コミュニティマネジャーのスキルアップ講座 第1回 「共感」と「感動」を演出する幸福マネジメントの実践!

このシリーズでは、コミュニティマネジャーを目指す方々にとって必要な実践知識とノウハウをお話ししてゆきます。

まずは、コミュニティと組織の違いを整理しておきましょう。
コミュニティは、それぞれの想いや思惑を持って集まっている人間集団です。
組織とは、明確な目的と責任を持つ人間集団です。

組織はミッションを持ち、集団統制のガバナンスの枠組みがあります。そして、風土や文化を醸し出し、そこに帰属する人は「仲間」意識を持ちながら、合目的的な活動を行なってゆく「人間集団」と言えます。

一方、コミュニティは、組織のような枠もなく、ゆるい目的や想いを持つ人間の「集合体」的な「人間集団」です。

今、コ・ワーキングオフィスが流行りですが、そこに集う人たちの繋がりを演出する「ファシリテーター」役の『コミュニティマネジャー』のスキルの巧拙が「コワーキング・コミュニティ価値」を決定します。

斯かる重要ミッションを持つ「コミュニティマネジャー」は、「感動・共感の場つくり」の演出術を、身に付けておく事が大切です。

私たちは、喜びを感じられる仕事、面白い仕事、ワクワクする瞬間を楽しめる仕事ができると、達成感や満足感を感じるものです。

そして、働く人々の多くが充実感や満足感、更には達成感や幸福感を味わえる頻度を高め、働く人々同士が共感し、働ける喜びや誇りを感じられる時間・空間を創り出す事!
それが「感動・共感マネジメント」とも言える幸福「場」つくりのスタイル!と私は考えています。

「感動」とは、情動を揺り動かす心の現象であるとともに、期待や予測していたことを越えた何か!言い方をかえると、予想外価値を与えてもらった時に感じる「サービス価値」でもあります。

「えっ、うそー!こんな事して貰っていいの?」といったものです。
予想外価値は、当事者に対する能動的なサービスから生まれるものであり、この「感動」を与えられるサービスを提供するには、対象者の望みを知るだけではなく、対象者の「気持ち」を掴み取る事が必要です。

対話の中から望みを知り、さらに個性を観察しながら「心」を読む事で感動を与えられるサービスが提供できます。

感動体験をした人は、予想外サービスをしてくれる企業や組織に対しブランド価値を感じ「ここで働きたい」「もっと貢献したい」「○○さんの為に頑張りたい」....といった思いを持ってくれる可能性が高くなります。

そして、「共感」とは、他者と喜怒哀楽の感情を共有することです。
「共感」という感情は、通常、人間特有の本能であり、健常者であれば誰にでも備わっているものです。「共感」は人同士の絆を繋いでくれるものです。
共感性は友情を生み出し、人間の心の距離を近づけてくれます。

コミュニティの中で「共感」を演出し、「感動」を呼び起こす事により、メンバー間の心の絆が醸成されて、コミュニティが活気を持ち始め躍動するようなります。
コミュニティマネジャーが推進主体となり実践する事 が大切です。

このミッションを担う場合、コミュニティマネジャーは、人間社会やコミュニティ社会に対する「洞察力」と集団行動に対するエスノグラフィックリサーチ力とも言える「観察眼」を養っておく事が求められます。

言うまでも無い事ですが、コミュニティは、会社ではありません。謂わば、他人集団です。

人には他者を寄せ付けない「自己領域」がありますが、趣味や話題に話の合う集団、利害理念が一致する職業的な集団、恋人や夫婦あるいは本能的な欲望や快感といった自己領域を共有する事が出来る(と思い込める)他者に対しては、自己領域の境界が薄れ、心を通じ合わせたり信頼感が生まれてきます。

このように他者意識を緩和し「触媒」となり得る仕掛けの具体例として、イベント開催やシェアハウス型暮らし時間の演出を行うのが有効です。

コワーキングスペースで過ごす人たちが、「他人顔」ではない「人間顔」をお互いに「知る」機会を創出するのです。

お互いを知れば「情」が生まれます。

「情」を感じるようなれば、心の「絆」ができる素地が醸成されてきます。

そして、その「絆」を育てる栄養素が「共感」であり「感動」です。

「絆」が広がりを持つと他人同士の中に「連帯感」が生まれ、連帯感は「仲間意識」をつくりだします。
そして、「仲間意識」が結集する事で「コミュニティ価値」が高まってゆきます。

次回は、イベント開催の仕掛け方とシェアハウス型暮らし時間の演出術についてお話しします。

-続く–

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