進化系「コミュニティ・オフィス」を考えてみるシリーズ   その13


パーソナル・インフォマティクスとライフ&バイタルロギングで働き方改革を仕掛ける意味

パーソナル・インフォマティクス(Personal Informatics) とは、「自己の投影と自己監視を目的とし、個人的に関連がある情報の収集を支援する一つの個人の「情報学」です。

このアカデミアの「知」を、実践オフィス空間「場」に適用することの意味は、働く人々が自立的かつ自律的に成長してゆくことを促し、ヒエラルキー組織での課題感でもある「2:6:2の人材能力ポートフォリオ」を改善してゆく「人財の高度化」に一石を投じることが出来るのでは!と考えています。

こうした取組が可能となってきた背景には、センシングデバイスと情報処理機器の小型化が進み,個々人の「生活体験」、「行動」や「健康状態」などを長期間記録・保存することが可能となってきたことがあります。

毎日の仕事や生活シーンは刻々と変化し、その時流の中で私たちは「生きていること」を実感しながらも、過ぎた時間の「自分情報」は殆ど記憶に残っていないのが普通ですよね。
自己を振り返る機会をリマインドすることで「人生時間」や「仕事時間」を見つめ直し、仕事の能率や働く意識を呼び起こして、簡単かつ便利に自分情報を入手できる手法が「パーソナル・インフォマティクス&ライフ/バイタルログ」の考え方です。

アップルウォッチやFitbit、MEME,Muse...といった様々なセンサーデバイスとアプリは、働き暮らす人々の日常生活の膨大なログを自動的に記録してくれます。
この機能をワークプレイスとソーシャル・プレイスに実装してゆくことで、ウェルネスワークプレイスの「場」つくりと、人財の自律(自立)化に繋がると、私は考えています。

但し、このサービス利用には必ず守らなくてはならない事があります。
それは、組織社会で働く人たちのプライバシーを「監視」したり、「管理」に繋がる使い方は厳に慎まねばならないことです。
斯かる情報は、あくまで働く人々個々人にフィードバックされるべきとの倫理感を組織側は意識することが大切です。

-続く-

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