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木本大介の二流のプロフェッショナル「上池睦さん(知財塾 代表取締役)」

サマリ

【媒体】

【トークテーマ】

  • ラジオのきっかけ

  • 知財塾に入った経緯

  • 本業と副業の話

  • これからの人生スタートアップの中の人になった理由は?

概要

プライベートな飲み会がきっかけとなり、ラジオパーソナリティなんてものを務めることになった。

初回のゲストは知財塾代表取締役の上池睦さん。
この番組は、知財塾のチャンネルで発信する。
その発信母体の代表に最初の生贄になって頂いたw

上池さんは、知財塾だけでなく、サイボウズやSmart-IPも加えた三足の草鞋でプレイしている。
それぞれに与えられた役割や事業領域も異なるため、3重人格になっているのではないだろうか。

人格をどうスイッチングしているのか。
あなたはいったい何者なのか。
この先に見据える世界線は?

1年程度ではあったが人事責任者と知財責任者を兼務した自分にとっても非常に興味深い点だった。

トークテーマ

ラジオのきっかけ

知財塾のゼミ仲間と立ち上げた「チャリ部」(週末にカジュアルにロードバイクに乗る会)という部活動がある。

このチャリ部の新年会で盛り上がって、急遽、ラジオ番組を配信することになった。

運営の上村さんによると「木本の人間性がラジオ(音声媒体)に合う」ということだった。
正直、僕の人間性なんてものにそんな崇高な価値があるのかどうか分からないが、話をしたいと思ってくれる人が1人でもいるなら、今年のテーマ「いろんな人に会う」にも適合する。

何事もチャレンジであるし、「やってみるか」と思った次第である。

知財塾に入った経緯

彼は「運が良かった」という言葉を使っていた。

しかし、僕には「運が降りてくる場所にいた」ように見えた。

運を掴むのもまた才能である。

運が降りてくる場所にいること、運が降りてくるまでの間に準備できていること、そしてフットワーク軽く飛び込む胆力。

これらのものを上池さんは備えていたのだと思う。
三足の草鞋なんて、履きたくても履けるものではない。

本業と副業の話

上池さんは、本業はサイボウズ社、副業として知財塾&Smart-IP社と位置付けられていた。

僕は、社内副業的に知財責任者&人事責任者をやっていたことがあるが(彼とは同じ目線で語れないのは重々承知の上で)、副業の最も大変なのは、ポジションや仕事相手が変わる(しかも、仕事相手はこちらを「副業」としてではなく単なる仕事相手(専業の人と同じ目線)で見る)ことだと思っている。

この点、ポジション毎にスイッチの切り替えについて聞いたところ、「知財塾については、極力、細かいタスクは持たない」という話をされていた。

この「タスクは持たない」というのが、僕は苦手で、それを言い切る上池さんはしっかりと高い視座に居座る腹を括っているのだと感じた。

視座の肯定は、ポジションの優劣を意味するものではないが、視座の高い状態をキープするには、それなりに覚悟が必要である

これからの人生

上池さんは、自分自身のことを「飽きやすい」と評しておられた。
実は、この「飽き」という概念は、自分も最近強く意識していた。

強調しておきたいのは、「飽き」≠「やる気がない」ということ。
スタートアップや(おそらく)経営者の中で1人で責任を背負う覚悟で日々を過ごしていると、専門外の仕事がどうしたって目につく。

直感的に「このボールはオレが拾うべき」というフラグとでも言えば良いだろうか。

そんなボールを取るようになると、知らず知らずのうちに国境を越える(越境する)ことになる。

「飽き」とは、フラグの立つ領域が拡張した状態、はたまた「新世界に対する欲」と言えるのかもしれない。

多くは語らなかったが、わずかな時間で「飽き」の概念を共有できた気がした。

番組後期(番組で語れなかったこと)

タイトルに込めた想い

「二流」と「プロフェッショナル」は、一見すると矛盾や中途半端な印象を受けるかもしれない。

しかし、僕にとってはこの言葉は切っても切れない言葉である。
年始に書いたBlogでもそのことについて綴っていた。

3 二流意識
これは、ピクシーダストテクノロジーズのCOOである村上さんの言葉。

彼の言葉には惹き付けられるものが幾つもあるし、こっそりメモっていつか日めくりカレンダーにでもしてやろうかと思っているんだけど、現時点で最も共感性が高い言葉がこれだ。

スタートアップは、働き手の視点から見ると究極の「学びの場」であると思う。
スタートアップは、学びで溢れている。
ネガティブな状況ですら、というかそういう状況にこそ、たくさんの学びがある。
学びの精神(向上心)を持ち続けるには、自分より上(一流)の存在を認知することが必要だ。

もちろん、ただ学びに来るだけなら二流どころか三流ですらない(ただの学生だ)。

とはいえ、学びの精神を忘れて成果を出せる程、スタートアップは整っていない。

一流でも三流でもない、二流が最強。

弊Blog「2023年の抱負(バリュー)」>「二流意識」

NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組をご存知だろうか。
この番組では、最後に「プロフェッショナルとは?」という問いが出演者に投げかけられるのだが、深く印象に残った言葉が浦沢直樹さん(漫画家)のものだ。

「締め切りがあること。その締め切りまでに最善の努力をする人のことじゃないかしら。」

弊Blog「2023年の抱負(バリュー)」>「NHKプロフェッショナル 仕事の流儀」第38回

僕は、浦沢直樹さんの言葉を「制約下におけるBEST EFFORTを、引退するまさにその瞬間までやり続ける人」と解釈している。そのために、努力も能力もセンスも力も素早さも賢さも愛しさも切なさも何もかもを捧げる「情熱」と「覚悟」を持ち続けることが必要だと思っているし、それだけの熱量を注げる人と仕事したいと思っている。

そんなプロフェッショナルにオレはなる。

弊Blog「2023年の抱負(バリュー)」>「そもそもプロフェッショナルとは」

「二流」*「プロフェッショナル」という言葉にこだわったのは、まさに自分自身がこのバリューを再確認したかったからだ。

ラジオパーソナリティってオモロイ

そもそも、僕は自分の言葉を発しながら会話の流れに乗るタイプであって、「人の話を聞く」というタイプではない。

そんな人間がゲストから話を引き出すラジオパーソナリティなんて務まるのかと思っていたが、初回のゲストである上池さんの話は、僕と彼の交友関係を無視したとしても、聞き入ってしまう話の連続だった。

知り合って3年経つが、こうやって改まって話してみると、今まで知らなかった一面を知れるものだ。

「ラジオパーソナリティってオモロイ」と思う。

経営者とは

上池さんと僕の一番の差は「経営者」であるか否かだ。
僕には経営者の経験がない。

番組では、直接触れなかったが、彼の言葉の節々にその差を感じていたのは僕だけだろうか。

特に、「知財塾の中で起きたタスクはできるだけ持たないようにしている。それを持ってしまうと混乱する。」という部分。
僕は「混乱するまで持って、混乱したら乗り越える」というスタンスだ。
しかし、このスタンスは、ある意味で混乱を前提にしている(混乱を回避すべきものと捉えていない)。

「仮に自分が経営者になったときには、このスタンスは変えなければいけないのかもな。」

彼の言葉を聞いてふとそんなことを考えた。

謝辞

この番組は知財塾の運営メンバーとして、上村さん&ちざたまごさんの協力の下で作られている。

収録もさることながら、僕の知らないところでとってもラジオらしい耳障りに仕上げてくれた。

「せっかくだからいいものを作ろう」(許容範囲まで妥協しない)というスタンスでやってくれている。

各人が本業の傍ら(いわゆる手弁当)でやっているのだが、こういうスタンスの時間投資は、良い。

「そこまでやるならこっちも踊ってやろう」と思う。

これからどういう舞台を用意してくれるのか。
せっかくだからいい舞台を期待しよう。

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