◆Iron Ruler(20221211)🐎
🌈当記事を見つけて下さって、ありがとうございます。
いつまで続くんだシニスターミニスターの話。ピコンと閃いた内容については過不足なく残していきたいので、今しばらくお付き合いくださいませ。
シニスターミニスターは累代(4代母の父)に"Iron Ruler"という血脈を持っています。現役時代は米国にて通算35戦9勝、ジェロームHを制するなど精力的に走りましたが、特筆すべきはレースに行っての安定感で、生涯において着外がわずか4回(※1着9回/2着13回/3着9回)と強烈な数字を残しています。(やや決定力不足とも言えますか)
種牡馬入り後はAloma's Ruler(82年プリークネスS-米G1)を出した程度で、確固たる後継を残す事は出来ませんでした。しかし、繁殖牝馬の父としては神通力を発揮し、G1・10勝を挙げた米国競馬史に残る名馬Skip Away(3代母の父Iron Ruler)、BCフィリー&メアターフを勝つなど芝路線で長く活躍したForever Together(4代母の父Iron Ruler)、競走成績は二流も種牡馬として一花咲かせたBroken Vow(4代母の父Iron Ruler)などが出ています。
とりわけ母方(伴血上)に位置して輝きを放つ理由、それは2代母Uviraの影響力にあると考えられます。同馬は1941年愛オークスを制して名声を得ましたが、繁殖牝馬としての才能も抜きん出ていて、繋養先の米国にてデビューした産駒は11頭中10頭が勝ち星をマーク。生涯16勝を挙げたGeneral Staff(父Mahmoud)など"勝ち馬10頭中4頭が二桁勝利"に到達しています。
26歳時にSword Dancerの仔を出産した記録が残っているように、尋常ならざる生命力を内包していたUvira。"人知を超えた才能の持ち主だった"と形容しても大袈裟ではありません。(異様に頑強だったり、長生きする牝馬には何か秘密があるのではないか。ディープの母ウインドインハーヘアも存命、現在31歳。)
Uviraの優秀な遺伝子を受け継いだのは晩年に送ったMissy Baba(7戦1勝)で、Gay Missile(アッシュランドS)、Raja Baba(80年北米リーディング)、Sauce Boat(アーリントンワシントンフューチュリティ-米G1)を出して成功を収めました。
中でもGay Missileの仔Lassie Dearを起点する子孫は爆発的に発展していて、Summer Squall(プリークネスS-米G1,ホープフルS-米G1)、A. P. Indy(03年・06年北米リーディング)兄弟やLemon Drop Kid(ベルモントS-米G1などG1・5勝)など、名馬・名種牡馬が飛ぶ鳥を落とす勢いで誕生しています。
改めてシニスターミニスターの血統表に目を移すると、累代Iron RulerからOld Trieste~A.P. Indy(5代母Uvira)に繋ぐことによって、Uviraの血を強調している事が分かります。シニスターミニスターの大躍進にはこれら"配合の妙"が関わっている気がしてなりません。血統の奥まった位置にあろうとも、絶大な影響力を誇る牝馬を活かす手法の重要性を示す好例と言えるではないでしょうか。
今日はここまで。
皆様が素敵な日々を過ごせますように🙏
"目に見える世界1割、目に見えない世界9割。”