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後で効く 冷酒と 彫刻家の独り言

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彫刻家大黒貴之のオピニオンや独り言をまとめています
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#芸術家

【アートをぶっ壊す!】ネオ・ダダって何?ジャスパー・ジョーンズとラウシェンバーグの反発

彫刻家の大黒貴之です。 今回はネオ・ダダという1950年代末にアメリカで起こったアートの動向をロバート・ラウシェンバーグとジャスパー・ジョーンズの作品をベースにしながらお話します。 ネオ・ダダは、抽象表現主義の後の潮流に乗った動向で、第一次世界大戦時にヨーロッパで隆起したアート運動「ダダ」に類似していることから「ネオ・ダダ」という概念を当てはめられたと言われています。ダダとは、ルーマニア語で二重の肯定を意味します。 彼らは日常的なテーマや物質を絵画に取り込んだネオ・ダダ

芸術家に必要な3つの大事な要素を考える

彫刻家の大黒貴之です。 アート作品はいかにして後世にまで残っていくのでしょうか? 「巨大アートビジネスの裏側-誰がムンクの「叫び」を96億円で落札したのか」(石坂泰章【著】)によると作品が制作されてから60年後が、その大きな節目になるのだといいます。 それは以下のようなプロセスを踏んでいくそうです。 1.ある人が最初に作品を購入する(購入から最初の1ヶ月後にも鮮度が保たれているかどうか) 2.作家の世代が第一線から退く(作品制作から約30年後の評価) 3. 作品を購入

抽象表現とはなんぞや?ジャクソン・ポロックのアクション・ペインティング

彫刻家の大黒貴之です。 今回はアメリカ抽象表現の旗手として活躍したジャクソン・ポロックのストーリーを中心に抽象表現主義のお話をします。 第二次世界大戦後、世界のアートの中心はパリからニューヨークに移りました。抽象表現主義は、戦後から1950年代にかけて台頭した動向で
アメリカ戦後美術の流れが構築されていく基盤的役割を持つことになります。 ドリッピングからアクション・ペインティングへポロックは人の夢や深層心理を表現するシュールレアリスムの作家たちに
大きな影響を受けます。