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覇道日報Vol.12「しん・だい・はどう」

今現在、スマホゲーム日本市場での三国志戦略MMOSLGというとこの3つになるだろう。

新三國志:2018年リリース、香港企業(KT監修)、月売り上げ2~2.5億
大三国志:2017年リリース、NetEase、月売り上げ1.5~2億
三國志覇道:2020年リリース、KT、月売り上げ3.5~4億

こうしてみると覇道、めちゃめちゃ売れているように見えるけど、リリースから数ヶ月は高めの売り上げが出て、その後一定に落ちつくのがスマホゲームというもの。
新三國志はリリースから約半年後の19年1月になっても約5億の売り上げがあったようなので、収益ペースとしては新三國志にだいぶ遅れをとっていることになる。

覇道は三國志シリーズ35周年としてコーエーの肝いりでリリースされた作品。本家がスマホゲーを出すということで話題になったが、思ったほど売れていないのは何故だろうか。

新三國志・大三国志と比べた時の覇道の弱みを考えてみた。


まず、この3つのうち、大三國志は他の2つと比べてゲーム性が大きく違う
大三國志は、3ヶ月間の1シーズンのうち、もっとも早く洛陽を占領することが目標となる。マップ上の土地を占領することが可能で、占領したマスにギルド同士要塞を立てていくことで戦争の前線ができる。戦争は100人以上のギルド単位で行われ、長い場合1ヶ月以上続く。本拠地の移動はできるが、遷都令の使用のようにポンポン位置替えはできない。

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私がいる大三国志108鯖、司隷入りをかけた潼関の戦い。取って取られて剥がして剥がされての泥沼の戦いが1〜2ヶ月続く。相手を降伏させるか自分が降伏するまでおわらない。

それに比べて新三國志と覇道はよく似ている。奪い合うのはマス目の領土ではなく城で、恩恵のほとんどは城の占領によるもの。戦闘が即時決着かリアルタイム戦闘かの違いはあれど、大まかなシステムのつくりは、先輩のをコピペして少し言い回しを変えた大学生のレポートみたいな感じ。
何が言いたいかというと、三國志覇道は「新三國志のようにやれば勝てる」ゲームなのだ。だから新しさがない。

現に「新三國志◯鯖によるギルド」とかがザラにある。この人たちは言ってしまえば人生2回目みたいな感じ。強くてニューゲームのやつらに勝てないのなんて当たり前じゃまいか。

コピペして書き足したレポートであるにも関わらず、覇道には5つの「ない」が隠れていると思う。

①所属国がない
②ゴールがない
③領土がない
④ユーザーとの戦いがない
⑤やることがない


運営は所属国がないことを覇道の特徴として挙げているけど、これがゲームをいい方に持っていっているとは言えないと思う。
なぜかっていうと、これが覇道における「サーバーの大勢がすぐ決してしまう問題」の最大要因だと思うから。
新三国志でもサーバーの大勢が決しているところは多いけど、半年から1年の戦いののちにそうなったという場合が多いと思う。
覇道の場合、早ければ2週間くらいで大勢の決したサーバーもある。これは流石に設計が間違っているとしか言いようがない。

例としてそれぞれのゲームの1位と2位のギルドについて考えてみよう。
新三國志のギルドは魏呉蜀のいずれかに所属する。だから1位と2位のギルドが同じ国になる確率は下がる。違う所属国のギルドとは同盟を組めないので、2位のギルドは同国の次に強いギルドと協力したがるはずだ。そうして国としてのイニシアチブが取れていけば、ゲーム上で天下三分の計も起こり得る。
大三国志のギルドは成長すると定員が100名以上になり、ギルド=国みたいな扱いになる。そして「3ヶ月のリセットが起こる前に他のどのギルドよりも早く洛陽を獲る」という至上目標があるので、2位のギルドが1位にすり寄る理由はない。

しかし覇道の場合は、2位のギルドが1位のギルドと争う理由がない。
「洛陽占領」のような明確なゴールもリセットもなく、1位が敵とも味方とも言えない場合、2位にとっての最善策は3位以下と結託して1位を叩くことではなく、1位と結託して恩恵を分け合うことだ。

そして③の領土がない。大三国志はマスを占領していくオセロゲームの節がある。新三國志は個人が持つ領土はないけれど、領土マップで魏呉蜀の塗り絵大会ができる。国中のギルドと協力して一晩で勢力逆転、なんてこともありうる。
けど覇道の場合、個人が持てる拠点こそあれど、とってとられてが激しすぎて領土とは言えないし、新三国志のような塗り絵もできない。

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新三国志の全体マップ。自分の国の色が広がると達成感がある。全然関係ないけどうちのサーバーみたいに魏が優勢なのって珍しいよね、たぶん

んで④。ユーザーとの戦いがない。
大勢が決している覇道の状況では、たまにある攻城戦で防衛に来たアクティブなユーザーとしか戦えない。そしてそういうやつはだいたい強い人だから勝てない。
3つの中で一番ユーザー同士の戦いがあるのはたぶん大三国志。一旦ギルド同士の宣戦布告があると1ヶ月くらいの間、毎日毎日主城から前線の要塞まで部隊を送って戦い続けなきゃいけない。逆に戦争がない時はマジでなーんもすることがないので、ユーザーが巨大ギルド同士の大戦争を望んで、好きで戦争やってるんですよ〜って感じがする(暗黙のルールをどう思うかは別として…)。
新三國志は大勢が決していても、クロスサーバーイベントを結構な頻度でやっているから、そっちで思う存分ユーザー部隊との戦いができる。

最後に⑤番のやることがない。
これは上の④つによって総合的にっていう感じ。大多数の無課金微課金者にとってはがんじがらめの中で攻城戦ができず、みんなで遊ぶ要素が未成熟(これはちょっと前に日報で書いたけど、覇道は武将育成など一人で楽しむ要素にくらべて協力プレイが弱い)なので、現時点でできることが少なくなっている。
また、ガチャをぶん回してすでに好きな武将を育成しきった(=ひとりで遊ぶ要素を遊びきった)廃課金ユーザーにとっては、ひとりで遊ぶ要素もみんなで遊ぶ要素もつまらなくなっている。


めちゃめちゃ書いたけど、多分これらが現在の覇道の弱み。まるまる新三國志や大三国志から持ってきたら、またパクってきたと言われる苦しい立場だとは思うけど、コーエーならではの技術とアイデアの蓄積があれば改善も難しいものじゃないんじゃないの?とは思う。
こういうジャンルはなにかすごい点があるゲームより、良いところいいとこ取りしたゲームのほうが売れる傾向あると思うけどね。

ちなみにこのnote、喋るだけ喋っといて改善点とかはべつに提示しない。別に私、覇道の運営チームじゃないもん。群雄のみなさんはどうしたらいいと思う?(責任放棄)

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