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わくわく「場」つくりデザイン手法とノウハウ!その2



「社員食堂・カフェ」で健康増進&働き方変革

社職員が、心身共に健康的に働ける職場つくりくは組合活動で大切なテーマの一つです。

今日は、「社職員の健康増進」を目的とした「社員食堂改革」と「働き方変革」について考えてみたいと思います。

まず始めに認識してしておくべきことは「健康的に働ける職場つくり」といった言い方をする事がありますが、「健康的」と「健康」とは意味が違うということ!

「健康的」とは「健康そうに見えるさま」であり、本当に心身共に「健康」であるかはわかりませんよね。

「健康」とは、『病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます』(WHO憲章)

「健康的」...ではなく、社職員の「健康」増進場として今「社員食堂」が注目され始めています。

特に、クリエイティブ志向の企業や組織における「社員食堂」の在り方が変ってきています。

元々、社食は社員の福利厚生の一環として設けられる傾向がありました。

社社員食堂の一般的なイメージは、安く、素早くそして手軽に利用出来る一方、昼時になると、多くの人々が長テーブルで入れ替わり立ち代りで喫食する光景は、決して、ゆっくりと会話を楽しめるものではありません。
また、味はそこそこで、とにかく空腹を満たして午後からの仕事に臨む「食場」となっている所が多いのではないでしょうか。

しかし、最近の先進的な社員食堂の空間は、単なる「食場」から「職場」そして「コミュニケーション場」へと、社員食堂の空間を「創造場」に変貌させて、社員の健康つくりと組織の価値創造力を両立させてゆく「健康増進&働き方変革」の重要なファシリティの一つとなっています。

また、経営視点でも、社職員の「食育」を通じ「健康経営」の実現を目指す、「ウェルビーング・マネジメント」に資するファシリティと捉える事もできます。

こうした問題意識のもと、社食空間を健康増進&ナレッジ空間に変貌させる「働き方変革」の取組を紹介します。

さて、皆さんがお勤めになっている組織に「社員食堂」はありますか?
「ある」場合、社員食堂はお昼時以外の時間帯にどれほど使われていますか?
社食は、食べ処!だけと思われていると、昼が過ぎれば閑散としてしまいます。

せっかくの空間が使われないのは「もったいない」と思われませんか!

社食空間を、食事目的だけでなく、インナーブランディング場として捉え、エンタテイメント手法を取り入れたワクワク空間のプロデュースにより、社職員の元気度を向上させて、楽しく喜びを感じながら仕事が出来る「場」に変質させる事が出来れば、社職員の健康増進にも繋がり経営者としても嬉しい筈ですよね。

私が考える社員食堂プロデュースコンセプトは、

『社員のモティベーションを高め、企業業績の向上に貢献出来る価値のある空間「場」とする。
そして、空間価値を最大化してゆくためには、社員食堂「場」が、社職員に無意識のうちに心地良さとワクワク感を感じてもらいながら、社員の健康維持増進に役立ち、社職員が担っている業務の円滑化と推進に役立つ知識・アイデア創造の場所と体感してもらう』

ことです。

具体的なプロデュースポイントは次の5点です。

1.「場」の雰囲気へのこだわり

2. 食(栄養)と味へのこだわり

3. 運営キャストへのこだわり

4. 社食空間価値の効果測定と運営収支

5. 社内営業とイベント企画

もう少し詳しくみてみますと、



1.「場」の雰囲気へのこだわり

食事をするところは、人間の五感(見る、聞く、触る、嗅ぐ、味わう)に心地良さを与えられる空気感、雰囲気造りへのこだわりが大切です。

人は、自分自身が体感する空気感や雰囲気で、その場の心地良さや違和感を感じます。第一印象で「いいね」と感じてもらえる演出が必要です。

例えば、
・気持ちの良い空間の広がり

・窓越しの景観

・お洒落で機能美を兼ね備えたテーブルや椅子、ソファなどの家具類のデザインと上質なマテリアル感

・空間の色彩バランス(壁面、家具、床、調度品等の色合いと調和)

・照明方式とライティング技法

・リラックスできるBGMと空間の香り

・美味しい食べ物

・運営キャスト
といったものです。

人間の感性に訴え、快適で心和む雰囲気を醸しだす仕掛けを創りだすことが不可欠です。

2. 食(栄養)と味へのこだわり

美味しい食べ物は誰もが喜ぶアイテムです。
ランチ時や夜の会には、懐石料理やフレンチが食べられる社食、寿司カウンターで本格的な握り寿司が食べられる社食、一流ブランドシェフの料理や行列のできる人気店の料理が楽しめる社食など、常識的には考えられないコンセプトで食の場を、食育視点と考慮しながらプロデュースする挑戦も大切です。

もちろん、通常はカレー、ラーメン、丼や定食といった手軽で安く食べれる定番メニューを揃えながらの事ではありますが。

また、ランチ時以外の時間帯には、香り高いコーヒーや軽食を提供し、あたかもスターバックスでリラックスしているような気分で仕事が捗る 場つくりをしています。

3.運営キャストのこだわり

社員食堂の厨房やカウンターで給食サービスを提供している方たちは、社食空間演出上大切なキャストです。

良い事例があります。ディズニーリゾートで働くスタッフはキャストと呼ばれ、どのような職務であれ(例えば清掃係りとか)お客様へのホスピタリティマインドを持ったエンターテイナーです。彼らは、おもてなしの心でお客様を夢の世界にお招きするパフォーマーなのです。

社員食堂で給食サービスを提供してくれる方たちには、社員食堂という場で利用者である社員を楽しませてくれ、また元気を与えてくれるホスピタリアンとしての役割を担っています。

彼らの笑顔とさりげない声かけは、利用者にとって気持ち良く食事を楽しめる雰囲気作りに効果的です。
キャストのチーム構成は、給食業務を委託会社の専管事項ですが、委託する側からの要望を伝えながらチームメンバーを選定してもらう事は可能です。

4. 社員食堂空間価値の効果測定と運営収支

社員食堂は、いくら社員間のコミュニケーションハブとして有用!といってみても、経営(会社)側からの視点では、設置コストや運営コストが組織活性化や社員のモティベーション向上により会社業績の貢献に見合うのかを計測する必要があります。

然し乍ら、このような計測は見える化が難しく、投資・運営効果を経営側に理解してもらう為には仮説設定したベンチマーキング比較や利用者からの評価を考慮した評価基準を作らねばなりません。

通常、社食運営は委託会社に、フルターンキー方式でオペレーションを任せます。つまり、厨房設備、機器類の初期投資並びにメンテナンス費用と場所コストは会社側が負担し、給食サービスの運営を委託会社が担う方式です。

委託会社にとっては、社員の社食利用率が高くなれば、売上も伸び利益を上げることができます。委託会社に適正利潤を確保してもらい、安定した採算の見込める事業にしてゆくことが重要です。

安定した採算性運営ができてくると、初期投資した設備費や運営費用の圧縮や回収機会も生まれてきます。
社食運営を所管している総務部は、委託会社と一体的に事業運営に深く関わる事が求められます。言わば、総務部は「社内社食事業の経営者」なのです。

5. 社内営業とイベント企画

社員食堂の利用率を上げる為には「社内営業」が欠かせません。
ランチ時の利用だけでなく、朝食時や夜のイベント、また週末の社外イベントや社員家族を招待するファミリーイベント、プロジェクトの打ち上げ慰労会、チーム懇親親睦会、ネットワーキングイベントなどの情報を集めながら、関係者に企画提案し、イベント等の開催につなげてゆく企画営業力も必要でしょう。

こうした活動は、委託会社の収益貢献に資することにくわえ、何よりも社員間の親睦やコミュニケーション促進、更には社員の会社への愛着を意識させるインナーブランディングにもつなげられます。

そしてもう一つ大切なポイント!

それは、ランチ時間帯以外にも気楽に利用できる風土つくりです。
よく聞く話は、昼時間以外に社食にいると「さぼっている」と見られるのではないか、という組織内スティグマへの不安感です。

喫煙者が一服していても「さぼっている」とは見られず、気分転換!的に見られますよね。
タバコを吸わない人が、一人で考え事をしたりリラックスしていると「さぼってる!」と見られがちな組織風土を変えてゆく努力も大切です。

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