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「エイジレス・ライフデザイン」の心得ノート その87 「エンゲージメント」指数を高める『ロイヤリティ』の醸成

最近、「ロイヤリティ」や「愛社精神」という言葉を聞く機会が少なくなっています。

「終身雇用制度」が一般的だった時代(今もまだ多くの大企業は制度を続けていますが)、日本の社会では、「滅私奉公」すれば、企業等組織が、社職員個々の「人生」を庇護してくれる!との思いがありました。

「給料」を受け取り、安定した生計を維持向上させながら、手厚い福利厚生制度と退職金制度等により、「仕事人生」は順風満帆であるはず、と思っていた時代。
その頃は、会社への「ロイヤリティ」を象徴する「愛社精神」なる言葉がありました。

「愛社」とは、終身雇用制度が普通であった日本社会の伝統的意識の一つです。
今でも、教育時期を経て大企業等に「就社」してから、定年になるまでの人生時間を同じ組織に身を置いて働く方々が多いのではないでしょうか。

しかし、大企業や大組織では、50歳を過ぎる頃から体良く一線の仕事を後進に譲るシステムが出来上がっており、定年制度で決められた年齢(今は65歳まで引き上げているところもありますが、かつては55歳が定年とされていた時代もありました)まで、充実感を持って働けるのは、「出世」した一部の「優秀」とされる方の特権となっているのが現実です。

「終身雇用」と言われますが、組織社会側の理屈で「定年満了」まで安定した経済基盤を維持できるとは限らない事を、雇われる側である「労働者」は認識しておく事が大切です。
エイジレス・ライフデザインの基本的な心得でもあります。

日本の多くの企業等組織では、毎年4/1に「新卒社員」が「就社」してきます。

希望していた大手有名企業に「就社」できた人は、会社のブランドを誇りに感じ期待に胸を膨らましているでしょう。

一方、社会の洗礼を受けて希望が叶わず不本意な先に「入社」した人も、「就社」できた事に一応の納得感を持ち、社会人としてのスタートを切る人も多いと思います。
また、希望が叶わず、所謂正社員として採用されなかった人達の中には、自分磨きに努力しつつ、次の機会を待っている人もいるでしょう。

大手有名企業の中には、正社員をベースとした終身雇用制度を採用している伝統企業がまだまだ多く存在します。

そうした企業で働く社員は、会社に人生を委ね、会社が一生社員の生活を支えてゆく企業文化があり、会社と社員間の連帯感を強め、企業の活力を支えてきました。
企業が人を育て、その企業で育った人達は「愛社精神」を意識し、伝統的な組織風土や文化を継承しています。

一方、雇用形態が多様化し、正社員のステータスに拘らず(思いはあれど望み通りにならない場合もあるでしょうが) 有期雇用の契約社員やアルバイト社員、乃至、派遣社員等、所謂、非正規雇用社員が職場を支える革新的な企業も増えています。

こうした企業において、それぞれのステータスで働く「社員の想い」は様々で会社への帰属意識もまちまちです。

「愛社」意識をもつ人は少ないかもしれません。

私は、全ての社員が同じ職場(会社)で働く喜びと誇りを感じ、一人ひとりが企業文化の担い手となり、働きやすい職場創りと風土を改革を仕掛けてゆく活動である「ソーシャル・インナーブランディング」の巧拙が、働いている人々の「就社期間」を充実させられるか否かにかかっていると思っています。

インナーブランディングとは、伝統企業であれ、若い企業であれ、「場」を通してそこで働く社員一人ひとりが、自分達の働いている会社や組織に誇りを持ち、働く喜びを感じ、会社にコミットメントする意識「愛会社精神」を促す活動です。

でも、これからの時代は、生涯一社だけの仕事人生を送る人は少なくなるでしょう。
私たちは「組織に雇用」されている期間だけを「愛社精神を持って働く」のではなく、人生時間の中で、社会との繋がりを生涯全うしてゆく生き方が大切な時代となります。
ライフシフト人生!です。

「愛会社精神」から、社会目線での「愛社会精神」を意識して、高齢者の方々も元気に生涯現役を果たせる「社会つくり」こそが求められています。

私たちが、社会へのエンゲージメント指数を高める「ロイヤリティ」を向ける先は、「人間社会」であるべき!と考えながらHLDLabの活動をしています。

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