米原市の少子化対策について

ふりかど大祐の視点

『貸与型奨学金返済の負担軽減を』

貸与型奨学金を返済するにあたり経済的負担を感じ、出産をためらう方がいます。米原市の出生数目標達成にむけて、負担軽減を行なうべきだと考えます。

(質問)
米原市の出生数について
(答)
過去 10年の本市における毎年の出生数は、平成 25年から平成 28年までは 300 人台を推移していましたが、それ以降は 300 人を割って年々減少傾向にあり、令和4年は 212人となっています。第2期総合戦略を策定した際、平成25年の合計特殊出生率は 1.55 と確認しており、全国平均(1.43)、県内平均(1.54)を上回っておりました。しかし、出生数が 毎年減少傾向にあることから、若年女性人口の減少や未婚化・晩婚化のほか、新型コロナウイルス感染症のまん延などの社会背景が影響しているものと考えております。

(質問)
出生数の目標達成への課題は何か
(答)
本市では、人口の将来展望を定めた「人口ビジョン」を確実なものとするため、5年間の 基本目標や施策の基本的方向、具体的な施策をとりまとめた第2期総合戦略に基づき、出生 率の向上を図るため、「滋賀県一子育てしやすいまちを創る」という基本目標の実現に向け、 若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえ、若い世代の社会増による人口構造の若返りや、安心して子どもを産み育てられる環境づくりを進めています。
具体的には、結婚相談などの結婚をサポートする相談体制の強化、中学校入学時の入学支 援金や部活動用具等の購入補助、給付型奨学金制度などの経済的負担を軽減する制度の創 設をはじめ、新幹線通勤者定期券等の補助など、若い世代の市外からの移住、U ターンにつながるような様々な取組を進め、出会いから結婚、出産、子育てまでの総合的な支援に取り組んでいるところです。
しかしながら、第2期総合戦略の年次目標である毎年度 300人以上の出生数は達成できていない状況にあり、本市においても全国的な婚姻率の低下や未婚化、晩婚化のほか、結婚 や出産に対する意識の変化、新型コロナウイルス感染症の流行による婚姻・出産控えの影響 を受けているものと考えており、こうした状況の解消が課題だと考えています。

  
(質問)
奨学金返済の出生数への影響について
(答)
労働者福祉中央協議会が 2022年9月に実施した「奨学金や教育費負担に関するアンケート」では、奨学金の返済が「結婚」に影響しているが4割弱、「出産」と「子育て」「持家取得」に影響しているが3割強という結果が出ており、生活設計の基本的な要素にも影響を及ぼしているとの結果が報告されています。
コロナ禍の中で、奨学金の返済を抱える、とりわけ賃金が上がらない非正規雇用など不安定な就業実態にある若者の中には、結婚や家庭を持ちたいという将来設計を諦める人たちがいるということも言われており、こうした実態が少なからず、未婚化、出生数の減少に繋がっているのではないかと考えております。

(質問)
給付型奨学金を借りられない人への支援について
(答)
本市では、給付型奨学金の給付により、これまで 200人を超える若者に対し、修学に必要 な資金を支援するとともに、市への定住を促進してきました。一方で、貸与型奨学金の返済 に追われる若者の中には、結婚や家庭を持つことを諦める人がおられることは非常に 悩ましい問題であるとも考えております。結婚できる、子どもを持って育てられる、マ イホームが持てるなど、将来設計に係る全体的な負担を軽減し、『米原市なら人生設計を描ける』というまちを目指していくことが重要だと考えております。
少子化問題は、一つの施策で解決するものではなく、多岐にわたって取り組まなければならない課題であり、奨学金返済支援だけでなく、様々な支援について 民間企業等も含め、社会全体で少子化対策を考えていく必要があります。その一つとして、 日本学生支援機構では、企業の人材確保を目的とした奨学金返還支援制度を運用されております。この制度を活用する企業が年々増えていることから、こうした企業にインセンティブを与えたりするなどして、奨学金返還を間接的に支援する制度の創設 などを国や県に対し、要望しているところです。


子どもたちと過ごす時間をよいものにするために、使わせていただきます。