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【麻雀】ThANM(ザン)リーグのルール考察&感想について

2021年末、前科一犯麻雀YouTuberでおなじみの高田まさひろさんが三人麻雀の競技団体を発足しました。

その名も「ThANM(ザン)

複数のリーグに分かれており、昇級降級が発生するガチのリーグ戦、上位リーグはスタジオを借りて放送対局を行うなど、他のリーグ戦とくらべると大規模です。

上位リーガーも天鳳位のお知らせさん、YouTuberの肥✕さん、平澤さん、女性メンバーの方を読んだりとメンツもガチガチで気合が入っています。


三麻といえば関西でしたが、近年では関東エリアにおいても三麻フリーのお店が増えてきており、関東初の三麻競技団体ということで、会員もすでに180人を超える勢いある団体となっています。

※後期ではスポンサーを募り、Mリーグのようなリーグも考えているそうです。すげー。

自分もBリーグに参加しており、現在はぼちぼちな成績でとどまっています。

今回のノートでは前半はザンリーグのルールについて(自分のメモも兼ねて)あれこれ書きまして、後半はザンリーグそものもについての考察となります。

ザンリーグのルール

■主なルール
・5万点持ち
・ツモ平和ありのアリアリ
・ピンズソウズの5は赤ドラ
・ドラ表示牌の横までツモ
・抜きドラ(華牌)あり
・白ポッチ採用(リーチ後オールマイティ)
・ツモ損なし
・点数計算は30符固定(符計算なし)
・本場はロン1000点、ツモ1000点ALL
・4枚使い七対子など特殊役採用
・一発/裏ドラ/リーチ後白ポッチツモでチップ+1枚
・華を4枚抜いてアガると役満祝儀(打点はドラ4のまま)
・トビ終了の場合飛ばした人にチップ2枚

その他の細かいルールはHPをご覧ください。

いわゆる「アリアリ関西三麻」と呼ばれるルールです。

ザンでは赤ドラやツモの数など基本的な関西三麻のルールをそのまま採用しています。

関東でもここ最近マーチャオを始め、アリアリ関西三麻が打てるお店が多く出店しているので知っている人も少なくないはずです。

※ちなみに大阪で昔からある三麻フリーは完全先付け(ナシナシ)、平和ツモなし(ツモったら平和がつかない)、南場はノーテン連荘というルールです。
私はこのルールを「Classic関西三麻」と勝手に名付けています

裏ドラ含めてドラが20枚、ツモも通常より2~3順多く、ツモ損もないため点棒の動きが激しくなるという特徴があります。簡単に跳満倍満が出るので満貫が四麻の3900点くらいの感覚です。

さらに白ポッチもあるためただでさえ強いリーチが更に強化されています。

ドラの数やツモ順の数などMリーグルール(赤3)とは恐ろしくかけ離れてるなぁという感想を持たれる人も多いと思います。

ザンリーグルール考察

ここからはザンリーグのルールについて、特徴的な部分を詳しく見ていきます。

レギュレーションについて

ザンではスコアを用いず、チップの枚数がそのままスコアになります。

初回はチップ50枚からスタート。

チップの保有枚数で順位が決まり、Aリーグの場合は0枚になった時点で即降級というレギュレーションとなっています。(Bリーグは半期終了時点で0枚以下だと降級)

スコアではなく単純なチップの枚数で順位が決まるので従来のリーグ戦と比べると大きく異るレギュレーションですね。チップの枚数を数えればいいので集計はかなり楽でいいですねw

チップの精算について

順位に応じて支払うチップが異なります。点数に換算すると1枚につき5000点の価値。
順位ウマ10-30での計算です。ラスのウマがでかいのでトップの価値が高くなっている点がポイントですね。

ザンルールの特徴の一つとして、素点の管理が通常のルールよりも重要になります。1万点で区切っているので49000点と5万点、たった1000点でも±2枚の差が出ます。

たとえラスでも満貫や跳満をアガることでチップの損失を抑えるというケースも多々発生します。
特に32000点や18000点持ちのような点棒だと満貫や跳満をアガることでチップの損失を減らせるのがでかいです。18000点で跳満をアガったらチップ4枚分プラス。これはでかいですよね。

また通常のルールと比べると素点の価値がかなり高くなっています。

トビの場合は▲18枚に加え更に2枚支払う事になるので実質▲20枚の損失になります。

そうなると3万点台のラスとトビのラスではチップ10枚の差が出ます。
トップの場合はいかに相手をトビで終わらせるか、ラス目の場合はいかにトビを回避して素点を稼ぐか、といった立ち回りが求められます。

微差トップよりも相手をハコらせてのトップの価値が高いのでガンガンに攻めることが求められる、かといって攻めすぎてハコってしまうと大きくマイナスになる、ここらへんの押し引きをどうするかがキモになりますね。

ザンリーグルールはリーチが強すぎる

ザンリーグにおけるリーチが強すぎます。リーチが強いということは必然的に門前主体のスタイルが強いといえます。

というのもチップを稼ぐ手段が素点以外に一発と裏ドラ、白ポッチツモしかありません。全部リーチを打たないと抽選を受けられないのでとにかくリーチすることが重要です。

※華4枚抜きもありますが、ほぼ役満レベルの出現率なので考慮しません。出たらバカヅキぃ!ラッキー!くらいのレベル。

またフリーにおけるチップとは価値が全然異なります。

フリーだといわゆる500G分の価値ですが、ザンリーグではチップの1枚差で成績が決まるからです。Gは麻雀以外でも稼げますが、ザンリーグのチップはザンリーグでしか稼げません。

裏1が乗ったらそれだけでハッピー!
裏2が乗ったら思わず立ち上がり奇声を上げてチンパンジーの如く手をたたくレベル。
裏3が乗った日には白目になって失禁するレベルです。

チップがすべてのルールの中で、素点以外に稼ぐ方法がリーチを打つ以外ないので通常ルールとくらべて門前の価値が相対的に高くなっている、という点はぜひ抑えておきたいですね。

そもそも白ポッチが入っている時点で相当リーチが強いルールです。白ポッチが見えてないときの愚形リーチの打ちやすさといったら!

七対子で5単騎にして白ポッチをツモるといい感じにアドレナリンがにじみ出るので健康的ですね。

5万点持ちについて

通常三麻フリーでは35000持ちですが、ザンでは50000点持ちでスタートします。

おそらくすぐにトバないように考慮して、だと思います。

50000点持ちだと開局時に親の三倍満以上に振り込んでもトバない、という点は地味ですが重要だと思います。

ドラが多い関西三麻は親番さえあればいくらでも逆転できるゲームです。たとえ開局親に役満を振り込んでもなんとか親番を持ってきたら逆転のチャンスが一気に広がります。

また5万点あるので運が良ければがっつり素点を稼ぐことができます。練習試合では一人トビ、もう一人は1万点台で終了というデカデカトップみたいなこともありました。チップにして+28枚。これはでかい。

そう考えると5万点スタートは絶妙なバランスだな~と思いました。

全赤ルールはリーグ戦として適切か?

ここからはザンリーグそのものの考察になります。考察と言うか感想とか文句と書いたほうが適切かもしれません。

まず当初感じた懸念点から。

そもそも短期の成績がブレブレになる全赤ルールでのリーグ戦ってどうなのよ?って話です。

麻雀は運ゲーと言われますが、こと三麻においては四麻以上に運ゲーです。さらにドラがめちゃくちゃ多いのでブレに拍車をかけてしまいます。

とある雀荘経営者の方いわく「全赤ルールは中級者を勘違いさせやすいゲームである」とのこと。

たしかにガンガン攻めやすいルールなので上ブレを引いたときだと「あれ?俺って世界一麻雀が強くね?」と簡単に勘違いしてしまいます。それが美人局だと知らずに美女にほいほいついていって痛い目をみる中年男性の如くです。

ザンリーグは最長36ゲームと超短期で決着が決まります。
なので上ブレを引いたら簡単に上位に行けますし、堀内さんレベルの上級者でも下振れを引いたらなにもできず終わってしまうことも多々あります。

そんな運ゲーも運ゲーなルールで「己の強さを証明せよ」というのもどうなのよ、という意見です。

・・・そもそも赤を入れるかどうかは紀元前から続く論争なのでいまさらどうのこうのいう話じゃあないんですけどね…
競技でやるなら赤を入れるな!偶発性を高くするな!なんて討論いまだに続いています。
※ザンAリーグの対局動画のコメントにも似たような意見がありました。

ぐちぐち文句言ってますが、やっぱり全赤ルールだと派手な展開も多くなるし、見どころもたくさんあるのでこれはこれで全然ありだと思ってます。

偶発性をなくすために赤なし、抜きドラなしにするのって、ラーメンで例えたら二郎系ラーメンで油抜き、チャーシュー抜きにして細麺で食べるようなもんです。

やっぱり三麻はギトギトで油こってり、ボリューミーなゲーム性をどれだけ楽しむかが大事ですからね。

発足したばかりなのでなんとも言えませんが、全赤ルールのリーグ戦は今までなかったのでこれはこれでありなんじゃないかという感じです。

対局中の空気感について~競技団体だからキッチリ打つべき?

空気感、っていうと書き方合ってるかちょっとわかりませんが…

私が参加した会場では結構和気あいあい?とした空気感でした。

具体的には対局が終わったあとに「いや~あれ切っていれば当たってましたね~」とか、「うわ~山になかったじゃん~!」みたいな言葉のやりとりがちょろっとありました。

他にも対局中追っかけリーチが入って無筋をつかんだときにちょっと大きめのリアクションをしたりとか、フリーで打ってるような感じでした。

こういうのが良いか悪いかはわかりません。というか自分自身リーグ戦というものに参加したのが初めてなのでどんな感じで打ったら良いのかがわかりません。

いわゆるプロの対局なら私語厳禁でモクモクと打たないといけないな~ってのはわかるんですが、特に私語NGとも書かれてないので割りとゆるーい雰囲気の中で打ってる感じです。


Aリーグの選手のリーチ発声の件でちょっと問題になりましたが、その件で代表のまさひろさんが動画を出されています。

リーグのあり方については上の動画で語られている通りです。

競技団体と名乗っているならもっとマナーはしっかりすべきだ!という意見もありますが、代表がプロの対局のようにガチガチにせず、フリー雀荘で言われる最低限のマナーを守ってくれればOK、というスタンスで運営すると代表がおっしゃられているので、こちらについては私は賛成です。

ザンルールは三麻のスタンダードとなるか

個人的に期待しているのがこの部分です。

四麻のルールといえば?と聞くと大抵の人はMリーグルール(赤3のアリアリ)と答えます。

そんな感じで三麻のルールといえば?と聞いたときにザンのルールだと答えてくれるようになって欲しいなと思ってます。

というのも三麻は古今東西様々なローカルルールがあります。
冗談抜きで100の雀荘があれば100のルールがあるくらい多様です。

ザンリーグがメジャーになればザンのルールも浸透していくはず、そうばれば三麻のスタンダードなルールとして認知されるようになると思います。

ザンリーグルールがスタンダードなルールとして認知されたからなんやねん、って話なんですが、Mリーグみたいな感じで認知されればそれは三麻も市民権を得るようになったと言えるので三麻好きとしてはぜひ期待したいところです。

今の段階って三麻は格闘技で例えるとストリートファイトみたいな、ちょっと王道から外れたアングラチックな感じがするんですよ。
四麻がボクシングみたいな感じで地上波で取り上げられるレベルなら、三麻はCSでやってるようなイメージです。

ザンルールが広く知れ渡ればもしかしたら著名プロ、それこそMリーガーがザンリーグルールで対局したり、Mリーガーとザンリーグルールで打てるようなイベントもできたりするので、三麻の普及が捗るんじゃないかな~という妄想もしちゃったり。

ザンリーグの規模が広まってもっと三麻が普及してほしいと、いち三麻好きとして願っております。

最後に

つらつら書きましたが、今まで三麻、しかもフリー雀荘でおなじみの全赤ルールでの本格リーグ戦は今までなかったのでぜひ規模が大きくなって流行ってほしいと願っております。

三麻人気もじわじわと広まっておりますが、ザンリーグを起点としてもっとメジャーな競技としてもっと広まってほしい、といちプレイヤーとして思います。


会員ですがまだまだ募集中とのことですので、三麻が好きな人、三麻で自分の強さを証明したい人、有名YouTuberと一緒に打ちたい人、動画で自分の名前を売って有名になりたいという人は是非ザンリーグへ!

入会については公式HPをご覧ください↓


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