将棋ウォーズ1級で4年間伸び悩んだ僕が初段になれた勉強方法
はじめまして、だいのじと申します。
この度、将棋ウォーズ10分切れ負けで初段に昇段することができました。
昇段記念にノートを書きます。
せっかくなら誰かの役に立つ記事を書きたい。
そこで今日は級位者の方に向けて、僕が試した多くの勉強法の中から、最も勝率アップにつながった勉強法を3つ紹介します。
僕と同じように伸び悩んでいる方は、上達のきっかけになるかもしれません。
有段者の方は暖かい目で見てください。
将棋歴とプロフィール
将棋歴:約8年
年齢:30代前半
家庭:二児の父
戦型:居飛車党
その他:棋神は8年間で1個だけ使用
育児のため家では将棋の時間が取れない中、主に通勤電車で対局をして、8年かけてようやくの昇段です。(1級になってからは4年かかりました。)
初段到達までの期間でもうお分かりかもしれませんが、僕には将棋の才能がありませんでした。
パワプロくんで言えば「センス×」がついた状態で生まれてきました。
ゲームでこんなキャラが出たら速攻リセットしますが、現実は何年も続けてみないと才能がないことにすら気づけないから酷なものです。
以前にXでとったアンケートでも、初段到達までに5年以上かかる人は20%と少数でした。
8年ともなればもはや下手の物好きです。
でも、そんな僕でもずっと目指していた初段になることができました。
棋力がアップした勉強法TOP3
さっそく本題です。
8年間試してきた様々な勉強法の中で最も勝率アップに繋がったものを1位から発表します。
第1位:実戦!詰めチャレ
第一位は将棋クエストの「実戦!詰めチャレ」です。
詰めチャレとは、アプリ「将棋クエスト」内のゲームで、30秒以内に玉を詰ませるルールです。
作品としての詰将棋とは異なり、実戦譜から出題されるため、余詰めも駒余りも何でもありな点が特徴です。
30秒の制限時間があるので、何度も解くうちに読みの速度が上がります。
さらに、部分図ではなく81マスの全体図から出題されるため、実戦の中で詰みを見つける力がつきます。
詰めチャレをやっていたおかげで短時間で詰みを見つけられたケースは何度もありました。
詰みを見つける=勝ちですから、最も勝率アップに直結した詰めチャレが堂々の第一位です。
毎日10分解いて、間違えた問題はスクショして後日見返すという方法で、確実に終盤の詰みの見え方が変わりました。
詰将棋ハンドブックではダメなのか?
詰将棋ハンドブックを解いている方も多いと思います。
僕も、3手詰(黄、ピンク)、5手詰(青、緑、赤)共に穴が空くほど周回しました。
しかし、何度も周回するうちに全ての問題を覚えてしまい、詰将棋を解いているのか、単に記憶したものを思い出しているだけなのかが分からなくなり、次第に効果が感じられなくなりました。
とはいえ、基本的な詰め手筋を身に付ける上でハンドブックに勝るものはないと思いますので、
基本手筋を身に付ける→ハンドブック
詰みを見つける力を鍛える→詰めチャレ
のように分けて活用するのが良いと思います。
第2位:高速棋譜並べ
第2位は高速棋譜並べです。
これは将棋系YouTuberなるるさんの動画で紹介されていた方法で、やり方は至ってシンプルです。
【高速棋譜並べのやり方】
同じ棋譜を30回並べる
できるだけ早く並べる
自分より三段級くらい上の人の棋譜を並べる
詳しくは動画を見ていただきたいですが、
高速棋譜並べをしたら、不思議と対局で勝てるようになりました。
本当に、驚くほど勝てるようになりました。
高速棋譜並べをはじめる前後の達成率の推移はご覧のとおりです。
高速棋譜並べが上達の要因かどうかはハッキリとは分かりませんが、体感では非常に大きな上達のきっかけになったと感じています。
なぜ高速棋譜並べで勝てるようになるのか?
棋譜並べは将棋の三大上達法の一つとも言われていますが、僕は今まで棋譜並べの効果がわかりませんでした。
その理由は、1回しか並べていなかったからです。
30回並べると、棋譜を見なくても1局を並べられるようになります。
そして、序盤の駒組から中盤の手筋、終盤の寄せ方をすべて吸収できます。
特に、中盤の手が広い局面や終盤の入り口の難しい局面で、強い人が何を考えて指しているのかを理解できた点が、勝率アップに繋がったのだと思います。
今では良い棋譜データが見つかると宝石のように輝いて見え、早く並べたくなります。
第3位:寄せの手筋200/凌ぎの手筋200
第3位は「寄せの手筋200」と「凌ぎの手筋200」です。
有名な著書なので改めて紹介するまでもないかもしれませんが、本書は終盤の問題集です。
基本問題から応用問題へと徐々に難易度が上がっていく構成で、対象棋力も初心者〜四段と幅広いです。(凌ぎの手筋は初段〜四段)
解きながら自分の成長を感じられるのも楽しいです。
本書を何度も解けば間違いなく終盤力の底上げになると思います。
僕は2冊とも5回以上は解いていますが、未だに正答率は7割ほどです。
9割正答を目指して毎日寝る前に解いています。
上達法まとめ
「将棋は終盤力」の格言どおり、終盤力を重点的に強化することで初段に到達できました。
しかし、何かのきっかけで急に強くなることなどなく、地道な努力を続けた結果だったと思います。
将棋の上達に悩まれている方に、何か一つでも参考になれば幸いです。
メンタルコントロールとモチベーションの維持について
さいごに、対局で安定して勝つために勉強法よりも重要なこと、メンタルの安定とモチベーション維持の方法についてお伝えします。
僕はメンタルが弱くて、負けが続くと自信を失くし、自信のなさが指し手にも表れて負ける、負の連鎖に陥ることがよくありました。
さらに最悪の場合、「どうせ勝てない」とヤケを起こして自暴自棄な状態で廃指しをして達成率を溶かしてしまうのです。
初段になるにはこのメンタルの弱さを改善することが絶対条件でした。
対局記録をつける
メンタルを安定させるためには、対局記録をつけることがおすすめです。
記録といっても、時間をかけて書く必要はありません。
対局日・勝敗・達成率・採用戦法をメモするくらいです。
対局記録でメンタルが安定する理由は、「負け」がただの記録上の1敗になるからです。負けても淡々と記録していくことで、敗戦後の落ち込みが徐々に軽減されていきました。
スプレッドシートに記録しておけば、簡単にグラフを作ることもできるので振り返りにも活かせます。
そして溜まった記録をグラフにして後日見返すと、長期的には右肩上がりに成長していることが分かったりもします。
達成率の減少が一時的なものだとデータから判れば、負けても落ち込む必要はないですからね。
将棋仲間を作る
次にモチベーション維持についてです。
将棋のやる気を高めるには、人と対面で指すことが一番です。
実際に盤を挟んで将棋を指す楽しさは、何ものにも代えがたいものがあります。
小学生の頃、毎日友達の家でスマブラに熱中したときのような、あのキラキラした時間がそこにあります。
近くに対面で指せる場所がない方は、ネットの将棋コミュニティに入るのも良いと思います。
将棋仲間がいると、勝ったときの嬉しさも、負けたときの悔しさも、一人のときの何倍も感じられ、それが上達の原動力になります。
僕はママパパ将棋グループというコミュニティに入っています。
Xで友達対局を募集したり、ネット棋戦を開催したり、たまにオフ会で対面で将棋を指したり、育児で時間がなくてもお互い都合が付く範囲でゆるく将棋を楽しんでいます。
ママパパ限定にはなりますが、もし興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度覗いてみてください!
それでも量に勝る勉強法はない
さて、ここまで長々と勉強法を語ってきましたが(ここまでお付き合いいただいた方、本当にありがとうございます!)、それでも量に勝る勉強法はないというのが僕の結論です。
「最速で初段になる方法」や「高段になる方法」などといった甘いフレーズに飛びついては新しい勉強法を試してきましたが、全くと言ってよいほど成果が出ませんでした。
初段になれたきっかけは、敗因分析して自分で考えて勉強法を決めたことと、将棋に費やす時間を増やしたことです。
将棋道場に通ったり大会に参加したり、休日も棋譜並べをして、スキマ時間が5分あればぴよ将棋で1局並べる。そして寝るときは頭の中で符号を唱えながら寝る。よくよく考えてみれば、プロでもないのに変態な毎日でした。
将棋にかけた時間は去年の3倍はゆうに越していると思います。
ですので、記事のタイトルに反して元も子もない結論ですが、結局量に勝る勉強法はないということを、自らの昇段で痛感してしまったわけです。
これからもさらに将棋の時間を増やしていきたい!ところですが…
家族との時間を第一に、妻に怒られない程度に、家庭最優先で、ほどほどに将棋を楽しみながら強くなっていきたいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
次回はまた4年後、二段昇段noteでお会いしましょう。
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