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【アルビ日記】2023-30:vs鳥栖 1-1


「雨とパス回し」

試合情報

・10/21(土)13:00キックオフ
・@ビッグスワンスタジアム。雨
・新潟11位、鳥栖12位

アルビレックス新潟・スタメン

GK小島享介。DF藤原奏哉、舞行龍ジェームズ、渡邊泰基、新井直人。MF秋山裕紀、高宇洋、松田詠太郎、高木善朗、太田修介。FW鈴木孝司。
【途中出場】星雄次、ダニーロ・ゴメス、小見洋太、谷口海斗、長谷川巧。

試合ダイジェスト

【前半】
45分、右サイド松田のクロスが鳥栖DFの手に当たり、新潟がPK獲得。鈴木が決め、新潟先制。直後、鳥栖が同点弾。右サイド原田の高いクロス、ファーサイド、小野が頭で合わせた。1-1で折り返し。

【後半】
立ち上がり、新潟がゴール前に迫るもネットを揺らせず。両チームディフェンスの集中が継続。攻めあぐね、膠着状態。そのまま1-1で試合終了。

遠慮がち

一週間前の10/13金曜日、ここビッグスワンで日本代表戦が行われた。森保ジャパンは4-1でカナダ代表に圧勝。その後も神戸でチュニジアに快勝。ちょっと記憶にないような強さをみせる日本代表、かなり盛り上がっている。

どこをとっても強い、うまい、速い。
ぐわんぐわんに気力が充実しているのが、顔を見ても動きを見ても伝わってくる。今の代表戦は、かなりおもしろい。

で、中断期間を経て、アルビ。

アルビのサッカーは、スタイルとして面白い。個人のパフォーマンスを堪能する、というよりは、全体をみて愉しむ。
全員で、どこを、何を狙っているか。パス交換がコミュニケーションになっているか。今はどういう時間なのか。

そういうのを楽しめるのが、アルビのサッカーだ。
もはやアルビの呼吸とも言える、パスワーク。パス、トラップ、パス、トラップ、パス、トラップ。このリズムを、見てる方も、息を吸って吐くように、一緒に味わえるのがアルビのサッカーだ。

日本代表と違う楽しみ方を、自分の町のチームが確かに持っている。ありがたいことである。

だが、雨とパスサッカーというのは、ほんとうに相性が悪い。日本でも随一の降水量を誇る新潟という地で、華麗なパスサッカーが花開いたというのは、なんとまあ、皮肉なことか。

今日の新潟は、秋雨がしとしとと降っていた。芝生はたっぷりと水を含んだ。ジャバジャバのピッチ。ボールが走らない。あるいは滑って伸びる。

そんなピッチ状況でも当然アルビは丁寧にボールを繋ぐ。ただ、トラップにもパスにも、いつも以上に気を遣わなくてはならないのは確か。注意深く止め、注意深く蹴る。この「注意深く」の部分で、通常の1.2倍くらいの時間がかかり、1.2倍くらいのコントロールの誤差が出てしまう。

それが、全体のテンポを緩やかにしていた。ゴールに迫る勢いは、いつもより削がれていたように感じた。

全体として遠慮がち

難しい場所にズバッと刺すパスは、少なめ。必然、迂回ルート、つまり大外からの攻撃が多めになっていた。不用意なボールの失い方だけはしないように、チャレンジングなボール保持はチームとして避けるような傾向があったかもしれない。

異端

アルビの4-2-3-1に対して、鳥栖も同じ4-2-3-1。が、組み立て方は少し異なる。

鳥栖の場合はダブルボランチの河原創&手塚康平がゲームを作る。1トップの小野裕二を含めた前の4人は、ボランチの前で細かく動きながら、ボールを引き出す。

アルビは全員でテンポを紡ぎながら、呼吸を合わせて少しずつ前進する。トップ下の高木、FWの鈴木はけっこう低い位置に降りてきて、起点づくりを担う。この試合に関しては、両ワイドの松田と太田は、高い位置でタッチライン際でボールを待つ事が多かった。

今日際立っていたのは、ボランチの秋山がDFラインに落ちて、後方からのビルドアップに参加していたこと。

理由としては、鳥栖の前プレがキツめだった、というのもあるし、ピッチコンディションの悪さ、というのもありそう。GKの小島&CBの2枚だけではビルドアップの安定が担保しきれず、秋山がそこに加わってプラス1を作っていた。

秋山の落ち方は巧みで、CBの真ん中に落ちることもあれば、斜めに落ちて、SBを前に押し出すこともあった。状況を見て、必要な場所に適切なタイミングで落ち、ビルドアップの安定に貢献する。難しいプレーだと思う。

この日は久しぶりに見られた選手が二人。

ダニーロ・ゴメス谷口海斗
ダニーロゴメスは貴重な左利きのアタッカー。独特のリズムでアクセントもつけられる。まず調和、というアルビのサッカーにおいて、いい意味で違和感のある味付けができる選手だ。

エースストライカーの一人・谷口のゴールは、今季もう一つくらいは見ておきたい。何よりも先にゴールをみてくれる選手。強引にシュートに持っていけるのが一番の魅力だと思う。こちらもいい意味で、異端児であってほしい。

そうそう、今日の勝点1で、J1残留が決定
来季の絵を描き始めるのは、まだちょっと早い。
けれど、もうひとつ総合力を上げるためにも、ダニーロや谷口のような、調和をブレイクする、異端のプレーをする選手の覚醒を見てみたい気もする。


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