の継承に関する専門調査会報告書「1914 桜島噴火」」』
http://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/kyoukunnokeishou/rep/1914_sakurajima_funka/

日本自然災害学会,自然災害科学131,Vol.38,No.3,「【特集記事】桜島の大規模噴火を考える」
https://www.jsnds.org/ssk/ssk_38_3.html

鹿児島県,桜島大正噴火100周年記念誌
http://www.pref.kagoshima.jp/aj01/bosai/sonae/sakura100/kinenshi.html








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