平林

新しい仕事が始まりました

出口庸平

大阪木材業界の今昔

 先週から大信製材株式会社に出勤しています。まずはお客様や大阪の木材関係者にご挨拶し、顔を覚えてもらうことから。たくさん名刺を配りました。ご挨拶させていただいた方の多くはご年配で業界の高齢化を感じます。70歳を超えてもまだまだ現役、皆さん大変お元気です。その方々から、木材業界の変遷を聞きました。昔はなぜよかったか、今何が難しいのかを的確にとらえていらっしゃるので大変勉強になります。

 過去(50年くらい前かな…?)の木材ビジネスを非常に単純化すると、木材が豊富な東南アジア等の国々から安い材をたくさん仕入れ、高値がつく頃を見計らい国内で売る、というもの。社会科の教科書でみた東インド会社が、コショウでやったビジネスです。昔は、東京・名古屋・大阪あたりしか丸太を受け入れられる港がなかったため、大阪でこのビジネスをする優位性があった。しかし、今では現地で製材されたものがコンテナ単位で運ばれてくるので、貯木場など大型施設が整備された港でなくても受け入れられる時代に。今は大阪というエリアの優位性が全くないのです。じゃあ場所を変えればいいかというとそういうわけでもなく、過去ほど需要に力強さがない今は同じモデルが成立しません(このモデルで優位性を追求するためには規模を追わないといけないから)。新しい需要を開拓し、異なるモデルを展開しなければならないと感じました。​


仕事を手伝いをいながら、会社とは何か?を考える

 今は見習いの身なので、工場での加工作業を手伝っているレベルです。フォークリフトで荷物を動かしたり、機械の扱いを教えてもらったり、製品の検品、荷造り、掃除など……これまでの営業の仕事とは全く異なる毎日です。自社製品を一つ一つ大切に検品しながら、改めて考えたのは「会社とは何か?」ということ。

 我が社は今、木材製品をオーダー通りに加工し、納めるビジネスをしています。当たり前の話ですが、社会からの要請があるうちはビジネスが成り立ちますが、要請がなくなれば続かない。そう考えると、会社とは、どんな規模であっても社会の公器であることを忘れてはならない。アダムスミスが『国富論』や『道徳感情論』で伝えたかったことも、そういうことじゃないかと思います。社会の公器であり続けることこそが、持続可能な組織である唯一の方法であるならば、どのような要素が企業に必要なのでしょうか。

 あれこれ考えましたが、今のところ私は、以下の3つがバロメーターになると考えています。①多くの顧客に選ばれ利益が出ている(顧客の視点)、②同じ機能を提供する会社が他にない(競合の視点)、③社員が働きがいを持っている(社員の視点)


①多くの顧客に選ばれ利益が出ている(顧客の視点)

 最も根本的なバロメーターです。顧客の数が多ければそれでよいのかというと、そういうわけではないですが、顧客数が少ないのは問題です。数社としか取引をしていなければ、社会の要請ではなく特定の誰かからの要請に応える組織になり、その特定の誰かさんの都合に左右され、結局持続可能ではなくなるわけです。また利益がしっかり出ていることも大切。業界の重鎮たちと話をし、改めて感じるのは社会の要請は変化するということ。社会の要請に合わせて提供価値を変えなくてはいけません。そのためには投資が必要で、利益率が低ければ再投資ができず、要請に応えられなくなります。


②同じ機能を提供する会社が他にない(競合の視点)

 ①につながる要素になりますが、あまたある企業の中から選んでもらうためには、なぜ当社なのかが、明確でないといけません。要するに「他社との違い」です。似ているとか違っているとか、線引きが難しいですが、少なくとも自分の得意なこと、当社にしかできないことを自信をもって発信できなければならない。エリア性、扱える部材、規模、スピード、価格……独自性や優位性がなければ、選ばれ続けることは難しいと感じます。


③社員が働きがいを持っている(社員の視点)

 社会の公器を構成するのは紛れもなく人、社員です。キラキラ輝く頑丈な器なのか、それともひびが入って水が漏れるような器なのか。社会から選ばれるためには器の在りようも大切で、働く社員が楽しんでいなかったり、不仲であれば、そもそもそんな器は不要です。どんな単純作業でも、やりがいは見出せる。大切なのは、その行為が何につながるのかを社員自らが理解していること(目的)と自身の意思で行動していること(自主性)。ただただレンガを積むのではなく、教会のレンガ積みをやっているんだという自覚。また誰かから「教会のレンガを積め」と指示されてやるのではなく、自らの意思でやることです。この2点が重要と思います。


 まだまだ駆け出したばかり。リフトの爪から製品を落として、こっぴどく怒られる始末ですが、志は高く、楽しんで、これからも仕事に打ち込みたいと思います。

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