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「エイジレス・ライフデザイン」の心得ノート その76.

「ダイアローグ」型コミュニケーションをバーチャルで行うテクノロジーと社会変革

オフィスや交流場での「リアルコミュニケーション」と同じように、バーチャル環境で「コミュニケーション」は可能なのでしようか。
コロナ猛威がまだまだ治らない中、組織社会では感染予防の為、出社制限が継続中です。
大手企業の中には、本社等で事務職に従事している社員は、原則出社禁止とし、今後も「在宅ワーク」が新常態のワークスタイルとなりそうな流れです。

組織側からすれば、オフィスのスペースコストやユーティリティーコストを削減でき、また、社員の通勤手当を圧縮できる等で「コスト」圧縮メリットを考えてしまう傾向があります。

一方、付加価値を生み出すのは「人」、言わずもがなですが、社員ほか従業員スタッフです。
「場」の理論で世界的研究者である野中郁次郎氏の「SECI*モデル」が有名ですが、人間がリアルに交わる機会が少なくなると、価値創造プロセスに悪影響を及ぼしかねません。

〈参考〉
* SECIモデル
(http://www.osamuhasegawa.com/seci%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB/より)

【共同化】Socializaiton
* 暗黙知から暗黙知へ
共同化とは、経験を共有することによって、メンタルモデル(認知的=精神的暗黙知)や技能(技術的=身体的暗黙知)などの暗黙知を創造するプロセスです。暗黙知を共有する鍵は“共体験”です。経験をなんらかの形で共有しないがきり、他人の思考プロセスに入り込むことは難しいとされています。

【表出化】Externalization
* 暗黙知から形式知へ
表出化とは、暗黙知を明確なコンセプト(概念)に表すプロセスです。暗黙知がメタファー、アナロジー、コンセプト、仮説、モデルなどの形をとりながら次第に形式知として明示的になっていくプロセスです。野中らは、このプロセスは知識創造の真髄であるとしています。表出化は、対話(ダイアローグ)・共同思考によって引き起こされます。その際、帰納法や演繹法といった論理思考も形式化の有力な方法論となります。

【連結化】Combination
* 形式知から形式知へ
連結化とは、形式知同士を組み合わせてひとつの知識体系を作り出すプロセスです。この知識変換モードは、異なった形式知を組み合わせて新たな形式知を作り出します。データベースとネットワークを用いて情報を体系的な知識へと変換することは、連結化の典型例です。

【内面化】Internalization
* 形式知から暗黙知へ
内面化とは、形式知を暗黙知へ体化(身体化)するプロセスです。行動による学習と密接に関連したプロセスです。形式化されたナレッジが、新たな個人へと内面化されることで、その個人と所属する組織の知的資産となります。

そこで、組織社会の経営陣は、ニューノーマル時代のバーチャルコミュニケーション環境下においても、SECIモデルを機能させてゆく『バーチャルコミュニティ「場」の共創』に有効投資してゆく事が不可欠です。

キーワードは
・トランザクティブメモリーシステム
・ナレッジワーカーの自律(自立)と自覚
・人財評価システム
・スペース・ポーフォリオ・マネジメント
・コミュニティのファシリテーター機能
・「場」の「意識」と「気」のプロデュース

そして、生き物である組織の本質を深く理解し、IoT ✖️DX ✖️ Smart Tech を横断的かつ有機的に、組織社会に実装してゆくアーキテクト&デザインが出来る『ジェネラル・プロデューサー』を養成してゆくことが喫緊の社会課題だと思います。

次回以降、一つ一つ解説してゆきます。

-続く-

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