百武大輔

百武大輔(ひゃくたけだいすけ)です。劇団あしからず。という劇団で劇を作ったり、映像を作…

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百武大輔(ひゃくたけだいすけ)です。劇団あしからず。という劇団で劇を作ったり、映像を作ったり文章を書いたりなどしています。

マガジン

  • 「たいせつなものを燃やす」

    書いたエッセイをまとめたものです

  • 雑記2024

    2024年に書いた無料公開の文章をまとめたマガジンです。

  • 雑記2023

    2023年に書いた無料公開の文章をまとめたマガジンです。

  • 雑記2022

    2022年に書いた無料公開の文章をまとめたマガジンです。

最近の記事

(あくまで個人的な対話としての文章)

 そういえばわしっていつから自分のことをわしって言ってるんやっけ。自分のことわしって呼んでることにちょくちょくツッコまれることあるよ。でももういつから自分のことわしって呼んでるか思い出せへんくらい自分のことをもうずっとわしって呼んでるなあ。正確には思い出せへんけど、中学んときくらいちゃうかな。いつからわしって呼んでるかは思い出せへんけど、わしって一人称を使うようになったきっかけっていうか、理由は憶えてる。まぁそれもうっすらやけど。  今でもなんでやったんかようわからんけど、

    • 視ることと視られることについて

       知人の女性が、一年だけ残してきた大学生活を終えてくる為、来月から東京を離れて大分の大学に戻るらしく、その前に遊ぼうということで昨夜一緒にお酒を飲んだ。途中、彼女は自身にプライドがあることを自覚していながらも、それでも踏ん張っていたいのだという話になった。自身の状況を言葉にするときに「踏ん張っていたい」という言葉を用いることがその時僕の中では新鮮だった。この人は自身を表現するときに踏ん張るという言葉を使うのだと思うと、その踏ん張りたいという日々の動力はどこからきているのか、彼

      • なぜ自分はフィクションを書くのか

         ここ数日、エッセイを立て続けに書いていると、どうやら疲れてくることがわかった。実際に自分の人生の中で起きた出来事を可能な限りありのまま書くことはあまりにも現実的な文章で、心が動く。当時自分が見ていた光景をありありと思い出すことが出来て、それはあまりにも現実的なものである。そして今朝起きると、フィクションを書きたくなっていた。しかしまだ、身体的感覚としては書けない。正確には書けない気がしている。もし何かの締切があり書かざるを得ない、という場合には書くことを選ぶだろうが、今は取

        • もう会うことのできない叔母のこと

           母には妹がいたが、僕が小学四年の時に交通事故で亡くなった。叔母であるその亡くなった智美姉ちゃんは、僕の中ではあまり会うことのなかった人、という記憶ではあるが、小さい頃の写真にはよく一緒に写っているし、自分の幼少期の話を母から聞くときには必ず智美姉ちゃんの話が出てくる。大人になってから智美姉ちゃんの話を母や祖母から沢山聞いた。そして母も祖母も口を揃えて言うのは、智美姉ちゃんはどうやら僕とかなり似ているらしかった。学生時代は悪さばかりで友達たちの柄はあまり良くなく、家の前にバイ

        (あくまで個人的な対話としての文章)

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        • 「たいせつなものを燃やす」
          6本
        • 雑記2024
          0本
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          3本
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          6本

        記事

          この人のことを好きになれたらどれだけいいだろう

           昔の事を思い出そうとすると、クラブでよく遊んでいた時期の事をかならず思い出す。人のことを容易に信ずるべからず、というスタンスはその頃身につけてしまったのかもしれない。それを身につけなければ耐えられないというようなものだったのかもしれない。不安定な環境であり、僕自身もまた不安定な時期だった。  週に何度も足を運ぶため、その通っていたクラブのセキュリティにも顔見知りになり、顔パスで入ることが出来ていた。フロアのスタッフも必然的に顔見知りになった。バニーちゃんと呼んでいた、一階の

          この人のことを好きになれたらどれだけいいだろう

          みんなのこと忘れないでね

           18歳の頃、短期間だけ地元のラブホテルでバイトをしていたことがあった。当時、高校を卒業し、やりたいことをするために大学には進学しなかったが、その頃よく遊んでいた友人たちと僕はクラブで遊ぶことを覚え、週に4~5日は大阪の心斎橋の道頓堀沿いにあるクラブへ足を運ぶことだけが楽しみになっていた。その当時にクラブで流れていた音楽を今も不意に耳にすると、その当時の記憶がありありと甦ってくる。3日ほど眠らずに遊ぶなど、今では考えられないほどのエネルギーで毎日を過ごしていた。当然その日をい

          みんなのこと忘れないでね

          2023年夏 広島滞在日記

          2023年6月27日(火)  9時前に広島駅に到着。バスの中でわりと眠ることが出来た。10時発の芸備線に乗り、甲立駅で降りる。なほみねえちゃんが車で迎えに来てくれていた。15年ぶりの再会。セブンでお昼を買って、家に到着。おばちゃんも15年ぶりの再会。93歳とのことで驚くが、変わらないように見える元気さで懐かしく、嬉しくなる。三人でセブンで買ったお昼を食べる。冷やしラーメンと出してくれた漬物とキムチを食べる。その後なほみねえちゃんと車で近くの薬局とスーパーへ。買い出しはこうして

          2023年夏 広島滞在日記

          雑記20220620 「みこしば」所感

           劇団の第5回本公演「みこしば」を6/13~6/18に行い、無事全て終了しました。スタッフ、出演者の皆様、お越しいただいた皆様、そして、表には出ない形で僕自身を、劇団を応援し励まし、支えてくれたすべての皆様に改めて感謝の意をここへ記します。本当にありがとうございました。 いつも通り、所感という名でただこの創作期間に考えたり感じたりしたことをつらつらと書いて振り返ってみようと思います。  稽古が5月20日から始まった。その1週間前くらいから心の調子を崩し、そのまま稽古へと入

          雑記20220620 「みこしば」所感

          雑記20230315

          「鬱の記録」 2023年3月12日。今年初めての鬱がきた。記憶が正しければ、4ヶ月ほどぶりになる。昨年までは、日々の生活に締まりがなく、躁鬱の判断も何となくになっていて、いわば慢性的に鬱状態で、しばしばそこから解放される、というような状態だったように思う。ただ、今年に入って生活をしっかり保つよう意識していたため、生活にメリハリがついていた。そしてそれは、今までにない心身ともに素晴らしい健康状態を維持できていた。が、突然鬱はやってきた。コツコツと日々積み重ねていた自信や意欲など

          雑記20230315

          雑記20221107

          文章を書き続けるには、当然ながら自己規律と僅かでも平穏が要るのだ、ということを、トライアル&エラーを何度も何度も身体を通して繰り返し、最近やっと身体がそれを理解し出してきているような気がする。 最近はSNSから距離を置くというよりも、スマホから距離を置いている。 こればかりは、東京から離れたいと思うのと同じくらい、定期的に来る波ではあるのだけれど、今回こそはうまくその波に乗って、出来るだけ乗り続けることをしてみようと思う。なんだかいろんな事に疲れてしまった。そして、本当に

          雑記20221107

          雑記20220928 「セミは転落する」所感

          25日に、あしからず。第4回本公演「セミは転落する」が無事全て終了した。 集団で熱量を帯びた時間を共有すると、過ぎ去った後には必ず虚無がやってくる。寂しさから派生した虚無。ただ、そうした時間をちゃんと意味のあるものにする為に、その寂しさに後ろ髪をひかれながらも前進していくしかない。 この寂しさの正体は、他者が強く自らの中に存在した証拠であって、そんな他者の事を大事にする為には次に向かう事が必然となる。 今回の公演で、自らの力不足と自身の基本的なスタンスをより自覚的なものにした

          雑記20220928 「セミは転落する」所感

          雑記20220523

           最近は大して何もしていない。旅に出てダラダラと音楽を聴きお酒を飲み、本を読んだり映画を観たり、時に真面目に何かに取り組んだりはしつつも、大したことを出来てはいない。5月が終わるのが怖いのだ。  6月になると(いやもう既にではあるけど)台本を書き始めなければいけない。その事から逃避するように今はだらだらしていんだ、と自分を正当化しつつも、作りたくなって机には向かうけど、6月が頭を過ぎり、結局横になってはえーんえーんと嘆いている。劇団のみんな(怖い人たち)に台本の締め切りを設け

          雑記20220523

          雑記20220430

           昨日のワークショップの雑感を残しておく。記し、残しておきたい。 昨日のワークショップは時間的制限が多かったが、とても自分にとって多く収穫のあるものとなった。目下の個人的研究課題として取り組んでいる事柄に焦点を置いて行った。そしてそれは、俳優に対しても(あくまで自分の制作範囲においてでしかなく、全ての環境で応用され得るかは不確か)意義を見出してもらうことができるのではないかと思い、行った。 それは昨日だけではまだ自分の中で確信に変わるほどには出来ないにせよ、充分信じるに値する

          雑記20220430

          雑記20220423

           SNSに載せてるから矛盾してるけど、誰にも読まれるつもりもなくこうやって残していくの楽しいかもしれない、毎日書くつもりなんか毛頭ないし、なんだか気持ちがくさくさした時に殴るように書いている。 そういえば「くさくさする」という言葉をこの前観た成瀬巳喜男「乱れ雲」で司葉子が台詞として発していて、これから自分も自信を持って発語していこうと嬉しくなった。何かを断る時に、「うーん、有難いのですが、今日はなんだか気がくさくさするのでやめておきます」と。  生活と態度について考える

          雑記20220423

          雑記20220421

           最近はユリイカの2018年9月号を読んでいる。 これが尋常じゃない程に面白く、最近忘れていた作り出す事に対する衝動的感覚の綻びを久しぶりに思い出した。  年末から立て続けに何かを作ってきて、衝動的な感覚は一切なく、ただ現実的な物事に追われる形で作ってきた。常に誰かの姿が頭の中にあり、何かに忖度してあらゆる事柄を曖昧にし、作りたいという衝動は一切抜きにしてただ今の自分に作ることができるものを作った。その経験は振り返ると本当に意義があったと感じるし、自らの前進に対する糧となり、

          雑記20220421

          2021年11月WSテキスト

          ※当日こちらのテキストを元にしてお芝居を作ります。自由に解釈をして人物を作って来ていただく形となります。 小さい頃から無意識に他人を見下してしまう傾向が自分にはあること。そんな自分の傾向に両親は気が付いていたこと。世間で流行している作品では自分は心が動かないこと。「感動作」という宣伝文句を見た瞬間に冷めてしまうこと。「普通」という言葉に敏感なこと。それはその言葉に対して違和感を感じるということであるけれど、無意識ではただ普通に生きていきたい、と考えていること。 映画やドラ

          2021年11月WSテキスト