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赦しをくれる応援歌「シンビジウム」レビュー

2021年2月1日、富士葵の新曲「シンビジウム」がリリースされました。この曲は3月24日発売予定の富士葵2nd Albumシンビジウムの表題曲として、先行シングルカットされたものです。

特設サイトと「シンビジウム」のダウンロードサイトはこちら。新曲の購入とアルバムの予約をぜひお願いします。アルバムには豪華グッズが付いた特装版もあります。

「シンビジウム」を聴いてみた感想ですが、最初聴いた時に思ったのは「赦し」を与えてくれる曲だなと思いました。歌詞の「キミらしく咲けばいいよ」「前向けなくても良いの つまづいても良いの」などの言葉がとても優しく、心が弱っているときに寄り添ってくれるような曲です。

VTuber Fes Japan 2021の1月31日公演で葵ちゃんが「シンビジウム」を新しい衣装で歌ったのですが、その際にも「優しく背中を押してあげられるような想いで作詞しました」と語っていました。

歌詞全体の意味としては「キミらしくで良いんだよ」ということを語っているのですが、葵ちゃんが以前作詞した曲「MY ONLY GRADATION」にも「僕らしさ」というフレーズが出てきており、「自分らしく生きること」は葵ちゃんにとっても重要な意味があるのだと思いました。

この「シンビジウム」も応援歌だと感じたのですが、これまで葵ちゃんがリリースしてきた「エールアンドエール」や「MY ONLY GRADATION」とはまた違った応援歌だと思います。「エールアンドエール」は楽しく、「MY ONLY GRADATION」は激しく応援してくれるのに対して、「シンビジウム」は優しく応援してくれます。

またメロディもピアノやドラムが壮大な音を演出しており、映画のEDにかかるような豪華さを感じます。Aメロのピアノと一緒になっているチクタクという音や、1番のサビから合流するドラム、間奏の渋いギターソロなど、曲の後半になるにつれ様々な楽器の音が重なっていくのも、大きく曲を盛り上げています。

そしてラスサビ前に一瞬完全に無音になるのも、曲に緩急をつけており、その後に葵ちゃんの歌声と音がドッと畳みかけてくるのは息を飲みました。また曲の最後もピリッとした締め方をしており、最後の一音まで聞き逃せない曲になっています。

これらの歌詞とメロディを背負ってなお負けない葵ちゃんの力強い歌声も圧巻です。「エールアンドエール」の太陽を思わせる明るい歌い方とは対極の、夜と月を思わせる静かな歌い方です。サビの「どうか」と切なる願いを込めた優しい歌い方や、「行きたい今」の部分の安定した高音などは、さすがこれまで数多くの歌を歌ってきた葵ちゃんだと唸ってしまうレベルでした。

最後に「シンビジウム」という花の意味について少し考察をします。「シンビジウム」の花言葉は「飾らない心」「素朴」「高貴な美人」「華やかな恋」。「飾らない心」や「素朴」は普段の葵ちゃんを、「高貴な美人」「華やかな恋」は今回の紫を基調にした可憐な新衣装を身にまとった葵ちゃんを連想しました。

また「シンビジウム」の名前の語源はギリシア語の「cymbe(舟)」と「eidos(形)」を語源とし、その唇弁(ラン科植物にみられるくちびる状の花びら)の形に由来するといわれます。

現在公開されている「シンビジウム」のShortMVを見てみると、葵ちゃんは最後に海に向かって歩き始めます。これを船出と解釈するならば、「シンビジウム」の語源の「cymbe(舟)」や、歌詞の「どうか沈まないように」にかかっているのかもしれません。

今回この「シンビジウム」を聴いて、アルバムの表題曲を飾るに足る葵ちゃんの新しい応援歌だと感じました。現在公開されている曲名は8曲ですが、これらの曲がどんな曲になるのか、アルバムを通して聴いた時にどういう1つの作品のなるのか、今から楽しみです。

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