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『エイジレス・ライフデザイン』の心得ノート その31 「能率」と「効率」の視点だけで「働き方」を考える不合理!

組織社会で働く全ての人々、つまり、定型業務労働者や知識労働者といった区別を越えて、何らかの付加価値を生み出す「仕事」に従事している人たちの「働き方改革」とは、「能率」と「効率」を意識したバランスのとれたワークスタイルを目指すものだと思います。

組織社会で働く一人ひとりが、自分自身で「ワーク・デザイン」ができる環境整備や制度の見直しを雇用者側が改善努力し、被雇用者も能動的に働く意識を変えてゆく努力が必要です。
キーワードは、仕事の「能率」と「効率」です。

言わずもがなですが、「能率」とは、"一定時間内にできあがる仕事の割合、仕事のはかどり方"のことを意味し、一定の時間(通常は仕事時間と看做されでいる勤務時間) に対する仕事量や達成度を認識する概念です。

一方、「効率」とは、使った労力・役務や、投じた資金に対して得られる成果の割合を認識する概念です。主には、投下コストに対するリターン「投資対効果」として認識されるものです。

誰もが、言われれば「当たり前」と知っている事ですが、仕事の現場ではなかなか「能率」良く「効率的」に仕事をすることは簡単ではないですよね。

何故でしょうか?

私は、日本の組織社会独特の「風土」にあるように感じます。

私たちは、それぞれの事情と環境の中で「人生」を生きています。
仕事は心の糧でもあり、生活を豊かにできる経済的手段でもありますが、仕事中心の意識が強くなり過ぎると、家庭生活や自分自身の時間は何時も後回しとなり、暮らしの潤いや、幸福を感じるゆとりさえ持てなくなってしまいます。

今の日本の組織社会の風土に共通することは「組織スラック」が無いことです。
つまり、本来あるべき「人的資源のゆとり」を、間違った解釈(効率化という名のもとで)で「人材の余剰」と捉えてしまう傾向がたあります。

雇用者にとっては、「成果は大きく人的資源(コスト?)は効率化!」その結果、働く時間が増え始め不幸な事態を招く事にもなってしまいます。

私は、「効率」や「能率」だけでは組織は生きてゆけるとは思いません。

人間の持つ力を最大限に発揮できる「風土」つくり、そして、その風土の中で価値創造に邁進できる心理的に安心・安全な「環境」つくり、更には、パンデミックなどの非常事態でもサスティナブルに社会活動が継続できる「知恵」と「工夫」がなければ、組織社会は持続してゆけません。

『エイジレス・ライフデザイン』とは、組織の労使一体となって進めてゆく「風土改革」ないし「意識改革」そして「社会改革」ともいえる概念です。

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