学校創っちゃた物語⑥-科学者育成に特化する都立多摩科学技術高校

前回のブログでは、東京理科大を取り上げた。その創設時のモットーは科学の知識で国の発展に貢献しようということであった。

その創設から約130年。歴史は繰り返すとの名の通りだ。都内に科学技術を身につけ高いクオリティの科学者を育成するための高校が誕生した。2010年開校の小金井市にある都立多摩科学技術高校である。

この高校、スーパーサイエンスハイスクールの称号は当然として。ともかく、校内の実験機器などの設備が出色だ。まだ、それほど出回ってない時代に、いち早く3Dプリンターを揃えていた。そのレベルの高さから、同校から卒業した大学生がわざわざ実験のために借りに来たりしたほどだ。

都立なので、誰が創設者ということはないが。初代校長は、なんと日産自動車から迎えた。東京都も味なことをやるものだ。

聞くところ、入学式では新入生代表が挨拶で、立派な科学者になると宣言もするようだ。というところからもわかるように、入学者は基本的に理系だ。中学では、科学オタクや昆虫オタクと言われた生徒も、ここではフツーの人だ。一度、人気アイドルが訪れた際にも、誰も騒がなかったことは有名だ。

生徒は途中で各自の専門領域に分かれて、卒業時には研究発表が義務づけられる。部活の花形は当然として科学研究部だ。

このブログで再三書いているが。これからの少子化時代の生き残りのキーワードのひとつが、特化である。この学校は、まさにそれを開校時から行っていた。結果、最初の卒業生から国公立や有名私大の合格者を輩出。少し前には東大合格者も出した。偏差値もぐんぐん上昇し、あるデータでは、開校8年くらいで駒場などと並ぶ都立3番手校にランクしているようだ。

まさに、セオリー通りに発展した学校だ。この学校は注目してよいだろう。



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