【優秀な部下、小倉】パート②

と、言うわけでパート①に書いた通り、小倉が2番手候補に上がった。

余談になるが、2番手を明示しない組織運営方法もある。2番手3番手が拮抗していたり、競わせる方が良い場合などはその方が良い。

■小倉を知ろう。私を知ってもらおう。

私は、彼とのコミュニケーション量を意図的に増やした。彼の能力や考え方を知るために、逆に私を知ってもらうために。

公私ともに話題を選ばず様々なことを話した。
仕事価値観や、組織の運営方法、持論や、過去の女性遍歴、飼い犬のことも話した。

彼も野球にはまっていたこと、過去のチームリーダー経験で失敗したこと、成功したこと、現組織に感じること。

この中で、彼に関して重要なキーワードがいくつか出てきた。

▪マネージャーを目指していること
▪その理由が明確であること
▪その理由に利他的志向が含まれていること
▪学者量と内容
▪言語化に長けていること

彼は、過去に出会ってきたメンバーの中でも群を抜いていた。

自分が存在する意義や意味を言語化できるだけの知識量(学習量)、思考の深さは、この年齢で得られるものではない。あとは、「実」が伴えば、こいつが次の中核になると思った。

なんたって、自分がこの年齢のときは毎日が楽しければイイ!みたいに思っていた。誰かのためにとか、何のために生きているのかとか考えることは無かった。

このとき、組織No.2を任せようと決めた。

■任せてみよう

こんな高いレベルのメンバーだったので、初回のMTGで
「意志決定者は俺じゃない。」
「責任は取るから君たちが全てを意志決定しなさい。」

と、伝えた。
小倉以外にも数名の候補人財を交えたMTGで、To小倉、CC他メンバーという意図で伝えた。

相当に怖かったが、賭けだったが、任せることが彼の育成方法で最も効果的だと判断した。

とは言え、任せてみると言っても彼らは答えを持っていないため、大筋の方針と狙い方を伝えて、その方針を決めるに至ったロジックとフレームワークの使い方をそこから半年間かけて教育していくことになる。

■中林、田北も優秀だった

彼と同期入社で「中林、田北」という二人の男性メンバーが私の組織にいた。

彼らも優秀で、十分幹部候補と言えた。そして、彼らの存在は結果的に小倉が急成長していくドライバーになった。そして、彼らも劇的な変化を遂げていく。

変なライバル意識ではなく、彼らは互いを支え合う存在として機能した。ここに仕掛けは無かったが、これは次回以降に記載する。

「素養があるなら任せてみる。責任を取るだけ。」

VUCA時代に正解を見つけるのは難しいが、不正解はあると思っています。この選択を正解にすれば良いとだけ考えていた。

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