堀井梁歩訳『ルバイヤット 異本留盃邪土』(南北書園、昭和22)のなかに新村出『典籍叢談』(岡書院、大正14年9月25日)にペルシャ語で書かれたルバイヤットの写真版が出ていたとある。『典籍叢談』はわりと見る本のような気がしたので、できれば古本屋で出会いたいなと思っていたところ、早くも本日遭遇。しかも均一コーナーで(!)。
そこにはたしかに図版もあり、次のように書かれている。厨川白村の追悼文「厨川博士の追憶より鎌倉懐古へ」。白村とオーマル・カイヤムについて語り合ったという思い出より。
この記事を受けて堀井梁歩が執筆した「日本に於ける『ルバイヤット』の書誌」(『異本留盃邪土』所収)には次のように出ている。ペルシャ語の権威城大の松本教授に解読を依頼した。しかし古文書のゆえにはっきりしない。
堀井はさらにイギリスのルバイヤット書誌の専門家A・G・ポツターに意見をきいたと思われる。それについての回答らしき書簡も掲載されており、どういう依頼をしたのかがよく分からないものの、詩篇についてはこう書かれている。
《御送付の雑誌》というところが気になるが、ルバイヤットの作者同定は容易ではないようである。また、これは中国の泉州(福建省)がいかに国際都市であったかの証拠にもなろう。