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体系的「場」つくり理論シリーズ その1「場」つくりのエンジニアリング!


このシリーズは、私が取組む『「場」つくり』の意味と意義を体系的に整理してゆく試みです。
少し専門的な話もありますが、わかりやすくお伝えしてゆきます。

第一回目は 「人間工学」「感性工学」「認知工学」「空間・環境デザイン工学」を応用した「場」のユーザビリティを考えてみます。

「場」つくりエンジニアリングとユーザビリティ!
ワクワク幸福「場」の演出に必要な基礎知識の一つです。

私たちが、知的創造活動を行う上で利活用している「道具」たる椅子、机、PC、電話...等の「使い心地」、つまり「ユーザビリティ」を追求するエンジニアリングが「人間工学」の世界です。

例えば、一脚20万円以上もするオフィスチェアへの投資を『「ユーザビリティ」を高められれば、人間の知的創造活動が活性化し、知的生産性向上に繋がる!』との仮説を立て、企画提案をした場合、立ちはだかる壁は、

「椅子などは安い簡易なもので十分!そんな無駄金を使うな!」
との経営からの突っ込みです。

「ユーザビリティ・感性と生産性の相関」を、納得感あるストーリーで説明・説得する事が出来なければ、「ユーザビリティ改善・感性投資企画」は絵に描いた餅に帰してしまいます。

でも、これを立証するのは中々大変です...よね!

そこで、経営に対し「ユーザビリティ」の価値や「感性投資」の意義を納得してもらう(説得ではありません)にあたり、「人間工学」の視点に加え、「認知工学」や「感性工学」そして、「空間・環境デザイン工学」などの分野も織り交ぜてストーリーを作り上げてゆく手法が有用です。

先ずは、知識の整理をしてみましょう。

「ユーザビリティ」には、3つの側面があると言われています。

1. 機器等の操作すなわち「人間の出力系」に関係した側面

2. 機器等の認識すなわち「人間の入力系」に関係した側面

3. 機器等操作にまつわる「人間の内部状態」に関係した側面

要は、「操作性」「認知性」「快適性」ということ。

これら三つの問題に関連した研究領域として、「人間工学」「認知工学」「感性工学」「空間・環境デザイン工学」などがあります。

「人間工学」は、環境物理的な体感を軸とした研究分野、「認知工学」は、人間の記憶や判断などのプロセス処理や情報処理ループ全体をも扱うもの、そして、私が今最もこだわりを持っている領域が「感性工学」です。

「感性工学」とは「感性」「感性情報」そして「感性情報処理」を扱う学問分野です。
「感性」とは、人間が感じる「美しさ」「心地よさ」「面白さ」そして「楽しさ」などポジティブな情動、つまり「心の働き」の事です。

感性情報とは、人間のポジティブな情動が湧き起こる刺激となる「情報」です。
そして「感性情報処理」とは、感性情報を集め、作り、作り替え、蓄え、伝えるシステムの事とされ、要は、「感性工学」とは、人間の「心のフィット感」をいかに捉え具現化してゆく研究分野と言えます。

更に、「空間・環境デザイン工学」は、より広い視点から、自然環境に人工空間・環境をデザインする複合工学として、人間の暮らしを豊かにする基盤創りを担っています。

こうしたアカデミア研究で検証・実証されてきた価値ある理論や知見を、実務家である総務FMプロフェッショナルが、実践場に則した理論の応用と学際知の結合により「実践知」を深めてゆくことが大切です。

私は、こうした努力の積み上げにより「ユーザビリティや感性投資と生産性との相関」を説得力ある考え方やストーリーに仕立て上げ事が出来るようになると考えています。

人間工学(身体のフィット感)+感性工学(心のフィット感) の融合で「場」のフィット感を演出してゆく「居心地クリエイター」!

そして、こうした目に見えない「価値創造」要素を、誰もが理解出来るような平易な言葉や概念で伝えてゆく仕事も「戦略的クリエイティブ総務」の範疇です。

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