映画「キラー・エリート 」(MGM/UA ユナイテッド・アーティスツ アーサー・ルイス-=バウム/ダンテイン・プロダクション )






キラー・エリート




MGM/UA


ユナイテッド・アーティスツ


アーサー・ルイス-=バウム/ダンテイン・プロダクション




ジェームズ・カーン





ロバート・デュヴァル





THE KILLER ELITE




アーサー・ヒル


ボー・ホプキンス


マコ


バート・ヤング


トム・クランシー


ティアナ



AND 

ギグ・ヤング




音楽 ジェリー・フィールディング


撮影 フィリップ・ラスロップASC


脚本 マーク・ノーマン&スターリング・シリファント


原作 ロバート・ロスタンド


製作総指揮 ヘルムート・ダンテイン


製作 マーティン・バウム&アーサー・ルイス


監督 サム・ペキンパー






CIAにすら荷が重い危険な任務を請け負うコムテッグ社。

マイク・ロッケンとジョージ・ハンセンは10年来のコンビで仕事をこなしてきたコムテッグ社のエリート・エージェントである。

東ヨーロッパからの亡命政治家の身柄確保をなんなくこなしたが、ハンセンが共産主義陣営に寝返り亡命政治家を射殺。
ハンセンは10年来の付き合いということロッケンの命は守ってやるが膝を撃ち抜く。

病院に担ぎ込まれるロッケン。
緊急手術の結果、歩行は不可能との通告だった。

コムテッグ社としては歩行が不可能な者を置いておくわけにもいかずロッケンに退職金を払って解雇する。

コムテッグ社はロッケンに「CIAなら退職金も出ない。」と言う。

絶望の淵に立たされるロッケン。

ロッケンはハンセンに復讐するため生きることにする。

復讐のみに生きるロッケンは異常な執念で困難なリハビリに励む。

人並外れた体力と気力で奇跡的に杖をついて歩くことが出来るようになったロッケン。

ロッケンはハンセンへの復讐の機会を待つ。

ハンセンがアジアの政治家の命を狙っていることを知ったロッケンは行動に移す。

かつての同僚で車・運転のプロのマックと、銃・射撃のプロのジェローム・ミラーを呼び寄せ、アジアの政治家の命を守りながらハンセンへの復讐を企む。

アジアの政治家を狙っているのはハンセンだけでなかった。謎の忍者軍団も狙っていた。






忍者軍団が出てくるのでキワモノ映画と思われがちだが熱い男の映画である。

売れていた脚本家のスターリング・シリファントの脚本を伝説の監督サム・ペキンパーが撮るという期待作。

選りすぐられたプロフェッショナルがジェームズ・カーンとロバート・デュヴァルで、ジェームズ・カーンとロバート・デュヴァルという男二人が激突するというだけですでに良い映画である。


復讐に燃えるジェームズ・カーンだがロバート・デュヴァルへの思いも強い。割り切れない感情。

ジェームズ・カーンとかつての仲間バート・ヤングとの信頼関係、同じくかつての仲間ボー・ホプキンスに向ける親愛感、と同時に仕事の関係と割り切る乾燥感。
仲間への信頼関係と奇妙な友情、突き放した割り切りが同居する。

バート・ヤングもボー・ホプキンスもプロフェッショナル感を見せつけてくる。
車のプロ、銃のプロというのをうまく見せている。

ジョン・ウェイン主演「マックQ」ではMAC10(イングラムM10)サブマシンガンが登場するが、キラー・エリートではUZIサブマシンガンが登場する。まだUZIサブマシンガンが映画にあまり登場してなかった頃で、銃のプロであるボー・ホプキンスが使っているのでプロ好みの銃のように感じさせていて成功であった。チャック・ノリス主演「デルタ・フォース」ではアメリカ陸軍特殊部隊がすでに古いUZIサブマシンガンをまだ使っていてアマチュア感と低予算さを感じさせた。

共産主義陣営も前面に出てこず代理戦争的に殺しのプロフェッショナルが戦う。

忍者が出てくるなら日本ロケで日本の政争としてもよかったかもしれない。日本の政情がもう少し不安定だったらそうなったかもしれない。アメリカの軍事専門家は当時の日本を低列度紛争国で政情不安と判断していたがアメリカのメディアや普通の人は他のアジアと違い日本は安全と考えていた。ザ・ヤクザに続いての日本ロケでもよかった。燃えよドラゴンもヒットしたので香港ロケでもいいが、香港では忍者が出にくくなる。

忍者が異常に弱い。弱すぎる。殺されるために出ている。殺されるのを避けるのではなく進んで殺されに行っているように見える。アジア人は質ではなく数で戦うというイメージがあるかのようである。

近代兵器を全く使わない忍者。刀で襲い掛かる忍者。せめて弓でも手裏剣でも使えばよかった。

あと10年公開が遅ければ忍者が出ていても評価されたような気がする。時代を先取りしすぎた。


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