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無重力ねこ2 : 妄想ショートショート054

無重力ねこ - 宇宙での休息

宇宙ステーションでの生活にすっかり慣れたMikoは、無重力環境で自由気ままな活動を楽しむようになっていた。彼女は空中を優雅に舞い、宇宙飛行士たちと遊び、時には高速でステーション内を文字通り飛び回るように駆け巡ることもできた。

Mikoは猫らしく、日中何度も小休憩をとる。しかし、宇宙での彼女の休息は地球上のそれとは大きく異なっていた。Mikoは無重力空間に浮かびながら、体を丸めて眠ることを覚えた。彼女の体は、まるで宇宙空間に浮かぶ小さな惑星のように、静かにステーション内を漂っていた。

最初は宇宙飛行士たちは、浮遊するMikoが物にぶつからないか心配していた。しかし、Mikoは自身の位置と周囲の物体を瞬時に認識し、衝突を巧みに避けることができた。宇宙飛行士たちは、Mikoのこの驚異的な空間認識能力に驚嘆した。

Mikoが眠るとき、彼女の表情は穏やかで、まるで夢の中で新たな冒険をしているかのようだった。宇宙飛行士たちは時々、彼女が眠りながら小さな動きをするのを見て、彼女が何を夢見ているのか想像し癒されていた。

しかし、乗組員たちはやがて、Mikoの行動パターンと宇宙ステーション内の時間の流れに奇妙な関連性があることに気づき始めた。Mikoが起きて活動している間は、時間が通常通りに進むように見えたが、彼女が眠りにつくと、時間の流れが遅くなるように感じられたのだ。

Mikoが無重力空間に浮かびながら眠ると、ステーションの中では、時計の動きが遅くなり、実験装置の反応も緩慢になる現象が観察された。この不思議な時間の変化は、彼女が目覚めると元に戻った。

この現象を前にして、科学者たちは困惑した。彼らは、Mikoの存在が何らかの未知の現象を引き起こしているのではないかと疑い、宇宙ステーション内での詳細な観測を始めた。そして、一人の飛行士がこの現象に"巫女時間(Miko Time)歪曲現象"と名付け、基本的な数式をかいた。

巫女時間(Miko Time)歪曲現象の数式

・( T_M ) は巫女時間歪曲現象における時間の流れ。
・( T_0 ) は通常の時間の流れ(Mikoが覚醒しているときの基準時間)。
・( v_M ) はMikoの活動状態に基づく変動係数。
・( c ) は光速、宇宙の速度制限を表す定数。
・( M_k ) はMikoの時間歪曲係数、Mikoの存在が時間に与える影響の度合いを表す。

この数式は、Mikoの活動状態によって時間の流れが変化することを示している。Mikoが眠っている(( v_M ) が小さい)時、( T_M ) は ( T_0 ) よりも小さくなり、時間の流れが遅くなることを意味する。逆に、Mikoが活動している時は、( T_M ) と  はほぼ等しくなり、時間の流れは通常通りになる。

しかし、このMikoの不思議な能力は、まだ解明されたわけではない。宇宙科学に新たな謎を提供した。彼女の存在は、時間と空間に関する新しい理論の発展に寄与し、人類の宇宙理解を深める契機となった。Mikoと宇宙飛行士たちは、宇宙の神秘と謎を共に探求する冒険は続く。

ー無重力ねこー
おわり

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