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鬼打ち天鳳位の三人麻雀勝利へのプロセス レビュー【雀魂三麻対応】

マイナビ出版様(マイナビ麻雀BOOKS) から6月24日に発売予定の麻雀プレイヤー「お知らせ」さんの最新書籍

『鬼打ち天鳳位の三人麻雀 勝利へのプロセス』

を頂きました。

著者の「お知らせ」さんといえば月にネット麻雀天鳳の4人打ちを1000半荘以上打ち続ける通称「鬼打ち」で有名なプレイヤーです。

ネット麻雀でもひときわレベルが高い「天鳳」の最上位である「天鳳位」を達成。三麻でも到達が極めて難しい十段を数回経験、最近流行りのネット麻雀「雀魂」の三麻においても最高位の「魂天」に上り詰めるなどなど…

プレイヤーとして超が100個ついてもおかしくない実力を持っています。

四麻天鳳位なのでお知らせさんは四麻の人では?とおもわれがちですが、実は天鳳は三麻から始められたそうで、キャリアとしては三人麻雀のほうが長いとのこと。

すでに四麻の戦術書を2冊出版されており、今回は満を持して?三麻の戦術書を出版されました。2冊とも非常に濃い内容で多くの方から好意的な批評も多く良書の一つとして取り上げられているくらいです。


というわけで早速本書のレビューをつらつら書いていこうと思います。

この本を読むべき人【ターゲット層は?誰向けの本なの?】

まずこの本は誰におすすめできるか、誰にとって価値のある戦術書なのか、という話から。

レベルとしては三麻の中級者~上級者向け。または四麻を打ちなれてる人が三麻の打ち方にアジャストする本という印象です。

【中級者~上級者のレベル感※個人の感想】
・天鳳5段~8段(9段以上の人には内容的に物足りないかも)
・雀魂玉の間~王座の間
・フリー雀荘でギリギリ場代負けしてる人
・四麻をバリバリ打ってて三麻はやったことがない人

ざっくり言うと中級卓まで行けたけどそこから先へ進めない、という人は前半の内容をしっかり見て覚えるだけでも雀力アップが期待できる内容でした。

実践的な内容が多く、スジやノーチャンス、牌効率などある程度麻雀の知識があることが前提で書かれています。

麻雀を始めたばかりの人には難しいことが書かれているのでネット麻雀で中級レベル以上の段位にいる人には効果てきめんかと思われます。


もちろん最上位卓(王座、鳳凰)でもしっかり読み込めば十分通用する内容なので上級者にも読み応えのある内容がぎっしりつまっています。


ですが目新しい、すばらしい戦術が書かれているわけではなく、上級者は当たり前のように考えている(はずであろう)、基礎的な内容が8割ほどでした。

捨て牌よみとか高度な場況読み!とかそういうのはあまり取り上げられておらず、ベタオリやスジカウンティングといった基本戦術が中心です。

なので一部の上級者(天鳳だと8段9段をうろうろしてる人?)からは「いやこんなの当たり前だよね?」と感じる内容かもしれないので「お知らせさんがなにかすごい戦術を書いてるのかな?」と思うと肩すかしを食うかもしれません。

トップオブトップの上級者の人は戦術を学ぶというより、いままで独学でやってた人は自分の感覚が正しいのか、お知らせさんはどう考えて打っているのか、という答え合わせ的な使い方がベターだと思います。


また三麻の本ですが考え方は四麻に通ずるところも多かったです。四麻をバリバリやっていたけど三麻に興味があるからどう打ったらいいのか知りたい、という人にもおすすめです。

四麻で打ちなれている人ならこの本を読んで三麻の打ち方にアジャストすればすぐに上位卓には到達できると思います。

三麻が強いひとは四麻も強い、という言葉があるように四麻でスランプになってるひともブレイクスルーのきっかけになるのではないでしょうか(そしてそのまま三麻の沼にハマりましょう)。


天鳳って書いてるけどフリー雀荘(関西三麻)は対応してるのか?という疑問については完全に対応してないけど参考にできる部分はたくさんある、といった感じです。

天鳳(雀魂)ルールを元に書かれているのである程度フリールールに調整する必要はありますが、概ねどのルールでも大事なコトを中心に取り扱っています。

ちなみに三麻ルールについても本書で言及されてますのでフリー雀荘が主戦場の人、MJがメインの人にもおすすめできる戦術になっています。

つづいて本書の内容について、感想も踏まえて簡単にまとめていきます。

中級者は第一章と第二章を読み込めば勝てる

本書の目次についてはお知らせさんがnoteにかかれているのでそちらを参考ください。

全体的な流れや書き方は前作と似たような感じです。内容が濃いので読むのは結構疲れます(笑)

前半では三麻のルールについて、天鳳(雀魂)ルールの特徴、四麻との相違点やルールの対応についてお知らせさんの考えが書かれています。

お知らせさんの主張をまとめると

・打牌選択はルールでそこまで変わらない
・四麻も三麻も重要なポイントは一緒

四麻と三麻は別ゲー、三麻天鳳と関西三麻は別ゲー、四麻も天鳳ルールとピン東は別ゲー…などなど

そりゃぁ、ルールによって多少打ち方は変わるけど、でも根っこの「あたりまえ」の部分はちゃんと正しくできてんの?

という主張です。これは読んでで確かに、と膝を叩きました。あたりまえのことができているか、逆にそこさえしっかりしてればどんなルールでもある程度対応できるというわけです。

じゃあその「あたりまえのこと」ってなんなのさ、という内容が続きます。

詳しくは本書で確認していただくとして、簡単にまとめると

・手組みは三麻も四麻もほぼ同じ
・リーチは最強
・ベタオリ大事
・通ってないスジを把握しろ

という内容です。

あと三麻で注意する点として

・場況はそこまで気にするな
・副露に気をつけろ
・放銃率を常に意識せよ

という内容でした。(上級者からしたら)至極当然な内容ですね。

これらは三麻上級者なら当たり前すぎる内容ですが、中級者、特上卓や玉の間で苦戦している人はぜひ徹底したい内容ばかりだな、と思いました。

当たり前体操ですがこれを徹底できてるかどうかが大事だ、というのがお知らせさんの主張です。(特にスジカウンティング

三麻を始めた人、なれてない人は一章と二章の内容をしっかり頭に叩き込むだけでもそこそこ勝てる内容ではないかと思いました。

上級者も納得の第三章、この内容を全部できれば上級者

三章では具体的な押し引きの項目になります。

ぶっちゃけこの章が非常に内容が濃いので読むだけでもかなり疲れます(笑)。本書は三章がメインと言っても過言ではないくらいの内容になっています。

三章ではお知らせさんの実戦譜を元にどうやって押し引き判断を考えるか、という流れになっています。

上級者からしたら若干意見の相違はあるかもしれませんが、この章を完璧に把握して実践で使えるようになれば相当三麻で強くなれるな、という内容でした。

三麻の押し引き判断ってどうすればいいんだろう、と悩んでいる人はかなり参考になる内容だと思いました。

補足事項では後手に回ったときの牌効率についても解説されています。

なんで上級者の人は放銃しないのにアガれれるんだろう、という疑問もこの章を見ればなんとなく理解できるはずです。強い人がなぜ粘り強いかもこの章を見れば納得するはず。


内容が濃すぎるので詳細は割愛しますが、どの項目でも共通しているのは

「常に通ったスジが何本か数えて無筋(愚形)の放銃率を把握しろ」

という点です。

三麻は自分が跳満でもスジが残り1本で自分が超危険な無筋を引いたら聴牌でも降りるケースが多いというのが目からウロコでした。

なんでもかんでも攻めたらいいってもんじゃない、残りスジを数えて通って無い牌の危険度はどれくらいかを常に把握することが三麻では特に重要であると。

これも上級者からしたら当たり前すぎる話かもですが、三麻はこれがすべてだといっても過言ではないくらい、本書ではしつこく書かれています。

スジが1~2本しか残ってなかったら?
聴牌したけどスジ4本ぐらいなら押す?
後手を踏んだ場合残ってるスジは何本ならどうするか?
ダマテンのケアは?自分がダマなら?

などなど、

とにかく内容が濃すぎるので中級者の人はかいつまみながら実践で使えるようにしないと胃もたれするレベルです(笑)

逆に上級者の人は読み込めばさらに自分の押し引き精度が研ぎ澄まされるはず。

本書は三章がメインと言っても過言ではないくらいです。三麻で強くなりたい人はこの章がボロボロになるまで熟読してみてください。私も咀嚼中です(笑)

麻雀オタクは四章を読もう

四章については深くふれません。

目次を見たらわかると思いますがかなり限定的な内容を取り扱っています。ぶっちゃけ中級者の人は三章で十分ってくらいですね。

安定段位八段レベルの麻雀つよつよオタククンが大好きな内容が取り上げられているので余裕がある人は参考になるかも、というのが正直な感想です。

ぶっちゃけ自分のレベルがまだまだなので四章の詳細なレビューができません(笑)申し訳ない…

知識に貪欲な人は是非四章も読み込んでみてください。

まとめ~三麻だけでなく麻雀の基礎が徹底できる良書

天鳳、と名を打っていますが、いろんなルールを打ってる人にも参考になる内容でした。特にルールがほぼ一緒の雀魂三麻にも活用できますね。

また三麻の戦術本ですが四麻でも役立つ内容もありました。考え方を参考にすれば四麻でもスキルアップに役立つのではないかと思われます。

内容も濃く全部を理解するにはかなりの労力がかかりますが、ロジカルにかかれており非常に読みやすいのもポイントです。

三人麻雀でもっと強くなりたいという人は必見の一冊です。



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