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New single "squall"について


こんにちは。


個人名義としては3年ぶりにsingleをリリースしました。

今回はデジタルリリースのみになります。


今日はこの"squall"という曲についてと、制作の過程のお話をしようとおもいます。


・Squallという曲ができた過程

この曲はたしか今年の5月の頭頃。

一緒に景色と情景という企画をやっているSSWの伊々坂友秋くんに触発されて、新曲をどんどん作り続けている時でした。


僕がギターで曲を作る時の場所は決まって公園です。

まだ今よりも少し涼しかった頃、夕方の光が丘公園(練馬区の公園)のベンチでギターを鳴らしては寝転び、ボイスメモを録っては寝転びを繰り返していました。


確かこの時は翌日のライブに向けてなんとか曲を作りたいという気持ちがあって、焦ると絶対に曲ができないからなるべく自然に時間を過ごすよう心がけつつギターを鳴らしていました。



すると、ふと去年の石垣島の船旅を思い出しました。


船旅の情景から、なんとなくCのmaj7系のイメージが浮かんだのでギターで鳴らし始めます。
(100曲以上作ってきましたが、なんとCキーでの作曲は初めてです)


東京に来てしばらく経つけれど、思い返せば今まで色々な事がありました。

意図しないことが突然起こって辛い思いをしたり、させてしまったり。


でも当時は気が気でなかったようなことも、今思うとそれは一瞬の出来事で、意外とそのおかげで今がある部分もあって。



そういった「意図しない出来事」というのは、今という時間のチャンネルに合わせると常にリアルタイムで起きています。


それは、気候と同じで絶対にコントロールはできません。


船旅を思い出しながらも、だんだんそんな歌にしようと思い始めました。




しかし、どうもうまくいかない。

やっぱり僕はCのキーを扱うのがとても苦手で、いっそ全く違う曲を作ろうかと考えているその時でした。


突然、知らないおじさんが同じベンチに座ってきます。


「俺は、この公園でそれはもう数々のミュージシャンと話をしてきた! 君も僕と話をしよう!きっと学びがある!」




文章にすると気のいいおじさんですが、なんというか、うまく言えませんがかなりモヤモヤする空気を纏っていました。 

僕は

「ははは。そうなんですね。ありがとうございます!
でも僕明日までに曲を作らないといけなくて!
ごめんなさい!」


するとおじさん


「どうぞ、作ってください。でもね、僕はここを動かないし、君と話をするよ、気にしないで。」


ずっと奥に隠していた焦りも手伝ってか、僕は完全にプチンときてしまいました。


僕「すみません!明日ライブでやる曲を今必死に作ってるんです。中途半端なことしたくないので、ごめんなさい!」


おじさん「邪魔ってことか。でも僕は絶対にここを動かないよ。」


怒りが頂点に達した僕は、ギターを起き、真っ直ぐ座っておじさんの目を見続けました。何を言われてもずっと。目だけを。

すると、


「そんなんじゃ君は一生学べないよ!もういいよ!」


そう言って去っていきました。


イライラしていた僕は、ギターには本当に申し訳ないことをしましたが、荒々しい手つきで作りかけの曲をジャーーンと弾き始めました。

あまりに腹立っていたので指板をちゃんと見ていなくて、Cmaj7ではなく、Dmaj7というコードを鳴らしてしまいました。



と、当時に空白だったピースが埋まる音がしました。


「突然の雨」


この歌詞に雨の湿気が纏わり付きました。


こうして、「Squall」という曲が完成しました。


・音源制作への過程


随分音源を作っていなかったのですが、それには訳があります。


ギターやピアノで曲を作っていると、どうしても性格上その弾いている楽器で成立をさせようという頭になってしまいます。

「弾き語り」という体形が自分に根付いている証拠ですね。


なので、音源を作るにも、他の楽器をどう入れるかがイメージしにくかったりします。なので、客観的にアレンジをしてくれる人がいるといいのですが、反面どんどんこだわりが強くなっていき自分の曲をそう簡単には委ねたくないという気持ちもありました。

それに、その自分の求める熱量に全力で応えてもらうには、やはりたくさんのお金や時間が必要です。

それにどうしても共有事項はふえるし、今は景色と情景という企画に頭を集中したいので、僕の性格上は得策ではないな、という判断でした。


この「Squall」という曲は、アコースティックギターで作り始めたにもかかわらず、脳内ではいろんな音が鳴っていました。

最初からなんとなくの理想系があったわけです。



・全ての楽器演奏とMIX、Mastering


正直、全ての楽器が中途半端な演奏技術でした。

それでも形にしたかったので、この曲に特化するという形で、練習と録音を始めました。



特にベースはすごく苦手な楽器でしたが、今ではある意味一番楽しめる楽器に変わりました。


前回のワンマンライブで演奏してくれたベーシストchamaさんの音選びを思い出しつつ、自分の好きなベースの動きを探して音源を聴いて真似をしていく。

その作業の連続でした。


曲中に登場するエレキギターは、殆どが1月に購入したgibson Byrdlandです。

すごく扱いが難しくて苦労しましたが、このギターと後ろで鳴っているエレピサウンドがこの曲の湿度感を演出してくれたように思います。



オルガンは、専門知識がほとんどありません。
でも、オルガンがどこか懐かしい記憶を繊細に引き出しくれることを幼少期から感じていたので、絶対に入れようと思っていました。


ドラムに関しては生ドラムではないのですが、実際の生ドラムをスタジオで叩いてイメージを膨らませた後に、鍵盤でリアルタイムで打ち込み、調節する、という方法でした。

そして、この為にわざわざドラム音源を購入しました。 (そんなお金どこから....)


なにより苦戦したのは、mix、マスタリングです。

僕は元々知識も乏しいし、すごく苦手意識もあります。

それに機材が揃っているというわけでは決してなかったので、自分の持っているものを活かしてどう使うかを景色と情景の練習や食事の合間にずっとしていました。


YouTubeで勉強して、自分の音源で試して、これの繰り返しです。


なんとか今の自分のできることは最大限できたのではと思います。

・最後に


これだけ時間と労力をかけた音源も、聴くのは5分ちょっとで終わってしまうのは凄く寂しいですね。


それでも、この音源を発表できて本当に良かったと思っています。


東京にきて6年。 

全然売れないし、僕がやりたいことって東京じゃないとできないことなのか?と思うこともあります。


それでも、これまでの6年間は自分にとって凄く意味がありました。


そもそもギターですら危うくて、誰かに弾いてもらった方が良いんじゃないかと指摘をされたこともある僕が、一人で音源を完成させるところまでこられたのは、間違いなく東京での色々な出会いのおかげだと思います。

苦しんだ6年間を肯定的に感じられるようになったという意味でも、この音源は自分にとって凄く大事な一曲になりました。


今ではあの頃の色んな苦も、心から良い思い出だと思えるようになりました。


それもまさに、この曲そのものだと思います。



景色と情景が終わって、来年は僕はどこで何をしているのか全く想像もつきませんが、ぜひ、今のこの瞬間を見届けて頂きたいです。


次回のライブはこちら

2024.9.6(金)
浅草Gold Sounds
Gold Soundsとしぞーpre.『浅草ネオポップ』
​OPEN 18:00/START 18:30
ADV¥2500 / DOOR¥3000 (+1Drink\600)
ツイキャスプレミア¥2500
​twitcasting.tv/c:asakusagolds…

共演:荒川サピエンス,DeeDeeDee ,FUGAS

珍しくあの赤いエレキギターで歌おうかと目論んでいます。(変わったらすみません💦)


ぜひ、あそびにきてください。


squallも、たくさん聴いてくださいね!

https://linkco.re/t6nxtdRe?lang=ja


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