あの頃。
松任谷由実さんの「冬の終わり」を聴いて、あの頃を思い出す。
あの頃・・・
いつの間にか近づいて、
いつの間にか笑い合って、
いつの間にか一緒にいたあの頃。
どこまでも広がる海と、あふれる緑の山に囲まれた場所。
うだるような夏の夕方。
学校帰りに小高い丘にあるあなたの家で、
スイカを食べた。
夕日が見えるウッドデッキに腰かけて、
靴下を脱いで、足を放り投げて、
水色の制服のスカートのプリーツをユラユラゆらして、
スイカの種を飛ばして、ゲラゲラ笑ったあの頃。
私が弱いせいで、あなたから離れてしまった。
私はあのとき、一生の友達を失った。
頑張るあなたが憎らしかったの。
おいてきぼりにされるみたいで。
傷つけた。迷ってた。同じだけ淋しかった。
(「冬の終わり」/松任谷由実)
30年近く経って、本当の友達がいないことに気づいて愕然とした。その時、あなたのことを思い出した。
本当の友達という言葉を思い浮かべて、最初に思ったあなたとのこと。
あんなに笑って、あんなに楽しかった。
でも、もう遅い。
今更、何言っても。今まで、忘れてたくせに。
都合がよすぎる。だから、
ただ、思うだけ。
あなたの友達でいたかった。
何を綴ってもうそになりそうで、
返事を出せず月日は流れ
なぜかしら
どこからか
ふと蘇る
あの頃の私達
同じだけ楽しかった
(「冬の終わり」/松任谷由実)
この曲を聴いてあの頃を思い出すたびに、涙が出る。
私は、一生の友達をあの頃においてきてしまった。
もう二度と、戻ることない場所に。
いつの間にか話さなくなって、
いつの間にか離れて、
いつの間にか遠くになったあなたへ。
願わくば、
いつか会うことができたら、
笑って、
久しぶり!元気だった?
と言えたらいいと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?