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体系的「場」つくり理論シリーズ その14心的イメージを覚醒させる刺激特性


「場」の設計と構築にあたり、働く人たちの「働き心地」を良くする心理的な要素の一つである「快感」に関する「覚醒ポテンシャル理論」を応用した「場つくりを紹介します。

この理論は、「人間は単純過ぎるものには快感を感じないが、複雑すぎるものには不快感を感じ、その中間に快感を最大にする覚醒ポテンシャルが存在する」というものです。
そして、快感を高める変数として、
「複雑性」
「新奇性」
「不明瞭性」
「曖昧性」
「驚愕性」
「不協和性」
そして
「変化性」といった"刺激特性"を挙げています。

「場」創りの要素と読み替えてみると、様々なアイディアが浮かんできます。

刺激特性をバランスよく「場」の中に散りばめながら、クリエイティブ仕事をしているひとの「感性のエッジ」を研ぎ澄ます試みも面白いと思います。

以下は「知性と感性の心理」の研究者の言葉です!
『感性研究に求められているものは、...(中略)..明示されていない情報や暗黙知に基づいて人間が採る適切な措置(たとえは、ヒューリスティック)や、感情・印象をともない、個人差・状況差を含んで行なわれる直感的な感性判断など、人間の多様な情報処理の在り方に目を向けることであり、それらの背後にあるメカニズムの検討を通して、人間の認知のあり方の理解を深め、豊かで暮らしやすい社会のあり方を考えてゆくことにあるだろう』
とのこと。

私が挑戦している日本を元気にする「場」創りのシナリオには欠かせない学術的知見です。
「心的イメージ」は、内的表現の一つの形態で、「心像」あるいは単に「イメージ」と呼ばれるものです。認知心理学では、「心的イメージ」は一般的に『現実に刺激対象がない時に生じる擬似知覚的経験』と定義されています。
偉大な科学者の歴史的発見にもイメージが作用しているエピソードもあります。
例えば、アインシュタインの相対性理論の基本構想は、自分が光線に乗って旅するところを視覚化する思考実験を繰り返してゆく中で直感的認知思いついたと言われています。
また、ワトソンとクリックのDNA二重螺旋構造の発見は、夢うつつの中で見た視覚イメージが元になって生まれたといいます。
アスリートがイメージトレーニングで運動能力を上げるといった話もイメージの力を示すものです。

私たちも日常の生活の場で、実際に体験していないのに体験したかの感覚を感じることは誰もが経験しています。
具体的には、思考イメージ、空想、白昼夢、残像、回帰像、直感像、幻覚、夢....といったものです。
最近話題のVRによるシュミレーターは、擬似体験とはいえ、現実的な世界を体感することもできます。
クリエイティブ仕事に携わる人たちは、現実世界及びバーチャルでの体験や経験を元に、「イメージ」を膨らませて創造的活動を行っています。

FM総務のミッションは、創造者たるクリエイティブワーカーたちが「イメージ」を膨らませることが出来る「場」を整えることです。
物理場の環境も大切ですが、ICTの技術」メタバースを導入したバーチャル場の設計思想をしっかりと構築することが重要です。
視覚イメージサポートには、デジタルサイネージやVRやAR、MRさらにはXRなどが有効です。
聴覚サポートにはハイレゾ音源をうまく組み合わせたヒーリング音楽なども有効です。

「イメージ」世界を拡張させる「場」の仕掛けに有効と思われるのが、メタバース空間技術を活用した時空間創出手法です。
リアルなアバター(表情や視線、雰囲気を醸し出す技術もで始めています)が動き回るのも面白いメタバースですが、メタバースの本意は奥深い人間の意識空間と、創造的交流時間を非同期的に生み出してゆく「心的イメージ」を覚醒させることができるデジタル演出場『ソーシャルプラットフォーム』です。

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