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進化系「コミュニティ・オフィス」を考えてみるシリーズ   その10


ポジティブ心理学や幸福学をベースとした、人間の幸福意識(わくわく)に溢れた「場」つくりと持続的運営の実際

私がデジタルエンタテイメント企業組織での「総務部長」の立場であった時に、本社オフィスの移転プロジェクトに携わる機会がありました。

元々金融の世界で仕事をしてきたキャリアでもあり、自身としても初めての経験でした。
でも、この時の経験が、その後の私の人生を大きく変えてゆくことになります。
その話は別の機会に譲るとして、移転プロジェクトについてお話ししましょう。

当時(2007年頃)は南新宿にオフィスがあったのですが、手狭になって来たことに加え、合併後の組織を交流活性化を念頭に「社員を元気に」をミッションとした取組みをしていました。

古いオフィスでは限界もあり、経営に本社オフィスの全面移転を提案して,5年の期間を経て新オフィスに移転しました。

ここでの経験こそが,今の私の活動の原点となっているのですが、クリエイターを元気に!
を合言葉として「感性・五感投資マネジメント手法」と”自称”している「場」つくりメソッドを構築し、結果的に「人々の行動変容」と「組織の価値向上」に繋がる経験をしました。

当時、「クリエイティブ・オフィス概念」を再定義して、クリエイティブワーカー主体の組織において、いかにして、働く人々の「モティベーション」と「エンゲージメント」を高め、幸福意識(わくわく)に溢れる人間「場」つくりをしてゆくか!を考えました。

私自身は「オフィス学」の研究者ではありませんが、振り返ってみると、実務を通して「オフィス関連学」や「デザイン学」、そして「感性・知性工学」「人間工学」などの領域に加え、「情報関連学」や「脳科学」「大脳生理学」「ポジティブ心理学」といった、「人間科学」領域を統合させた「人と場エンジニアリング」を実践していたように思います。

特に、こだわりを持った観点と視点が、人間「感性」と「オフィス空間環境」との心的相関性の解明試行、並びに「知性空間」の中での、人間「個」の暗黙知を表出化させてゆく「トランザクティブメモリーシステム*」を「場」に実装する試み、そして、組織の人間関係とコミュニティ間の意識交流とコミュニケーションを、「リアルオフィス」と「バーチャルオフィス」のハイブリッドスタイルで実践試行してみることでした。

少し難しい話しかもしれませんが、具体的に話を進めてゆきたいと思います。

*トランザクティブ・メモリーとは「誰が何を知っているかを認識すること」。組織内の情報の共有化で大事なことは、組織の全員が同じことを知っていることではなく、「組織の誰が何を知っているか」を組織の全員が知っている概念。

-続く-

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