『Happy Working 』をプロデュースする試み!

HLD Lab の活動も少しずつですが広がりが出てきました。

昨日は、ミャンマーでメディア活動をされている中川さんとの新たなご縁をいただきました。

いつも思うのですが、志を持って人生航路を切り開いている方々からは「元気」と「勇気」そして「希望」をいただけます。^_^

さて、今日はフランス大使館でのイベントで『ワークスタイルイノベーション』のお話しをさせていただくのですが、私が考える「イノベーションの核」となる「Happy Working」について綴ってみました。

働く人々が、心身共に健康で溌剌として仕事に集中し、働く喜びや楽しさ、そして人生の充実を感じられる『ハッピーワーキング』

複雑系の組織社会の中では「そんな事は理想論で夢のまた夢!」としか思われませんよね。

でも、その「理想」の希求をあきらめてしまうと、日本の社会は変革できません。

国が「働き方改革」の旗振りに動きだし、「健康経営」の推進やライフシフトに向けた法整備の見直し議論に着手している今こそ、企業や公共、団体・組合、教育機関等、組織社会で働く人々が、持続的幸福感を意識し得る『Happy Working 』への挑戦が必要と思います。

今日は、『Happy Working 』実現に向けた具体的な施策として、「感性マネジメント」とそれを支える「ソフトFM」についてお話しします。

まずは、「感性」とは何かを整理しておきましょう。

感性の源は「感覚」です。
「感覚」とは人間誰しもが持っている、所謂 "五感"と言われる、視・聴・味・嗅・皮膚感覚や平衡感覚、運動感覚、そして空腹感などの内臓感覚の事です。

それぞれの感覚システムは「刺激」を通じ、複合的に連携して多様に変化する環境に無意識のうちに対処しています。

「刺激」となる事象の具体例としては、

視覚: 物の形や色合い、人の顔や表情

聴覚: 雑音や音楽、会話や自然音

味覚: 美味さ(不味さ)、熱い(冷たい)

嗅覚: 良い香り、臭

触覚: 硬い、柔らかい
といったものです。
スペースの広さや狭さなども視覚の刺激になります。

これらの「感覚」は人間の生理的な機能により感じるわけですが、様々な「感覚」は「知覚」を伴い、結果、心の動きや意識に影響を及ぼす事になります。

そして、「知覚」は「感性」の源になり、「感性」は創造力を創発させる原動力になります。

組織社会に於ける「場」で働く人たちの「感性」を高め、コミュニケーションを誘発させて、創造的な「場」を構築してゆくには、クリエイティブワークを携わる全てのナレッジワーカーに対し、「感覚」への「刺激」が大切になります。

例えば、光色や光温度を考慮した照明演出、
環境音の音色、音量、音圧、雑音マスキング、BGM効果等、
そして、空間の色彩と知的香を漂わせて 閃きを覚醒させるきっかけを演出し、
身体に触れる椅子やソファなどの質感を考慮して、知的労働に適応した「心地」を提供してゆく事が大切です。

更に、健康の源である「食」を職場(社食)で『意識』してもらうには、美味しさの「味覚」を追及すると共に、無意識のうちに「食育」を仕掛ける「サブリミナル・マインドセット」の演出術が求められます。

さて、「感性」を別視点で考察してみたいと思います。

2004年に出版されたダニエル、ピンク の『ハイコンセプト「新しい事」を考え出す人の時代』で提起されているコンセプチュア社会に於ける6つの感性!

知性のみの「場」つくりではなく、感性を意識した「場」つくりを進めてゆくのに大切な視点であり、「感性マネジメント」を理解するたくさんのヒントがあります。

 ダニエル・ピンクによれば、「ハイコンセプト」かつ「ハイタッチ」な「感性」は6つあると述べています。

それは、

1.機能性だけでなく、「デザイン」
 商品やサービスにおいて、もはや消費者は機能的なだけでは満足できなくなっています。「同じ機能ならば、より優れたデザインの方を持ちたい」という人は多い。

 これからは、見た目も美しく、使用者の美的センスに訴えかけてくるものが好まれるようになります。

2.議論よりは、「物語」
 情報やデータの溢れている今日では、議論だけで人を説得することは難しくなっています。

 論理的に話すことはもちろん必要ですが、それ以上に相手が納得するようなストーリー作りが不可欠になります。

3.個別よりも、「全体の調和」
 「ハイコンセプト」の能力が必要とされていることからもわかるように、これからはバラバラな物を分析するよりも、それらを繋ぎ合わせ、新たなひとつの全体像を描く力が最も重視されます。

4.議論だけでなく、「共感」
 先ほど、議論には物語が必要とありましたが、それは相手の共感を得るためでもあります。

 反対に、こちら側が相手を思いやり、何が人々の心を動かすのか理解し共感することによって、人に支持されるものは作り出されます。

5.まじめさだけでなく、「遊び心」
 笑いや快活さ、ユーモアがもたらす影響は、仕事においても生活においても大きいもの。

 遊び心を取り入れることで人の感性に触れ、日頃から「利用したい!」と思わせることが可能になる。

6.モノよりも、「生きがい」
 物質的に豊かになったことで、人は物よりも精神的な豊かさを求めるようになりつつあります。

 何を提供するとしても、それによって人々が新たな目的を得られるのか、また、精神的充足は得られるのかという点に注目することが大切。

と言っています。
当たり前のことですが、日頃忘れている「感性」がリマインドされていると思います。

「機能」だけでなく「デザイン」
「議論」よりは「物語」
「個別」よりも「全体の調和」
「論理」ではなく「共感」
「まじめ」だけたでなく「遊び心」
「モノ」よりも「生きがい」

こうした考え方が、「人間の幸福」を最重視した「幸福働」の実現に繋がる「感性マネジメント」のコンセプトであり、これを実践してゆく手法を、私は人間の「感覚」に働きかける「ソフトFM」と呼んでいます。

ソフトFMの可視化ツールが「センシングテック」世界になります。
センシングの話は、次の機会に。

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