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オークションハウスのクリスティーズが初のデジタルアート作品を販売など:海外アート最新動向vol.02

気がつけば前回の更新から、もう2ヶ月近くも経ってしまいました。

前回の記事が予想よりも多くの方に読んでいただけたのは、「NFT(Non-Fungible Token / 非代替性トークン)」の波があったからだと感じています。

この2ヶ月の間に、日本の各メディアでもこの単語を見かけることが増え、認知度が高まっていることを実感しており、NFTを通してアートに興味がある人が増えたらいいなと思います。

今回の記事でも触れているので、興味のある方は元記事も読んでいただけると良いかなと。


【2021/03/01〜2021/03/07】

01.クリスティーズが新興市場のテストで最初の完全デジタル芸術作品を販売

クリスティーズは、完全にデジタル化された芸術作品を提供する計画で、新興の暗号アート市場に参入し、この種の作品を販売する最初の主要なオークションハウスになります。(DeepL翻訳)

前回の記事でも取り上げた「NFT(ブロックチェーン/代替不可能なトークン)」関連のリリース。アート自体にも関心はあるのですが、こうした最新技術にも興味があるので楽しいですw

今回出品されるデジタルアート作品(アイキャッチ画像)はこちら。

作品名:EVERYDAYS: THE FIRST 5000 DAYS(クリスティーズ公式サイト/リンク

注目すべきは、大手オークションハウスのクリスティーズが取り扱いを行う・販売することだと思います。これはアート業界にブロックチェーン技術が正式に導入されたとみても良いのではないでしょうか。

私の知る限り、これまでのアート販売の形は、「作品(現物)」があり、それを個人やオークションで「販売」し、「所有者」が変わるのが一般的でした。

これがNFT(ブロックチェーン技術)を用いることで、販売の仕方は変わりませんが、「作品(デジタル)」自体に「ID」を付け、それを保有者のアカウントと紐付けることで、持ち主の証明とすることが可能になります。

また、売買を行うと、紐付けるアカウント先が変わるのですが、その過程(AさんからBさんに◯日に譲渡など)も、ブロックチェーンで記録されるため、仮に作品が盗まれてしまったとしても、履歴をさかのぼって保有者は自分のだと証明することが可能。

今回のように、作品自体がデジタルだとしても、盗まれるリスク(オンラインかオフラインかの違い)はありますが、現物のように、保管場所や劣化の心配がないという意味で、アート業界の裾野を広げるキッカケになるのではないか?と感じました。

ただ、「作品として飾りたい」コレクターや、投資家もいるはずなので、その辺りもデジタルならではの方法があると、作品価値をより高く保つことに繋がりそうだなと。


02.ブロックチェーン企業がバンクシーのアートワークを買い取り、燃やしてデジタルオリジナルに変換

Injective Protocol社は、ニューヨークのTaglialatella Galleryから「Morons (White)」というスクリーンプリントを購入し、月曜日の夜にそれを燃やしました。ブルックリンの近隣で行われたこのイベントは、TwitterアカウントBurntBanksyを介してライブストリームされました。(DeepL翻訳)

アートに興味がない方でもバンクシーの存在は知っている、という方も多いのではないでしょうか。

過去には日本限定Tシャツや、アパレルブランドとコラボしたアイテムなどもあり、1度は見たことがあるかと思います。

そんなバンクシーの作品(Morons(White))が、ライブストリーミングで焼却するところを中継するという(個人的には残酷とすら感じてしまったのですが)、ある種のNFTの信用を高めるためのパフォーマンスを行いました。

これ6分程の映像なんですが、感情移入をしてしまったせいかちゃんと最後まで見れなくて、とばしとばしで見ました...

終始静かな映像で、司会の方が喋った後(英語の内容は分かりませんでしたが)、左下から火をつけ、時間とともに淡々と伸びていき、少しずつ廃になっていく作品を、最後にカメラマンの方がシャッターを切る音だけが響いていました。

今後も実在する絵や作品を、「NFTに変換して販売する」アプローチは増えてくると思うのですが、作品への信用、価値を担保するという意味では、今回のは非常にうまい演出だと感じましたが、意見は分かれそう。

コレクターが顧客になる以上、作品の信用が第一で、それは間違いないのは分かっているのですが。

関連としては、先月にこんなニュースもありました。

その存在が実体を持たない(知られていない)以上、こういったことが起きるのは避けられない気が。

今回の騒動では、実際バンクシー(本物)が、ゲリラ的に作品を出したことが過去にあったため、今回も購入者が本物だと信じて起きてしまったのではないかと感じています。

NFTのデジタルアートを買ってからの「本物か偽物か」は、技術で解消できますが、作成から販売までの間に「偽物」が混じってしまった場合は、出品元の信用でしか判断ができないのが現状かもしれません。

※今回NFTになった絵はこちら。

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引用元/URL:BANKSY (B. 1975)|クリスティーズ公式サイト(リンク


03.あるデザイナーが仮想家具で450,000ドル以上を稼いだ

アルゼンチンのデザイナー、アンドレス・ライジンガーは、「シッピング」と呼ばれるオンラインオークションの一部として、10分の間に10個の家具を売って、45万ドル以上の利益を上げました。(DeepL翻訳)

デザイナーとして活躍されているAndrés Reisinger氏が、デジタルインテリア(?)として、10分の間に10個の家具を売って、45万ドル(約4,500万円)以上を売り上げたそう。

アートならともかく、インテリアをデジタルにして誰が買うのか?と思ったのは私だけではないはず。

記事によると、購入者はRobloxのようなオンラインゲームや、VR空間でステータスシンボルとして展示することができるようで、はじめからオンライン上での利用を見越した使い方をするのか、と少し驚きました。

これはオンライン空間における「アート」の役割を担うのが、デジタルインテリアになると解釈。皆が皆、そういう意図で購入するわけではないかもしれませんが、承認欲求を満たすように・アバターを着飾るように買う層はいるはず。

他にも、Andrés Reisinger氏のInstagramは、10万人以上のフォロワー数がいるため(企業広告も扱っているように見受けられました)、二次流通を見据えた「投資」として、今の段階で購入する人もいるのではと。

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引用元/URL:Andrés Reisinger (@reisingerandres) |Instagram(リンク

また記事には、10点のうち5点を実際のインテリア・家具として届けるともあり、「デジタルでは欲しくない」というある意味(?)当然ともとれる主張をする購入者がいたとのこと。

私もデジタルインテリアには興味がないので、買うのであれば物理的なものがいいのですが、オンラインで過ごす時間が長い・現実と仮想が同じくらいの重要性を持つのであれば、欲しい心理は理解できます。

発展途中のVRが、私たちの生活にどのように根を張っていくのか分かりませんが、「オンラインでのもう一人の自分の存在」が必須になるようなことになれば、こうしたものの価値や流動性はさらに上がるでしょうし、空想ですが、オンラインに絞った「アパレルブランド」や「ヘアサロン」、「エステ」なんかも出てくるのかもしれません。

この辺りを詳しい方に聞いてみたいなと思いました。

思っていたよりも好奇心が刺激されるリリースで、今回いちばん面白かったです。


その他:気になったリリース一覧

04.アンジェリーナ・ジョリーが販売した珍しいウィンストン・チャーチルの絵画がオークションの記録を破る

この売却は、250万ポンド(350万ドル)という高い見積もりの​​3倍以上になりました。チャーチルの以前の記録は、サザビーズロンドンで2014年に170万ポンド(270万ドル)でした。(Google翻訳)


05.ポケモンは素晴らしいファンアートでワンダヴィジョンと交差します

クロスオーバーファンアートは、ファンが複数の知的財産への愛情を同時に示すための最も人気のある方法の1つであり、ポケモン とマーベルの両方 がこの目的で最も使用されているブランドの一部です。(Google翻訳)


06.ジャック・ドーシーの最初のツイートの入札はオンラインオークションで200万ドルに達する

オークションの勝者は、Dorseyが「私のTwitterを設定するだけ」と書いた2006年のツイートを主張できるデジタル証明書を取得します。(Google翻訳)


07.この没入型の新しいパブリックアートインスタレーションは、ブルックリンのウォーターフロントにカラフルなライトアッププラットフォームをもたらします

自然界に見られるパターンからヒントを得て、作品は、訪問者のステップに応答するインタラクティブなプラットフォームでそれぞれ構成される3つの同心円状のリングの形を取ります。絶えず変化する作業は、ブルックリンのウォーターフロント全体で2,400平方フィートに及び、テクニカラーのウォーターフロントのライトショーを提供します。(Google翻訳)


08.ルーブル美術館が商店に転向

ルーブル美術館によると、9千万ユーロ(約1億800万ドル)の収益の損失。昨年3月以来、博物館は他のフランスの文化施設とともに、無期限に閉鎖されたままになっています。(中略) 2月4日、ユニクロは美術館との4年間のライセンス契約に基づき、世界中の店舗でルーブル美術館の衣料品の販売を開始しました。(Google翻訳)


09.キース・ヘリングの象徴的な「ポップショップの絵」がサザビーズの最新オンラインオークションにヒット

キースヘリングの死から30年以上が経ちましたが、ポップアートマスターの遺産は引き続き祝われています。サザビーズは、ヘリングの視覚的な語彙を定義する23の象徴的な作品を紙でオンライン販売した後、ポップショップドローイングとして知られるアーティストによる12のオリジナルドローイングをフィーチャーしたデジタルオークションを開始しました。(Google翻訳)


以上です。

久しぶりの更新でしたが、自分の好きなことについて書くのはやはり楽しいな、と再確認できたことがいちばん良かったです。

(気持ちとしては)隔週くらいのペースで続けていきたいと考えていますのでよろしくお願い致します。

次回は21日日曜日に更新予定です。

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