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潰瘍性大腸炎 milan ultrasound criteria

ミラン。

ミランといえば、ACミラン(いやインテル!)という論争はさておき、

今回の論文はこちら↓↓

Allocca M, Filippi E, Costantino A, et al. Milan ultrasound criteria are accurate in assessing disease activity in ulcerative colitis: external validation. United European Gastroenterol J. 2021;9(4):438-442. doi:10.1177/2050640620980203

潰瘍性大腸炎評価法のvalidation studyです。僕は消化管エコーが一番好きなので、海外の診かたも気になります。このjournalのピンクを多用しているところは好きですね!殺風景になりがちなので。


結論は "MUCスコア>6.2は, 感度0.85 (95%CI 0.66-0.96), 特異度0.94 (95%CI 0.70-0.99), 曲線下面積0.902 (95%CI 0.772-0.971)でactive UC or non-active UCかを識別し, derivation studyとの完全一致を示した. "

ふむふむ、MUC(Milan Ultrasound Criteria)を使うとUCがactiveな状態か否かが分かるというわけですな!

MUCが何かがポイントですね!MUCとは

評価したパラメータは
1. 大腸壁厚 (CWT; the average of three measurements, normal values ≤3 mm)
2. 大腸壁のパターン (CWP; 0=normal, multi‐layered, 1=prevalently hypoechogenic, 2=prevalently hyperechogenic, 3=lost)
3. 大腸壁の血流 (CWF; 0=absence, 1=presence of blood signals at color Doppler)
4. 腫大した腸間膜リンパ節 (short axis >5 mm)
5. 腸間膜の肥厚

で、これらを元にMUCを算出するみたいですが、多変量解析で得られた
"MUC = 1.4 × CWT +2.0 × CWF"
これが例のスコアリング指標みたいですね。大腸壁のパターンや腸間膜リンパ節、腸間膜肥厚はderivation studyで関与がなかったみたいですね。

内視鏡の指標との関係はTable2

"MUCはMayo endoscopic sub-scoreと有意に相関した(r = 0.76;95%CI 0.60-0.86;p < 0.0001) " 

各MUC rangeにおけるn数は少ないかもしれませんが、MUC 8.2以上では内視鏡的active UCということみたいです。ROC解析で比較するとTable3になります。

"MUC score >6.2 がactive UCとnon-active UCを分ける最適なカットオフ値だよ!感度0.85 (95% CI 0.66–0.96), 特異度0.94 (95% CI 0.70–0.99), AUC 0.902 (95% CI 0.772–0.971)"



MUC 6.2を考えていきましょう。

"MUC = 1.4 × CWT +2.0 × CWF"
なので、

血流シグナルがない場合 → 大腸壁厚 4.4mm以上
血流シグナルがある場合 → 大腸壁厚 3.0mm以上

となります。

回帰式がちょっと緩い? 感覚的には血流シグナルあって壁厚3mmって大体当てはまるような気がします。。血流シグナルの有無で分けるというのは同意です。

今度からMUCを少し参考にしてみようと思います😊
興味深いですなあ。。


元論文はこちらです↓
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8259285/

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